さよなら向日葵、おかえり┣鳳仙花┳ホウセンカ┫ - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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さよなら向日葵、おかえり鳳仙花ホウセンカ    

くるりん、くるりん。 回る廻る向日葵よ。 お前はなにを追いかける? ひらりん。ひらりん。 貴方しか見えないよ。 手前に割って落とした花瓶。 痒い。痒い。 ストレス応答に対する過敏。 笑えますか?嗤ってくれますか。 もう私、笑えないや。可否か。否々いないな 気味の悪いほどの屈辱。そんな奴居ないな? 渡される休職の、勧め。 __私、まだやれます。まだ笑えます。 いえ、無理です。行きなさい。 病院に。生きなさい__ 首につけたベルトが話しかけた。 生きて逝って、それでなにが起きる? 死んでしまえ、仕舞え。回れ。 死への特急列車よ、進め。 うんうん。うんうん。 首を振ってガリガリ。 痒い、痒いの。 花瓶過敏に入った向日葵は 茎が腐って死んだ。 ねぇ、私あの人みたいになれなかった。 もっといっぱい働きたかったの。 人の役に立ちたかっただけなんだよね。 枯れた向日葵に話しかけて をちぎって捨てる。 役立たずは死ぬしかないのですよ。 2年前、上京する前日に 父と喧嘩をした。 もう2度と帰ってこないように そう言われて1人、故郷北海道を去った。 1人の東京とかいは楽だけど 少しだけ寒い。 暑くて熱くて、冷たい。詰めたい。 詰められた結果がこのザマさ。 私は今北海道北の大地にいる。 ここは寒い。 寒くて寒くて。暖かい。みんな。 両親も歓迎してくれた。 もう十分やっただろ。 あとは休みなさい。おやすみ生きて。 ある時、父が蕎麦を食べてたら 突然呼吸困難を起こした。 起きて、起きて、吐いて! 血と共に蕎麦を吐いた父。 側にいた私は何もできず。 私は無力だ。 向日葵でもなんでもない。 私働いてないんだもん。 パパは体をこんなにして働いてる生きてるのに! 母にそう言った。 私、帰るよ変えるよ。 東京に還るよ。 ねぇ。そう言って私は気を失った。 生きてるだけでいいの。 行かないで逝かないで。 ぷかり、ぷかり。 水の中、音が聞こえる。 私はもう笑えないんだっけ。 いや、いや?居ないよここには。 それでもいいの? 無言で抱きしめる母。 わかった。もう少しだけだよ。 ねぇ、もう少しだけ__。 私はきっとまた夢を見る。 いつか目が覚めたら、鳳仙花になろう。 笑わなくても誰かが見てくれてるような。 小さな花になろう。 貴方は笑ってくれますか?


さよなら向日葵、おかえり鳳仙花ホウセンカ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 2097.3
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-09-10
コメント日時 2020-09-20
#現代詩
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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音韻00
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閲覧指数:2097.3
2025/04/10 08時46分06秒現在
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    作品に書かれた推薦文

さよなら向日葵、おかえり鳳仙花ホウセンカ コメントセクション

コメント数(8)
池田伊万里
池田伊万里
作品へ
(2020-09-11)

>ねぇ、私あの人みたいになれなかった。 >もっといっぱい働きたかったの。 >人の役に立ちたかっただけなんだよね。 このあたりから、ストーリーがしっかり出てくるというか。。 大変なのかもしれないな、と思いました。そこまで読んで初めて、前までの連が生きてくるというか。。 最後の一行、オチがついていてよかったです。ありがとうございます。

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やめました
池田伊万里さんへ
(2020-09-11)

コメントありがとうございます。 今回は今の状況をそのまま書いた詩になってます。 ある人に憧れて、仕事ができるようになりたくて頑張って上京して必死に働きましたが結果としては会社が私を駒として扱い、最終的には捨てていきました。 上京する直前、縁を切ると互いに言いながらさよならした時のことや色々と思い出して書いたものになります。 明るい向日葵として生きたかったけれど、鳳仙花(花言葉を調べればわかります)としてしか今は生きれないようです。 それでも生きていくしかないのだと思います。

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羽田恭
作品へ
(2020-09-11)

勤め励むのを楽しめ。自らの心を護れ。自己を難所から救い出せ。沼に落ち込んだ象のように。 釈迦 ダンマパダ 象の章より 思い浮かんだのは自分が好きな釈迦の言葉でした。 向日葵も鳳仙花もイラクサもキンポウゲもバイケイソウもムラサキケマンもワスレナグサもススキも花は花です。 無理せずにどうぞ。

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やめました
羽田恭さんへ
(2020-09-12)

ありがとうございます。 お仕事は少し休んで今は創作などやりたいことをやりたいと思います。 いつもコメントありがとうございます。少しでも人が応援してくれていることがこんなに心強いことだとやっと気づけました。

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奥村うみ
作品へ
(2020-09-15)

完成度の高い作品だと思います。 丁寧に言葉を選ばれてる印象を受けました。後半のストーリーが劇的で、胸に刺さります。

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やめました
奥村うみさんへ
(2020-09-17)

コメントありがとうございます。 完成度が高いというコメント、非常にありがたいです。 今回は向日葵のような明るい自分だった私を取り戻せずに鳳仙花(花言葉は私に触らないで)としてでも生きていこうという詩でした。 どんなに辛くても生きることが必要なようです。

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戸ヶ崎朝子
戸ヶ崎朝子
作品へ
(2020-09-19)

ワンコさん。今日は。タイトルが分かりやすくて、暖かくてとてもいいですね。来年、また向日葵に会えるのが楽しみになりました。

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やめました
戸ヶ崎朝子さんへ
(2020-09-20)

今回はタイトルから作品を作り上げました。タイトルに注目していただきありがたい限りです。 来年、また向日葵が咲くといいですね。

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投稿作品数: 1