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ゴキブリメンタル
全世界のあらゆる人間1000人と 1日で繋がることさえ夢でないのに 一年先すら予測不可能な 瞬息で流転する未来を 「生きる力」とは即ち ゴキブリメンタル 置かれた場所が地の果てでも 髪の毛一本で咲き誇り 住めば都を時間軸で実践できる 生物史上1位の適応力 一瞬の隙をついて影に滑り込み ことなきを得る 超人的な危機と安全への嗅覚 全てを投げ出して自分を守る 迷いなき生への執着 3億年続く 自己保存の鉄則 心ない言葉が刺さって血が滲み 投げられた非難が卵の如く背中に弾けても ステンレスウォータープルーフの強靭な心は 涙で元どおり I can (still) fly! 足3本もがれてもなお 飛翔するゴキブリ の中で 翼を折られ横たわる天使 繊細で柔らかくて優しいままでは とても生き残れないから 天使はゴキブリに成長する でもできることなら未来は ゴキブリでなく 天使が育つ世界を 今日を洗い流し明日を生きるための涙でなく この瞬間の果てしない悲しみに溺れる赦しを 天使が人間に育つ世界を
ゴキブリメンタル ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2902.2
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 69
作成日時 2020-02-13
コメント日時 2020-03-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 10 | 10 |
前衛性 | 9 | 9 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 15 | 15 |
技巧 | 9 | 9 |
音韻 | 8 | 8 |
構成 | 8 | 8 |
総合ポイント | 69 | 69 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 1.8 | 0 |
可読性 | 2 | 0 |
エンタメ | 3 | 1 |
技巧 | 1.8 | 0 |
音韻 | 1.6 | 0 |
構成 | 1.6 | 0 |
総合 | 13.8 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
しかし、ゴキブリはゴキブリで天使かと。 その生命力をもって生態系における重要な分解者ですので。 少々揚げ足取りかもですが。 ゴキブリも 南無阿弥陀仏 天使なり 雛祭イベントで、五七五調でコメントしてます。) https://www.breview.org/forum_blog/archives/668
1お読み頂き、ありがとうございます。たしかに!全く別物と捉えていて気が付きませんでしたが、地球目線で見るとむしろゴキブリは人間よりも遥かに天使ですね。笑 おもしろい視点とゴキブリへの尊いお経をありがとうございます。
0ゴキブリの素晴らしき生命力を書き切れています。 初見の時は結構、生の執着を汚くもポップ描いた詩なのかと思いましたが まさか天使とは… I can (still) fly!の部分から天使が人間に育つ世界をまでの詩は 私がこの先、一生を掛けても思い浮かばない名文です。 天使が人間に育つ世界を…こんなん、人間賛歌の最上級ですよ 敵わないと痛感しました
0「ステンレスウォータープルーフの強靭な心は涙で元どおり」言葉の組み合わせがとても好きです。私のメンタルも持ち直しました。
1魂の高翔感を感じます。 萩原朔太郎の「詩の原理」という本の中で、叙事詩の特徴として魂の高翔感ということが挙げられていました。虐げられれば虐げられるほど、空高く翔ことを夢想する。そういう意味で、叙事詩色の濃い作品だと感じました。 この作品の良いところと僕が思うのは、成り上がりの話になっていないところだと思います。例えば、成功して見下してきた相手を見返すという風な。 ゴキブリも天使も人間も、同じ輪の中で存在する。崇高な意志を感じます。天使という言葉が使われているから崇高というのではなく、ゴキブリや人の中にある神聖さを描いてるいるから、崇高なのだと思います。 自分をゴキブリだと蔑むのは簡単ですけど、ゴキブリにも神聖さを見出し、それをこの社会で生きる人にまでつなげて賛歌にしていくというのは、素晴らしいですよ。ブラボー!
0カオティクルConverge!!貴音さん 「人間賛歌の最上級」、盛大に褒めて頂きありがとうございます。ゴキブリは強くて、ゴキブリのようなメンタルを持った人は未来も現代社会でも力強く生き延びていけるだろうけど、強く生きることで忘れられている心の弱さと弱さの美しさにも、目をとめたいと思っての天使のモチーフです。天使が人間になるのは、あまりにも強引で傲慢なのが、個人的は気に入っています。強くしたたかに育つことだけでなく、弱さも受け入れてこその人間だという一つの考えがこの詩では結晶化しました。ただ、ここでは人間は最後に唐突に出てくるので、「人間とは何か」という問いは更に色々と考えを巡らせ、今後少しずつ詩に書いていこうと思います。 また、ポイントを無限大∞頂き、大変恐縮です。嬉しい感想をありがとうございました!
