明日 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

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たそがれに たれかある さくらのかおりがする

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言葉と詩に、導かれ救われ、時に誤りながらも、糧にしていく。 赤裸々に描写した生きざまは、素晴らしいとしか言いようがない。

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誰かがドアをノックしたから

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あなたへ

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きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

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あなたには「十月」が足りていますか?

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だれのせいですか

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衝撃を受けました

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明日    

あの街路樹にも記憶がある。 誰にも見られずに花は枯れていく。 影は長く、明日の方角までのびている。 その根元にわたしという名前がある。 空回りするペダルの音がうるさい。 忘れてしまいたいことがあった。 靴底で足音という足音をふみならす。 青空というさみしさに甘えていただけだ。 公園のブランコがひとりでにゆれる。 これを吸いおわったらけえるのだと 老爺がくしゃくしゃの吸い殻を咥えている。 けれども明日がまだ、追いついてこない。



明日 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 12
P V 数 : 1902.9
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 7

作成日時 2021-01-21
コメント日時 2021-02-07
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2024/11/21現在)投稿後10日間
叙情性33
前衛性00
可読性22
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成11
総合ポイント77
 平均値  中央値 
叙情性1.51.5
前衛性00
可読性11
 エンタメ00
技巧0.50.5
音韻00
構成0.50.5
総合3.53.5
閲覧指数:1902.9
2024/11/21 23時11分17秒現在
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    作品に書かれた推薦文

明日 コメントセクション

コメント数(12)
なかたつ
作品へ
(2021-01-24)

 「時間」という言葉はあまりにも使われすぎていて、説明する機会などなかなかないのですが、もし説明するとしたらどのように説明するでしょうか、なんてことを考えました。  「街路樹」、ああ、そうかと。「街路樹」は歩けずに、ずっとその場に留まりながら、ただ大きくなり、時に邪魔だと刈られ、それでも、ただひたすらに「動かない」という仕事をしているのだと。確かに「街路樹」が花を枯らす瞬間というのはあまり見ないものですね。「影は長く、明日の方角までのびている。」というのは、「影が長く」なるのは、太陽が南中にある時ではなく、沈みゆく時であって、夕暮れ間際だと思われます。「その根元にわたしという名前がある」というのが、ものすごく何気ない表現なのですが、これいいなあと思いました。「根元」に関するキーワードは「街路樹」と結びつくのですが、「街路樹」の根元に「わたしという名前がある」というのは、どういうことだろうと思わされるのですが、「その根元」の「その」が指し示しているのは「影」であって、「街路樹」と「わたし」をさりげなく重ね合わせており、「影の根元にわたしという名前がある」のかと。  「忘れてしまいたいこと」というのは一体どういう出来事だったのでしょうか。それはわからなくとも音と記憶は何となく結びつくもので、あの時に流れていた音を聞くと、あの時のことを思い出してしまうということが度々あります。そのために「靴底で足音という足音をふみなら」すことで、音を掻き消そうとしています。つまり、音を上書きすることが記憶を上書きするということになり、「忘れてしまいたいこと」を忘れてしまうための手段になっていると思われます。「青空というさみしさ」というのは、さみしいものに寄り添うと共に、その広さ、しいては、懐の広さに甘えるということなのでしょうか。  「公園のブランコ」も「街路樹」と同じように歩くことはしません。ただ、「老爺」は歩くことができます。歩くことによって「けえる」ことができます。最終行は一体何を意味しているのでしょうか。それは二連目にあった「忘れてしまいたいこと」と記憶の上書きと結びつくように思いました。「明日」が来れば、「今日」は「明日という今日」によって上書きされます。「今日」というもの自体が上書きされ続けるものであります。しかし、「忘れてしまいたいこと」が起きてしまった「今日」を忘れることができない限りは、その「今日」が常に語り手に寄り添ってきます。「街路樹」や「ブランコ」は歩くことができず、その場に居続けているというのに、「誰にも見られず」にして忘れられてしまうことがあるというのに、「今日」や「影」は動くことができるというのに、やはり忘れがたいものです。  何気ない事物の列挙が「主体」と「影」のように対照的に映って意味を成している作品だなあと感じました。この作品自体が「街路樹」のように「誰にも見られず」にいることができたら、作品内の「忘れてしまいたいこと」はいつか忘れられるのかもしれないですが、こうしてコメントしたり、読まれたりすることで、また新たな時間や人に結びつけることで上書きされるものなのかと逡巡しながらコメントしました。

1
ふかお
作品へ
(2021-01-26)

傍観者の視点で書かれているように感じました。詩の続きが読みたいです。

0
福まる
福まる
作品へ
(2021-01-30)

切ない詩だとおもっていたら最後の「明日がまだ、追いついてこない」で印象が変わりました。ひょっとしてあくまで想像ですがこの登場人物は時間のループを経験しているのでしょうか?詩そのものは不思議な魅力を感じています

0
百均
作品へ
(2021-02-02)

福まるさんもコメント書かれてますが、不思議な雰囲気がありますね。 難しい事は言えないし、色々書こうとしたらなかたつさんに書かれてしまっていたので、僕が書く事もあんまりないんですけど、全体的に気になる感じがしました。1月の作品で一番気になった。

0
エイクピア
作品へ
(2021-02-02)

今日と言う時制において明日が追いつく事はどういうことかと思いました。影が長くて明日まで伸びていると言う認識はどんなことだろうかと思いました。青空と言うさみしさなど詩的なフレーズが鏤められていると思いました。

0
入間しゅか
入間しゅか
作品へ
(2021-02-02)

時間の流れをどこか遠くから眺めているように感じました。「明日がまだ、追いついてこない」というフレーズが不思議な響きで何度も読みたくなりました。

0
新染因循
なかたつさんへ
(2021-02-07)

コメントありがとうございます。なんだか作品のなかの心を丸裸にされたようで恥ずかしさすらある読みをしていただいて、嬉しいです。見られないこと、読まれないこと、それ自体は考えたのですが作品として作った以上なんらかの形で出してやりたかったのですが、そうしなかったとき、つまり僕の心のなかにありつづけたとき、それがどんな詩になっていくのかは確かにとても気になることです。かなわないことではありますが。

0
新染因循
ふかおさんへ
(2021-02-07)

離人症のような感じでしょうかね? 遠くからというよりはもうどうしようもない、という諦念でしょうか。コメントありがとうございます。

0
新染因循
福まるさんへ
(2021-02-07)

今日という時制は何度でもくりかえしますから、ループといえばそうですね。コメントありがとうございます。

0
新染因循
百均さんへ
(2021-02-07)

なかたつさんのコメントの的確さと量には僕も驚きました。気になると言ってくださって嬉しいです。コメントありがとうございました。

1
新染因循
エイクピアさんへ
(2021-02-07)

明日という時制へと変化する、ということですかね。影というものも今日というものと同じように再びそこに刺すものでありますから。しかしながら忘れられるものでもある。コメントありがとうございました。

0
新染因循
入間しゅかさんへ
(2021-02-07)

離人症、のような感覚でしょうか。僕も自分ではなったことがないので症例しかしらないのではありますが。明日が~のフレーズは僕も気に入っています。こういうフレーズをもっと作っていきたいと思います。コメントありがとうございました。

0

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