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正しい変化
煙突から出た灰色の煙を 僕は鳥の群れと見間違えた 鳥の群れのようにみえた煙は 空に近づくにつれ離ればなれとなり やがて透明に消えていった そういえば 僕がまだ夜を怖がっていた頃 大きな工場の煙突から 黒煙が立ち上る様を見ながら 空が汚れてしまわないかと 無用な心配をしていたな あれから時は流れ 幼い僕を脅かした黒煙も 鳥の群れに見えた灰色の煙も 同じく空にとけたように 僕は月明かりの夜のなか ひとり透明な空を見ている
正しい変化 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1620.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 1
作成日時 2020-03-09
コメント日時 2020-03-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 1 | 1 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
宜しくお願いします
0過去の投稿作品からすれば削ることなく多くを語っているように、読めました。過去の投稿作品もそうなのですが、極端に削るにせよ、多分に語るにせよ、その様式が読まれ方を過剰に意識されているように思います。先に見せたい様式ありきで、それに合わせ、内容を入れていったような。だからなのか、煙の様も透明な空も、誰かの言葉に思えてしまいます。誰もが使っている詩になるような言い表し。それを「とても詩らしい雰囲気の作品ですね、良いですね」と私にはコメントできません、すみません。印象論でしかないことももちろんわかった上でコメントしております。
1見間違えた、怖がっていた、心配をした、脅かした、こうした体験を経て変化を受容する語り手自身の心情と透明な空との邂逅を感じました。
0みうらさんへ 過去作品も読んで頂きありがとうございます。 おっしゃる通りでこの作品は過去に投稿したものと違いかっちりと作り込んでいます。 僕にもっと詩を書く技術があれば作り込んでいてもそう感じさせない作品ができたのかなとそんな気がしています。 貴重な意見ありがとうございます。
0こんばんは。鳥の群れだと思ったものは煙だったのだから、煙を鳥の群れだと見誤ってしまうほど「鳥」についての感情的なイメージ体験が語り手にはある、と受け取れるのですが、内容は煙→夜とシフトしていって、最終的に曖昧に、それこそ「透明」に溶けてしまっているので、鳥はどこへ言ったんだろうとトリ残された感じがあります。 しかし、書き出しの二行は好きです。何かしらの間違いは、それまでの日常のぐらつきを思わせ、どうなるんだろうと期待させてくれるので。
0感想ありがとうございます。 コメントを読んで自分でも気付かなかった詩の側面を知ることができました。とても勉強になります。 一応この詩について説明させて頂きますと、煙突の煙も黒煙も空に消えたように夜を怖がっていた主人公も年を重ね夜を怖がらなくなった。 それが良いか悪いかは分からないがそのどちらも正しい変化です。ということを描いています。
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