0果たして最善は天使か人間かゴキブリか。凄い好きです。
0ゴキブリメンタルというかなりインパクトの強い題名に惹かれ作品を拝見させて頂きました。たとえどんな境遇に置かれようと、自身の不幸を呪うことなく生き抜こうとする精神がとても美しく気高いものに思えました。忌み嫌われようと、脚をもがれようと、3億年変わらず鉄則を守り続けたゴキブリに最大の敬意を表します。
0ゆい様、 私の詩でメンタル持ち直して頂けて、何だか光栄です。心がステンレスウォータープルーフって、便利そうですよね。それこそ鉄の女になれそう。AIみたいでもありますが。お読み頂きありがとうございました!
0トビラ様 萩原朔太郎の『詩の原理』読んでみました!個人的にはこの詩が叙事詩だとは夢にも思っていませんでしたが、確かに言われてみると扱っている感情は抒情詩というよりも叙事詩ですね!非力な作者が権力構造、パワー、強さを希求し讃える、「魂の高翔感」の構図が確かにあります。 私の場合、強さのことばかりなぜか書いてしまいますが、それが本当は嫌です。非力で繊細でやわな部分こそこの世の美しさだと思っているのに、世の中ではそれは淘汰され、(私のような 笑)ゴキブリ的強さを求められ育てられる。朔太郎の論を借りると、(叙事詩の対としての)抒情詩的な感覚の尊さを叙事詩で讃えていますね。。。我ながら、これは大変捻れているなと思わされました。笑 「同じ輪の中に存在する」、興味深い読みをして下さりありがとうございます!本当に、これが為されれば理想的だと思います。読み返してみると、効果としては価値観?価値基準?をゴキブリ、天使、人間を通してを何度も転覆させることで平等感が作っている気がしてきました。自身ではあまり気づいていませんでしたが。笑 私の意図を超えて読み込んで頂き、こちらも大変勉強になりました!朔太郎の論をご紹介頂き読んだことで、自分が何をやっているのか俯瞰的に見えた気がします。とても示唆に富んだコメント、誠にありがとうございました!
0ゴキブリと天使と人間、どれも完璧ではないところがみそなのかもしれません。3つの中で最善を選ぶサバイバルだとしたら、世界観が何気に『真・女神転生』シリーズみたいでしたね。因みに私はⅣが大好きです。← お読み頂きありがとうございました!
0面白い作品ですね。 ゴキブリ三億年の歴史のなかには、あの姿に極似なまま1メートルの巨体の種類が生息していたことがあったそうです。そのころ、私たちの祖先は小動物だったので、ゴキブリに喰われる恐怖と戦っていたとしたらなあ。と、つい想像を盛ってしまいました。(汗) そうです。ゴキブリの一瞬のすきをつき、自分にとっての最良のシチュエーションを 自在にセレクトをする 私たちの祖先。 私たちの祖先て、ゴキブリに 似てるなあ。って、思ってしまいました。 だから、私たちは羽あるものに 憧れることがあるんでしょうか? イヤ。わたしたちが、ゴキブリには、あこがれてるはずは、ないですよねえ。あれれ? ごきげんな 天使の羽が 油ぎる ※雛祭り イベントやって、ます。詳しくは、フォーラムをご覧ください。
1カタカナをこれだけ並べるとかなりのインパクトになりますね。笑 本当に、置かれた境遇で頑張るしかなく、それができることがサバイバル能力だと思います。コロナの混乱の最中でも、ゴキブリメンタルを発揮していきたいものです。
0真清水るる 様 この作品が持つ倒錯性を見事に句にして表現して下さり、ありがとうございます! 「想像」も大変興味深く読ませてもらいました。つまり地球の歴史という長いスパンで見ると、ゴキブリと人間は対にならないんですね!億年単位で考える発想はなかったので、びっくりしました。人間の祖先は巨大ゴキブリ他、様々な天敵から身を守るためにまさにゴキブリのようにサバイバルしてきたのでしょう。その原始的なサバイバル力を現代に当てはめるのだとしたら、やはり精神面の強化こそ必須だとなんとなく思うのです。現代の病理は昔に比べ、特に精神に宿っている場合が多くなってるかと。ゴキブリメンタルは病みやすい現代にこそ、考えていきたいことだと我ながら思います。思考が広がるコメント、どうもありがとうございました!
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