空が眩しく鳴っている
晴れ上がった真昼の欅紅葉の道を
辿ったのは病院へ通う金曜日だ
これを書いているのはその時の私だ
十二月の唇から十二月の舌が伸びて
十一月のお尻を舐めている
私は死に私の肉体の一部は来年の一月を研究室の
ガラス瓶の中で迎えるだろうだが今は、私も私の一部もまだ生きており
この国のこの地域の気体の
物理的振動を聴覚器で受容している
立ち止まってみた
立ち止まれば時間が止まるわけではないけれど
私は病院に行く私ではなくなる
欅の葉のようにただ、今の風に吹かれていられる
だろう
丸いものが四角いものを作り、ものとものとの間に影がある
私は解体の途上から自由になり
解体された後の私と同化していられる
私は見ている私ではなく
見られている私になる胸や脚や性器や肛門まで
内臓やその中の遺留物まで
見られている私
それで
果たして誰かの性的な興奮が私に
つながるのだろうか
つながることはない
そう考えたのは
四日も前のこと
今の私とは
違う
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2020-11-29
コメント日時 2020-12-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時27分14秒現在
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皮膚感覚からして、ひとより敏感なおひとなんだろうなって思いました。
0コメントありがとうございます。 残念ながら敏感ではないですね。鈍感です!自分でもがっかりしてしまいます?
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