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放流
立っているふりのバス停の標識が 長い朝の長い眠りから 起こさないように 首をもたれかけていた 私の知らない色が午後2時の中に塗られている 微笑みにならない手を開きながら 草に覆われていく様子を 見るともなく見る 頭上を通る飛行機の腹を 魚のように見ながら わたしたちも魚になって 水位を上げて口を閉じる 空港の擦りガラスが 透明な夏を連れてくる 早朝のまどろみの中で コーヒーカップを包む手が ぬるさ、温もり、違和をかき混ぜて 海が漏れ出す 形を変えてやってきた けれど同じ名前を唱える
放流 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2159.7
お気に入り数: 3
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2020-09-26
コメント日時 2020-10-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.5 | 2.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
とてもポエムやってんなと思った もう初連からいいもんね ただスーパー頻出ポエムワードしかないので というかそれでポエジーでてるっていうのはスーパーすごいと思うんだけど あんまり詩的でない むしろ私的な単語もものにしたら無敵ですよきっと
1私的な単語もものに出来るようにします。アドバイスありがとうございます
0例えば鳥の教え、もそうでしたけど意味がどうとかではなく読んでいて心地よい。
0《魂》としての「詩」の心理学を高らかに謳いあげる掌篇。 "形を変えてやってきた" "けれど同じ名前を唱える"のは、この《放流》そのものであろう。
0いろんな視点で楽しんで頂ければ幸いです
0なるほど、心理学。最終連は悩んだ記憶がありますが、読み取れるものがあったならよかった。
1パスワードを忘れ続けるさんの〈スーパー頻出ポエムワード〉という表現に笑ってしまいましたがそれは私も感じていました。 でも、最後の二行にやられました。 全部ひっくり返してきたなーって思いました。
0最後は褒めてもらっているのでしょうか。普遍性を持たせても、弛緩しない詩を書きたいものです。
0はい、褒めています。これはどうなんだろうって気持ちが最後の二行で吹っ飛びました。 伝わらなかったみたいでごめんなさい。 ところで、〈スーパー頻出ポエムワード〉=いわゆる詩的な表現=普遍性、ではないような気がするのだけれど……。普遍性ってなんでしょうね。
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