1.
しばらく離れてるとね
特に思い出したくもないのに
急に記憶に蘇ってくるんだよ
十六夜の月が支配した空の
物言いたげに染まる空の
今の部屋からは絶対に見えない
深く深く あたしへの静かな優しい罰が
織り込まれた色が、さ
2.
手を引く
貴方が手を引く
華奢な体躯を
その現し身よりも鋭さを湛えた色の
衣に包んで
私の知らない
幾百幾千の命の記憶を
その懐に含ませて
お互い、要らなくなるまではまだ遥か遠く
今はただ
人に紛れて遊ぶ君の相手として
3.
煙草もピアスもかんざしも全部同時に覚えた
半身として生まれ変わる時に、ね。
そして今まで
ずっと何か足りない、と思ってたのさ
どこか釣り合う色が欲しいって
概念としての僕
概念としての君
それを統合するに相応しい
見つけたのは
合言葉としての色
遺伝子の記憶の奥底で
あるいは滲み
あるいははためき翻り
良いも悪いも凪いだ呼吸で綴る
その指先で舵をとる 鮮やかな沈黙の色
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2020-09-14
コメント日時 2020-09-16
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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2024/11/21 23時00分44秒現在
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うまく言えないけど凄く色彩が綺麗な印象を受けました。ありがとうございます。色がどんどん変わっていって最後は何色なのかなど考えさせられました。
0くおんさん、コメントありがとうございます。 元々はとある企画で書いた作品だったのですが、個人的にとても気に入っているのでこちらで批評の俎上に載せてみようかと思った次第です。タイトルになっている「藍鉄色」はどちらかといえば落ち着いた渋い色なのですが、それ故と言いますか、本文中に意識的に「色」という語を多用したので、かなり読み手に印象づけられたかもしれません。
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