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現実を超えて回り続ける
作家個人の思想や感性よりも上位の表現地平がある。それは「集合的想像力とでも呼ぶべき複数の層」の上に出現するものであり、無署名的であるがゆえにほぼ純粋な「客体性」を持つ。シュルレアルというものは、この客体性を持った集合的想像力表現のことだ。 そこで措定される言語は一種の絶対言語である。それは「意味的ないい換えとはならない」し「静的な視覚的像として定着することもできない」――つまり一切の意味やイマージュへの還元を拒んでいる。還元不能な言語は、意味やイマージュなどの「構造、関係だけを浮き彫り」にするものである。人間が作り出すことができる高度に客体的な言語であり、言語そのものとしか呼べないという意味で絶対言語だが、その姿は不定形だ。意味・イマージュの構造と関係だけを露わにする言語は無限増殖的であり、永遠の拡散言語にならざるを得ないからである。それを作品として完結させるのは難しくもあり、意味的解釈は不要であり不可能でもある。 御作は、点の集合でかたちを作り上げ、その濃淡で背景を描き、壁、人物、星、原野、動物など実体のあるものの奥行きはその深さで表現する。レイアウトは非常にシンプルだ。しかしその表情、多くの点の表現のバリエーションが豊潤だ。そしてそれらが回転する際の緻密さに驚かされる。生命と背景の奥行きの彫り込み度合いは凄い。 詩情豊かで一見するとメルヘンチックな作風にも見えるが、一点を凝視した語り手の視線は無表情。なにか得体のしれない怖さと孤独感、寂寥感、悲しさがすべての言葉に現れている。天体を箱としその立体感の胴体に、いびつないわく言いがたい生々しさを刻みつけていく。振動が止まってもそれらは現実を超えた地平で淀みない言葉として回り続ける。
現実を超えて回り続ける ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1630.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
作成日時 2020-10-29
コメント日時 2020-10-30
運営のafterglow です。 B-REVIEWでいつも合評活動に励んで下さりありがとうございます。 新選考システムにおける推薦文の件でご注意頂きたくご連絡いたします。 以下を参照してください。 https://www.breview.org/forum_blog/archives/1170 1作品にできる投票は最大で6票です。(コメント1票、推薦文は5票) よってこちらの2つ目の推薦文はカウントされませんのでご了承ください。 なお、現在重複カウントで表示される不具合については修正する予定ですのでしばらくお待ちください。 ご迷惑をおかけしておりますが、よろしくお願い致します。
1afterglowさん 投票の件、了解しました。 今後ともよろしくお願いします。
1今度こそはと思ったのですが、やっぱり何度書き直しても、うまく出来ませんでした。この批評文ほどの駄作はありません。黎さんには大変申し訳なく思っています。今となっては「点」という作品の何が良かったのか、自分でもよくわからなくなってしまっています。なにかとんでもないバイアスがかかっていたのだと思います。作品を読むときは常に冷静に読まなければならないと反省しております。
0>昨日読んで良いと思った作品が今日も明日も良いとは限らないと思います。 まさにその通りだと思いました。 初読時に何を感じていたのか、もう言葉では表せないのですが、良さとか悪さではなく、とにかく何かを感じとったことは確かです。何度もすみませんでした(返信不要)。
0ただいま前作の削除依頼をしております。
0運営のafterglowです。 フォーラムで既に発表済みですが、プログラムミスによりこちらの批評文を投票された推薦文として誤って扱ってしまいました。ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。 詳しくはフォーラムの該当記事をご覧ください。 https://www.breview.org/forum_blog/archives/1397 今後ともB-REVIEWをよろしくお願い致します。
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