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ひとりぼっちの、歌
ひとりぼっち、の人は ひとりぼっちの景色を 知っていて 遠くを静かにみつめている たまに夜半の丘に立っては 叫んだり泣いたりしている 眠れば星雲の渦にまかれて わからない ばかりの銀河を 考える人のポーズで 億年も 浮遊して考えずに考えている いつも陽が沈んでいく泣いたり 笑ったり、笑われたり、躓いて ながくながく一本だけど、ながく 伸びた人びとの影に微笑んでいる ひとりぼっち、の人は ひとりぼっちの景色のなか 雨ざらしの丘を登って みえるすべてに手をふり 枯れた花の墓を掘る 最終電車がゆき船がみえなくなる また一日の背中が角を曲がり消えたら 電柱に背中を預け考える人のポーズで ひとりぼっち、で 墓守りの歌をうたい まだ遊びたりないから ひとりぼっちで 遊び、生きている
ひとりぼっちの、歌 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2011.9
お気に入り数: 2
投票数 : 8
ポイント数 : 21
作成日時 2021-01-23
コメント日時 2021-01-31
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 7 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 21 | 21 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.8 | 1.5 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 1.3 | 1.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0.5 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.8 | 0.5 |
総合 | 5.3 | 4.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- ひとりぼっちに染みる歌 (白川 山雨人)
綺麗な詩だと思いました。ひとりぼっち、というのをひらがなにされているところも読んでいて心地よいです。 淡々と語られているのがまた、ひとりぼっちらしいなと私は思いました
0ひとりぼっちで悲しい詩なはずなのに温かいきもちになるのはなんででしょう不思議です
0きっとだれもがひとりぼっち、ですがかいているうちにそこにひとつの人格が生まれてきたようにも思います。ひらがなの使い方はなかなか難しいですが上手くいったようで良かったです。
0>ひとりぼっちを知っているのは、ひと>りではないときを知っていたから その通りだと思います。あるときはひとりぼっちで、あるときはそうでないのかはわかりませんが、ひとりぼっち、で無い事を知ってはじめてひとりぼっちが生まれるのでしょうね。平易、平明にそれでいて味わい深いものが僕の目標でもあるので嬉しく思います。
0海辺の町で育ったせいか、ボルカさんのコメントを読んで自分でもわかっていなかったものが詩のなかに潜んでいたのに気付かされました。
0お読み頂きありがとうございます。何か感じて貰えたら嬉しい限りです。
0なぜだかとても不思議な感覚になりました。 ひとりぼっち という言葉が使われているのですが、 けして情緒が強く記述されている感じはしません。 なにかより抽象的な、そうまるで宇宙空間を漂っているような感じもするのです。けれど、その言葉は確かに「星雲」「銀河」というかたちで文中で使われています。言葉の一語一語は確かに使用されているのです。 それから地上の描写に移行します。 けれどもそれは地上ではないのかもしれないのかもしれません。 - 最終電車がゆき船がみえなくなる この部分はなにかが遠のいていくような感じもします。 「墓」という単語が使われています。 けれど文末は - まだ遊びたりないから ひとりぼっちで 遊び、生きている と結ばれています。 文章のすべてに均整がとれている感じがするのです。 けれども決して無機質で冷たい感じはしません。 なにかを遠目に、静かにみているような感じがします。 とても静かに眺めているような感覚を受けるのです。 コメントを終えようとして、作品を改めて読み返してみると - 遠くを静かに見つめている という行に気がつきました。 やはり、記述されているのです。 コメントを投稿しようとしている今。 なぜかとても深い、怖いくらいのひとりぼっちを感じているのです。
2以前、ある方に帆場さんの詩はガラス一枚隔てて物事を観て書いている、と言われたことがあります。それは別に非難する言葉ではなく単純にそう言う書き方だという指摘でした。この詩にはそういう僕の在り方が如実に現れているのかもしれません。因みに自分がこの詩を読むとき矢野絢子のてろてろ、が頭の中を無限再生されます♾ 笑。 https://m.youtube.com/watch?v=PJEs7WQZXNE
1墓守の歌ですか。墓守とひとりぼっちと言うワードが共鳴しあっているようなそんな感じがする詩でした。
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