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blink
降り積もった花びらが 朽ちてしまう前に 見つけなくてはならない 指先に夜を感じながら 白い記憶を掻き分けてゆく 探しているものはもう 姿を成していないもの おぼろ月に照らされた 我の顔は 愚かだろうに 乞い求める心は瞬いて 青い画面に残されたままの 暗号文をまだ解けずにいる
blink ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 3488.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2020-04-25
コメント日時 2020-05-10
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.3 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1.3 | 1 |
総合 | 3 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
初読では「我」の表記が仰々しくも感じられました。しかし掴みどころのないイメージの中で四連、グッと薄いピント面が合った感覚があり、それは紛れもなく「我」の効果だということに気付かされました。
1追憶と感傷、かといってべたつくほどのものではない。この最終行の暗号文と表されたものをとかなければ、俯いたこころは前をみれやしないのだろう。しかし、斉藤氏も書かれているが我、という主語が浮き上がっている。これは詩の内容からは離れるが、自我について書いているのかもしれない。自我ばかりの、私、私、の作品は読めたものではないが、書き始める最初の時には確かに自我がもたらすものが存在しているのだから。この作品は非常に内容としては、捻ってもいないしくどくどと書かれてもいない。だが、我、の一文字が妙に作品全体に響いてくるように感じる。それは自我ばかりの作品は考え物だが、自我がなければ作品も成り立たないのではないですか?という問いかけのようにも感じてしまう。これはもちろん、僕の勝手な意見である。
0お読みくださりありがとうございます。 実はご指摘の箇所を書いている時に、突然自分ではないような声が「我」の部分を話し出した感覚がありまして、とても怖くなりました。
0私はblink=またたくとすぐに出てきませんでしたが、読むと、「乞い求める心は瞬いて」だけ浮き上がってみえるので、これが主題なのだなというのはわかりました。でもその浮き上がりは、「我」の効果によるものだったのですね。失礼ながら他の表現も考えてみましたが、我~から、乞い求める~へのこの展開がお互いを殺さない優れた連関であると感じました。一連~三連の、「見つけ」「掻き分け」「探し」という連続が、「乞い求める心は瞬いて」で山を迎えているのですね。「青い画面」はまぶしいものですけれども、その一文のあとでは沈んだ色に見えました。暗号文という言葉も青い画面に影を添えているのかもしれません。
1何かある種の緊迫感をこの詩から感じたのですが、暗合文とは何かと思いつつ、朧月とか花屑とかはいかにも春を感じさせる単語で、春と言うバックグラウンドが、今の季節と重なり、この詩を包んで居ると思いました。夜を感じる指先が暗号文のカギを握って居るのかもしれないと思いました。
1お読み下さりありがとうございます。 春の終わりになると必ず心に浮かんでくる人が居ります。もう忘れても良いと思いながら忘却出来ないでいるのはお察しの通りで、時の経過のせいで乾いた感傷だけが残っているようです。
0筆者は大切な人と別れて、何度目かの春を迎えている印象を受けました。 その思い出を何とか思い出そうとするのに、もうはっきりとは覚えていなくて、ぼんやりとしていてもその存在を思い出してしまう。少し焦っている様子も伺えます。青い画面に残されたままの暗号文とは、消せずにいる相手のメールなのかなと。タイトルの「blink」と第四連の「乞い求める心は瞬いて」というところだけ、筆者の強い愛を感じます
お読みくださりありがとうございます。鋭い読解に少し動揺しております。blinkというタイトルには瞬き以外にも意味があり、それは四連目の青い画面が何かを暗示するために付けました。
0はじめまして。 丁寧に読み解いていただき嬉しいです。 >「青い画面」はまぶしいものですけれども、 >その一文のあとでは沈んだ色に見えました。 当時何度も何度も瞬きしながら見つめていた画面も、閉じてからもう長い時間が経ったせいでスリープモードへと移行していたのかもしれません。
1お読みくださりありがとうございます。 暗号文を見つけた夜のことを思い出すと、緊迫感をいつも覚えるのです。 その衝動がこの作品を書かせたように思います。 春は短くてすぐに置いていかれてしまいます。
0もっと形式美を意識しても良いと思った。 降り積もる花が 朽ちていく前に 見つけなくては 指先に夜を感じながら 白い記憶を掻き分ける 探しているものはもう 姿を成していないもの おぼろ月に照らされた 我の顔は愚かだろうに 乞い求める心は瞬いて 青い画面に残されたままの 暗号文をまだ解けずにいる とか。
1おはようございます。三連目は二連目において想像できるように語られていると思うので、追加する必要があるか、やや考えどころです。また最後の「暗号文」で読みの流れが途切れたように感じました。「暗号文」としたところに味があるとも考えられますが、微妙なところで全体としては浮いているようにも感じます。語り手の主情が伝わってくるように語られているので、言葉との距離感をさらに調節すると、もっとよい作品になると思います。
1お読みくださりありがとうございます。 ぼんやりとしか思い出せないのは、色が褪せていくのと同じように時をかけて衰退していくからなのですが、とても焦りを感じるのです。 悲しいことに愛だったのかどうかも、もう朧げになってきています。
0お読みいただきありがとうございます。また形式美を意識された提案も感謝いたします。 普段なら推敲の際に字数を揃える等の工夫はしているのですが、この詩に関してはそれがどうしても納得いかないように感じました。気持ちの乱れを描くのに形を整えようとするのは不自然だったからです。内容美、と言うのはちょっと語弊があるかもしれませんが、そういうものを書いてみたいと思った次第です。
0こんばんは。お読みくださりありがとうございました。 そうですね、三連目を書いている時にそれまでの部分の主体とは違う話者が出てきたような感覚がしました。つまり、ここでは探している主体が自分自身に言い聞かせているのと、それとは別の話者(後で我と述べた主体)が諭している声とが重なり合っているような気がしたのです。そんなわけで、省くことができたかというと難しいとお答えするしかありません。 「暗号文」については他の方がコメントされていたように、謎を解かなければ前に進めない言葉を指しており、尚且つ非常に私的な内容であることを示す表現として使いました。 「言葉との距離感」、普段あまり考えていないせいか仰る意味がよくわかりませんでした。
1言葉のリズムが心地良いですね。 『指先に夜を感じながら…』の一文に痺れました。
1お読みくださりありがとうございます。 一文でも読者の心に残るようなものを書けたのなら、とても嬉しく思います。
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