草原をわたってゆくのは風にも隧道があるからでしょうか
老いた乾し花がなみだを落とします
皺々の少女の指を取って踊りますものは
必ずしも死という時間の帰結、
不思議を謎掛ける
珪石の永続に込められた苦しみの容を真似る姉妹都市群とは限らず
まるで偶然の遭難船に居合わせた乳香の異邦を推し量り言伝て
尚且つ
錯綜しては機軸を巡る輻の様にはいかないものなのでございましょう
人間の想像には果てが有りませんから
死を除いたすべてが錆びた聖霊塑像の被曝地にあっても
重々しく櫂を漕ぎ
鉛の屑を仰ぐ修道僧たちは
海底火山や海溝を行く飛行船の帰路をあらかじめ定めている訳ではないのでしょう
例え
母親からなる嬰児に降り掛かる
耳朶の報酬はみな穢れているとしても、
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肉体から産まれた肉体、具象体は始源種の秘密を守る、
その様に歩きそして考える、
十字路を
行けばまたも十字路、際限も無い神罰と麦の血の流れに沿って歩く
人工迷宮‐洞窟寺院にて
天刑病者を塗り込め、追放した
壁を
且て
数知れぬ磔像破壊運動が過り去った
それは凱旋門の数と等しく
痴青年――私が幻想動物史の解体を終えて後、
はためき翻る詩篇の一枚程の意味を
哂った実在の壁に、聖人崇拝者達の漆喰色の恐慌に
おまえは
膝を付き、再びと遭遇はしなくなるだろう
靴を履いた薔薇に
夜を差す傘の膚が殴打され立ち尽す宣伝燈のゴシック文字に
電球灯の虚飾を望み
隔膜の
部屋部屋では
額縁の無い額縁
だれのものでもない
一幅の闇に呑まれて
骨と血とインク壺に込められた寓話が告白され
允に不躾な舌の咽喉が鳥と鳴きかわして
高架線の周辺住宅に
ピアノの鎚が嗄れたはつなつ
純粋を失った青の、
作品データ
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作成日時 2020-07-04
コメント日時 2020-07-04
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2024/11/21 22時57分30秒現在
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お久しぶりです。 やっぱり、この世界観は、ただただひたすら好きだなぁと。 上質なSF短編小説を読んだ気になるんです。いつか全作品のデータを頂きたい、こっそりプリントアウトして、どこかの世界に行きたいような気分のときにじっくりじっくり読んでいくから。
ありがとうございます。 本当に、お久し振りでございます。 自分には詩と呼び得るものは書けない、とやさぐれては、抛り出して仕舞いたくなることも屡ではございますが。 私如きの作物に、激励の程をお送りくださるお方が在らせられる限りは、半ば自分を弁えつつも、諦め切っては為らない、 とも思うのでございます。 そして願わくば――羽蟻の不屈の意志を以て。
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