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永遠の反射
音や言葉が人のなかで延々と反射し続ける 良いことも悪いことも 人は頑なに自身の栄光を心に持ち続けるのだろうか 何かを得たものは喜びを忘れられないのだろうか 最初に一つの心が生まれた その心はなにかを昔に成功させて喜ぶ 心は身体に言う 「いまだどんどんやれ、いまだどんどんやれ」 身体は答える 「いいですねえ」 そして心と身体はそれらに呼応するように動きだす また別の心が現れた 別の心は言う 「あなたの文字は良いですね」 「あなたの文字は悪いなあ」 別の心が最初に生まれた心に良いものと悪いものを与えた まるでずっと残る形で 永遠の反射であろうか 別の心は慢心しているのだろうか 別の心は何かを過去に得た経験があるのだろうか そし最初に生まれた心はそこで何かをすることをやめてしまうのか 鉄は空気に触れれば徐々に 徐々に 錆びる 文字という道具も同様に使わなければ錆びる そして使わない言葉は工具と同じだ ボルトの締め方すらわからないもの対して スパナの使い方すらしらないものもいる 過去に得たものが心の中でずっと永遠に反射し続ける 文字一つの使い方で「慢心」や「向上心」につながる 永遠に反射し続けるものに価値があるのだろうか 文字は残り続ける だが永遠に反射しつづける心がそこで良い方向と悪い方向へ導くことを知らずに 別の心は語り続ける いや語り続ける 最初に生まれた心は思う 「永遠の反射よりか現在の心の反射を糧にするわ」 「慢心」よりか「向上心」につなげるために
永遠の反射 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2483.1
お気に入り数: 2
投票数 : 5
ポイント数 : 52
作成日時 2020-03-28
コメント日時 2020-04-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 8 | 6 |
前衛性 | 14 | 10 |
可読性 | 7 | 4 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 11 | 10 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 11 | 10 |
総合ポイント | 52 | 41 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 1.5 |
前衛性 | 3.5 | 2 |
可読性 | 1.8 | 1.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2.8 | 0.5 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 2.8 | 0.5 |
総合 | 13 | 5.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- 人格を与えられた観念 ―「永遠の反射」評 (石村利勝)
>音や言葉が人の中で反射し続ける。 という一節はなかなかに良いですね。ポジティブなことも後ろ向きなことも、そして否定的なことも肯定的なことも、心で反響していく、とイメージすると分かりやすいと思います。ちょっと半ばで締まりがなかった印象があります。反射する音や言葉が、人の動機になっていくと思うと、それは正解なのかもしれませんが悲しい気分にもなりました。個人的には反射したものが心にどれだけ影響を与えていくかという一点に絞ったら鮮やかでより一層良い詩になったのでは、と思いました。
1stereotype2085様 コメントありがとうございます。わかりやすい批評で助かります。私自身は難しい言葉とか難解ものが苦手でして比喩とか言い回しが苦手なので直接の気持ちをつづりました。半ばでのしまりですね。ちょっとまた個人的に書き直してみようと思います。短時間で書いたものでしたので。 また悲しい気持ちにさせてしまい申し訳ありません。「敬語」やその他にも「立場」というもへの捉え方というものもありました。私自身はラップもしておりますので、それでそういう立場の意見的なものも入れてみました。 一点に絞るというものご意見もありがとうございます。これからの書くことや、リリックへのご参考にさせていただきます。
0一言で申し訳ないのですが、深いですね。
