美しくあたたかな 私だけの世界
生まれたばかりの私は
これからどうしたいのか、全くわからないけれど
これからなにかが始まっていくような、予感がそこにはある
まっさら なにもない
なにものでもないまっさらな私
まっさら だけど冷たいわけじゃない
みんな君のことを祝福している
まっさら 自由でなににでもなれる
まっさら そのままでもすごくきれいだ
なにもない思いも役割もなにひとつ
白 ただのまっさらな世界
まっさらなこの美しい世界にずっといたいと望む
だが
生きるということは少しずつなにかが始まっては終わっていくこと
まっさらな世界からまたまっさらな世界へと
まっさら 美しい世界 大好きな世界
私たちはここから変わっていくだろう
望んでいても、望まなくても
まだ知らない美しいものをたくさん知るだろう
もちろん汚いものだってたくさん
世界の美しさも醜さもたくさん知るだろう
たくさん知って、たくさん感じて、たくさんのものを得た重い身体
またまっさらな世界へと戻れるだろうか
重くなった身体で深呼吸してみて
すーっ はーっ すーっ はーっ
たくさんの知ったこと、感じたこと、得たもの、もらったもの
キラリと光るものがきっとある
そして身体がなくなって、なんにもなくなってしまったみたい
でもそのキラリがきっと君を助けてくれるから大丈夫
変わってしまって忘れてしまったまっさらな世界
美しい世界
君が生きていた世界
苦しみ、悲しみ、怒り
きっと忘れなくていい
ごちゃ混ぜで煙くさくて、でもその中で美しいもの、愛しいものと出会わせてくれた世界
キラリ光る大切なことをみつけた
まっさらな世界へ帰っても、それは大切にするといい
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 2080.1
お気に入り数: 3
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2020-03-26
コメント日時 2020-04-23
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:2080.1
2024/11/21 22時51分51秒現在
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「まっさらな世界」を主題としてこれだけの量を書いたことに賛辞をおくりたい。「まっさら」なのに、書くことができたのが、私には驚かれるのである。私たちは、目や耳があるだけでは不十分なのだろうか。私たちは、なぜ書きあらわしたりするのだろうか。しかもここでは「まっさらな世界」について表現しているのである。「まっさら」なら、書くことなど何もないようには思えないだろうか。 世界が「まっさら」に感じられることがあるのは、誰にとってもしばしばのことだと思われる。私たちの意識は、ふだん、もっぱら個人的体験に向いており、個人的体験以外のどこにも居合わせておらず、情報なくしては外的なことを考えることができない。それで、時として、個人的体験は孤独で、自身にとってむなしく感じられるものである。作品の一行目から「私だけの世界」と宣言されている。 「まっさら」という語の運用がすばらしい。とても音楽的だ。そしてどこまで行っても、何が起ころうとも、世界が「まっさら」であることを貫いている。 「まっさら」であることへの、絶望はなく、肯定的だ。「キラリ」がいい。
0読んでてとても心地よいです。 素晴らしい読後感でした。
0返詩です。 「ずっと未完成の旅」 ずっと一緒に 手をつないで走ってきた 睫毛と睫毛を合わせたら 広がる宇宙 太陽? 小さいね 宇宙の果て? 狭いね 宇宙なんて低い階段 一息にかけ上がったら ずっとさきまでひろがる ひかり 一歩ふみだすと 君は立ち止まって さみしそうに首をふる 行こう 一緒にずっと先まで 君の手をひき走りだす 何も持たずに 手をとりあって 踊るようなステップで お花畑をずっと先まで この旅は終わりのない旅 いつまでも未完成なぼくらの ずっと先まで続く旅 約束する この旅は ずっと楽しいものだって ずっと幸せな日々だって 一緒にきてくれて ありがとう
1まっさらな世界は美しさや醜さで塗りつぶされていって、その過程で大切なものも見つける。 また別のまっさらな世界、未知の体験や新しいことへの挑戦等で、初めて知ることになる世界に身を投じても、これまでに見つけた大切なもの達はきっと助けてくれる。 そしてその飛び込んだまっさらな世界を塗りつぶした頃には、大切なものも増えている。そしてまた別のまっさらな世界に赴いて塗り始める。 そうやって繰り返して大切なものを増やして抱えて生きていく。 …というような人生観を私は本作を読んで感じました。 窓夏さんの狙いは分かりませんが、私はこの詩を読んで、「人生とは」と小一時間考えてしまう程、感じ入ったという事実を報告したくなりました。 とても好きな詩です。 良い作品をありがとうございました。 とまあここでコメントを締めるべきなのかもしれませんが、指摘…というほどのものではないですけれど、個人的にちょっと気になった所もあります。 この詩は『君』へ向けたメッセージなのか? それとも書き手の独白みたいなものなのか? という疑問が初読の際に頭をチラついて、詩の世界に入り込むのを阻害してしまった印象があります。 私の理解が及んでいない意図があったのなら申し訳ないですが、『君』に語りかけるような口調の文章で統一しても良かったんじゃないのかなと思いました。 あくまでも一個人の感想です。
1「まっさら」という言葉使って、ここまで多様な彩りをもたらしたのは、なかなかに素晴らしいと思います。「まっさらねえ。ふーん」と読み進んでいくとその「まっさら」がどれだけ多彩に使われているかが分かる。徐々に同じ音階、リズムが変化していくように感じました。以上ライトコメですが失礼します。
0爽やかで優しい詩でした。今日のおわりにこの詩を読めてよかったです、明日は今日より世界が綺麗に見える気がします。 まっさら だけど冷たいわけじゃない この一文が特にハッとさせられました。 まっさら=何も無い=冷たい、孤独 と、私自身普段思いがちでしたが、新しい視点を与えてもらった気がします。 初心者なので難しいことは書けず申し訳ないです。素敵な詩を読ませていただいてありがとうございます。
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