誰もいない部屋 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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誰もいない部屋    

真っ黒なシーツをかぶって 獣のふりをしようよ カーテンをしめたら 光の入らなくなった夏のベランダ 吊るされたカスタネットを鳴らす 風になる練習 トタン屋根の下 小さな禊が開かれる 体育座りするように 集められた子供たちは 映写機はぐるぐる巡り 瞬きせずに見つめる スクリーンの隅の黒点 いつまでも溶けないアイスクリーム 黒点の周期は緩やかにとまり 星はもう曲がらなくなった 影ふみのあそびを模した 教科書の文字は速やかに溶け渡り 薄い黒で染まり切った本を 両手に抱えて音読しなさい ・・・重たくて ・・・何も見えない    母の心情を答えなさいと言われて さらに親なんていないよと言われた 与えられた本棚の中から 答えを探し出すよう読みなさいとも 誰にも借りられていない 暗い隙間から硬い虫の足が何本もとびだして 羽を空っぽのシャンソンで震わせた 鳴き声がどれだけ歌っていたとしても 買い占められた空爆を埋めるように 棒人間の子供たちが一斉に羽ばたいた 灼け落ちた空を包む 真っ黒な包帯は焦げ落ちて 見せつけられる裸の手足 水につけても肌色にならなかった ならなかったよ シーツを剥がし カーテンを開いても また同じ部屋があるだけ


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作品データ

コメント数 : 0
P V 数 : 1030.3
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 3

作成日時 2020-11-25
コメント日時 2020-11-25
#現代詩
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成11
総合ポイント33
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧11
音韻00
構成11
総合33
閲覧指数:1030.3
2025/04/13 06時14分32秒現在
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