1トビラ様 ありがとうございます。勢いで書いて投稿しました。 思い浮かんですぐに書きました。普段はこういう人に読んでもらうということを考えずに書いております。 自分自身はHIPHOPばかりを聴いており、そこから普段はストレートなものを好んで書くということばかりしております。言い回しとか苦手ですし、比喩表現もわからないなかで、自分自身の引き出しの中からの言葉を文字にしてみました。 音もつくっているので、どこかでこの詩を朗読という形でやりたいなあと思っております。 宜しくお願いいたします。
2不思議な作品だ。読みつつ次第に引き込まれ、名状し難い感覚に心を揺さぶられ、読後もその揺さぶられた感覚がいつまでも消えず、怪しいほどに続いている。謎めいた思想や情景が語られているからではない。この名状し難い、感動という陳腐な言葉では到底間に合わないのだが、それでもやはりこれは感動なのだと言う外ない感覚がどこから来るのかが謎めいていて、私の心をいつまでも揺さぶり続けている。 具象性が徹底して排され、驚くほどに単純・端的な抽象語、観念語のみで構成されているこの作の書き手には、語りを詩的な華やチャームで彩ることなどまるで眼中にないようだ。数式のように純粋・簡潔な思惟の活動の軌跡の中で、観念が人格を得て己を語り始める。 >最初に一つの心が生まれた >その心はなにかを昔に成功させて喜ぶ >心は身体に言う >「いまだどんどんやれ、いまだどんどんやれ」 >身体は答える >「いいですねえ」 >そして心と身体はそれらに呼応するように動きだす この一節が何を語っているのかを読者や評者は様々に解釈、解説を試みようとするだろうが、どのような解釈にも平然として動じない、このように生きて動いている観念の有無を言わせぬ実在感の前に、どんな解釈もその表面に触れることすらできない。何度読んでも、私はこの一節の所謂意味を、考える気がしない。それが無駄であることが最初から判ってしまうからだ。不条理めいた謎のまま、精神の奥深いところを揺さぶってくるこのものが、紛れもない真実であると受け容れる外ない、だからこれは詩によってしか語れない真実であり、それゆえに本作は極めて純粋な詩である。「詩的」な表現を一切必要としないほど純度の高い観念。それが詩でなくて、何であるのか。 己を端的に精確に語ること以外、何も考えていない観念がこう独白する。 >永遠に反射し続けるものに価値があるのだろうか >文字は残り続ける それがいつしか「最初の心」と「別の心」が織りなす人間劇となる。 >だが永遠に反射しつづける心がそこで良い方向と悪い方向へ導くことを知らずに >別の心は語り続ける いや語り続ける >最初に生まれた心は思う >「永遠の反射よりか現在の心の反射を糧にするわ」 >「慢心」よりか「向上心」につなげるために 高校生の小論文のような平坦な叙述の末に、唐突に表れたこの「よりか」の破調がなぜこれほど生きて響き、心に微細だが深い衝撃を呼ぶのか。ここでまた私は、語る言葉を失う。
1「鉄は空気に触れれば徐々に 徐々に 錆びる 文字という道具も同様に使わなければ錆びる」 グッと来ました。 そうなんだよな、世界は存在するだけでも錆びてゆくもので、常に変化してゆくのだから、きちんと見て、使わねばならない。 心に留めておこうと思います。
0石村様 お世話になります。 ご返信に関して石村様の批評の作品の方へコメントさせていただきました。 宜しくお願いいたします。
0伊丹真様 お世話になっております。 文字を扱うことがなかなか苦手なわたしなりの心情といいますでしょうか、自身の中の知識であーこういうこともあるなと思い、この文書の中にいれてみました。 今の状況に少し震えておりますが.... 宜しくお願いいたします。
1『永遠に反射しつづけるもの』に対して、作者はそれが『慢心』に繋がるものだと思っている…のかな? だとすれば、それは過去の栄光に縋り続ける愚かな心でしょうか。(あの頃は良かったなぁ)と思うだけでなく、現在のこと──自分に何が足りないのかを考えることが大切なのだと感じました。 スパナの使い方すら知らない私ですが、この詩は伝わってくることが沢山ありました。ありがとうございます。
1蘭木堂様 お世話になります。 「永遠に反射し続けるもの」は私の中ではいろいろとあります。 受け取り方はいろいろとあると思います。 わたしは衝動的に書いたものがあります。即興でラップをしていたりします。 その中で一瞬の楽しさがあります。 考えて書くことも苦手です。 そのような気持ちをあらわしております。 宜しくお願い致します。
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