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ヒト
生まれた瞬間は 単色 出会うたび 生地を擦って 言葉を交わすたび 生地を染めて 気づけば 全く違う服 擦り切れすぎて 繊維の一本も残らなくなっても 交わりを 断つことは できないから 時々 仕方なく 皮膚をむしって 代わりにする 代わりが見つかるまで ずっと赤茶色
ヒト ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1508.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-02-24
コメント日時 2020-03-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
他人と交流して価値観が変わっていく様を、服に形容していて、ユーモアを感じました。 交流する際に自分を傷つけてしまうのは悲しいことですが、とても共感します。 早く代わりが見つかることを祈ります。
0生まれた後にいろいろと付いて来る色。取り敢えずの赤茶色。出会い、交歓。人間社会における成長の過程が色と言う比喩を媒介に浮かび上がるのが興味深い詩だと思いました。皮膚をむしる行為も成長の過程で、成長のあかし、成長の過程で生じるスティグマをなくす行為なのかもしれません。
0ヒトは裸で生まれて来る。この作品の冒頭にも、生まれた瞬間は単色、とある。そのときまだ言葉もないし、当然、名前をつけられたとしても認識もしていないだろう。誰の言葉か思い出せないが『私が私でなかったころ』というフレーズが昔か 忘れられない。この詩の単色というはそのような、まだ誰かに名付けられる前を指しているのではないかと思う。そしてやがて名づけられて私はいつしか『○○』だという衣を着せられ最初からそうであったように成長していく。 二連目で単色は"全く違う服"に変わる。家族やそれ以外の他者との関わりで名付けられその名前で人生を送り人格が形成されていく。それは全く違う存在になってしまったかのように感じる。生きていく上で避けられない交わり、これは男女の或いは恋人相手との詩かもしれない。とかく相手と擦りあいながら、時に相手の色に染まってしまう。 もうあの単色には戻れないのだ。剥き出しで生きるのは辛い事だ。剥き出した皮膚を引きちぎる姿は自傷しているようて悲しくもある。離れるに離れられない関係が時にあるものだ。最終行で代わりが見つかるまでずっと赤茶色だという。赤茶色は赤が剥げた色でもある。では冒頭の単色は赤、だろうが血の赤だろうか。まだ答えがでないが。 書かずにはおられなかった。生きづらいが生きていくしかない、そんなありきたりの思いが感じられる詩が好きだ。
0単色でいられることに憧れますよねぇ.......無理だけど.......。
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