八百屋に行くと黒い野菜の束を突き出された
買い物かごには素性のしれない野菜がある
夢を見る人は
あの幼児のように細い月を描いてはまた
私は自分で白あり人間であるという沈黙を作り出す
鳥の来る町で語らう
蝸牛管のらせん状になった形のなかで
静かな亡骸になって
君は君の家にいるのだ
鳥の来る町は盲目の存在そのもの
子供は蔦の中で盗まれた手紙について語る
物は殺害され反復し問いを課してくる
(通りゃんせ……、
声が出ない)
なにも食べることができずに体重が大きく減ってしまい
耳鼻咽喉科で喉の検査をする
ツワブキの花 碧空 嘘
……再体験に耐えるための子供時代は失墜し
母の腹の中の自分自身である無口な胎児は投げ出された
作品データ
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作成日時 2020-11-07
コメント日時 2020-11-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時34分45秒現在
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脱字がありました。 ×私は自分で白あり人間であるという沈黙を作り出す 〇私は自分で白であり人間であるという沈黙を作り出す
0月、耳、胎児の象 生と死と 浮かぶものと沈むもの 過去といまの意識の交感 >蝸牛管のらせん状になった形のなかで 「らせん状のなかで」ではいけなかった拘りがあるのですか
0>蝸牛管のらせん状になった形のなかで 音だけの世界を表現したかったからです。 お読みくださり、ありがとうございました。
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