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おばちゃん
一刻も早くおばちゃんになりたい 小さなプライドのせめぎ合いをまるっと包み 豪快に笑い飛ばせるおばちゃんになりたい なぜか年功序列ヒエラルキーの外にいて 縦横無尽に叱咤激励 垣根を超えて皆に等しく与えられる おばちゃん魂の一滴で 蹴り飛ばす 縦社会の底上げブーツ 3割盛った実績と 金メッキの自信を仕込み続けたブーツの中で 見下すためだけに必死に背伸びする皆が 等しく尻餅をつく おばちゃんが作る どこまでも地平線が見える世界 人の上に人を造らず 人の下に人を造らず 床に転がって初めて見えた 相手の目 この目線の高さを保つことを 皆でゴールとしよう 笑顔でうなずきんに徹し履かせた無数のブーツたちに 踏まれるのはもうやめた 予定より20年早く 今日から私はおばちゃんになる 空には触れられなくてもいい 目と目が繋がった先にある 地平線を信じて
おばちゃん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 3392.3
お気に入り数: 0
投票数 : 5
ポイント数 : 29
作成日時 2020-02-06
コメント日時 2020-03-15
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 6 | 4 |
エンタメ | 6 | 3 |
技巧 | 7 | 5 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 5 | 3 |
総合ポイント | 29 | 20 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0 |
前衛性 | 0.2 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1.2 | 1 |
音韻 | 0.2 | 0 |
構成 | 0.8 | 0.5 |
総合 | 4.8 | 4.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- あなたは「おばちゃん」になれるか (yasu.na)
わりと甘い世界観なんだけど、嫌いじゃ無いっす。
0読んで頂きありがとうございます。確かに甘いかもですね...残念ながらまだそれなりに若いのでね。笑
0若さを甘さの言い訳にしても成長しないと思います。具体的に言うと、縦社会というのは人間や生命の本能に根差してると思うので、そこをいかにくりあするか、或いはいかにくりあ出来無いかをしびあに見つめないと、この詩の目指すものは達成または表現しきれないと、そんな所が甘いと思いました。
0なるほど、参考になります。男性的縦社会に大変違和感を覚えている女性の視点から書いています。縦社会を壊せるのは(女性的)横社会/フラットなコミュニケーションであり、序列を気にせず接するおばちゃんの様な視点を持ちたい、という趣旨で書きました。ご指摘ありがとうございます!
0今読み直して思ったのですが、地平線を見るということは空も目に入るということで、目に空が触れてるじゃん!(ある意味)ということで、地平線をちゃんと見据えることが出来たら、空にも触れるということかなぁ、と。。。そんなことを考えました。酔っぱらいの戯れ言です、失礼しました!
0興味深く解釈して下さり、感動しました!「目が空に触れている」...確かに!笑← 地平線は高さと広がりの融合として取れる、壮大なシンボルですね。意図したところよりも深い読解をして下さる読者様に読んでもらえ、こちらの解釈も広がりました。ありがとうございます!^^
0ギャグ…のようでいてメッセージ性もあり、しかもどこかしらシュール。 いろんな要素を持った楽しい作品だと思いました。
0僕はこの作品、好きです。根本的に、好きです。何と言うか、作者さんは、プロってます。僕もおばちゃんになりたいところに、この作品が来ました。現実を直視して、その現実からこんな文芸的表現を編み上げるなんて! 批評眼が光っています。文芸的表現技術も光っています。作品全文を引用したいくらいです。 二行目、 >小さなプライドのせめぎ合いをまるっと包み からもう僕は虜になりました。 >なぜか年功序列ヒエラルキーの外にいて ここは痛快にして真実。 そしてブーツのたとえ。 >床に転がって初めて見えた >相手の目 >この目線の高さを保つことを >皆でゴールとしよう こんなことを、よく書けましたね。 おばちゃんが作る、目と目が繋がった先にある、地平線が見える世界! 信じて生き(行き)ましょう。 すばらしい作品をどうもありがとうございました。
0蕪城一花 様 私も一行目が浮かんだ時、ギャグかと思いました。おばちゃんが持つコミカルな元気さで最後までいくのかと思いきや、最終的に真面目な理想主義にトーンダウンして落ち着いた形です。おばちゃんが笑いながら背伸びする男たちをなぎ倒す図は確かにシュールですね。笑 おもしろい感想をありがとうございました!
0南雲 安晴 様 現実の窮屈さとこの作品に込めた祈りに共感して下さる読者様に読んでもらえて、感無量です。現実社会では疎まれる、人の醜い部分までも見抜いてしまった私の発言も、詩にすると輝くことがあるのですね。詩というメディアに救われた気がします。お互いおばちゃんっぷりを発揮し、目の前の相手を大切にできるといいですね。勇気の出る感想をありがとうございます。 P.S. 10か月前くらいに書いた一作目の詩にもコメントを下さっていましたね。コメント欄はもう閉じてしまいましたが、あの詩で言わんとしたことも正確に分かってもらえていて嬉しい限りです。遅ればせながら、ありがとうございました。
0AB様、 おばちゃんは爽快でかっこよくも見えるのですね。私は割と豪快でコミカルなイメージだったので、印象の差がおもしろいです。しみじみ...なかなか実現できそうもない理想なので、その理想具合に私もしみじみとします。読んで下さりありがとうございました!
0おばちゃんは あめちゃんあげて がっははは (雛祭イベントで、五七五調でコメントしてます。) https://www.breview.org/forum_blog/archives/668 実は、わたしは、小学生のときのあだなが「おばちゃん」だったんです。だから私の場合は他人から「おばちゃん」と言われるのには かなり慣れているんです。けれど、この詩みたいに、自分から自分は「おばちゃん」だ。と、胸をはるのとは、だいぶ違うもんですね。 この詩のいう「おばちゃん」に 私もなりたいです。どうしたらなれるんだろ? それで、ふと思ったのですが。大阪のおばちゃんみたいに 飴ちゃんを だれにでもあげられるように準備しているような人だと、おばちやん的な「人の上に人を造らず人の下に人を造らず」が、実践できる気がしたのですよ。 たのしい詩ですね。
0(ね) 年功の ブーツの底に ババの面 (雛祭りイベントで、五七五調でコメントしています) https://www.breview.org/forum_blog/archives/668#comment-1191
0arielさんへ、 先ほどフォーラムに投稿したことですが、私の五七五コメントには「ババ」という不適切な語が含まれているため、抹消の願いを出しました。「ばば」という語は年配女性に対する蔑称ともなるものでありますし、ワープロで変換すると「糞」ともなりました。あのようなコメントを書いたことを恥ずかしく思っております。お詫び申し上げます。
0南雲 安晴 様 そうだったのですね!因みに、私は良い句だと思ったんですけどね。^^ 湯婆婆的な親しみがありましたし!笑 お気遣い頂いて恐縮です。コメントありがとうございます。
1僕の職場は女性が多くて、けっこう横社会なんですよね。そこにいると、色々と驚くこともあります。トップも女性の方なんですけど、そのトップの方をいじるんですよ。男性的視点で言うと、役職的にトップの人をそんないじり方をする?怒られない?のように思うこともあったり。女性同士だから許されているんでしょうけど。そういうゆるさは女性的横社会の良いところだと感じます。 僕が勝手に思ってるだけかもしれませんが、男性的縦社会はもうどうにも行き詰ってるように感じます。だから、息詰まる世の中なのかもしれません。そこに風穴を開けるのは、さらに強い男性性というより、凝り固まったものをほぐす女性的なゆるさなのではないでしょうか。 そういう意味で、この作品のおばちゃんは、今現在そしてこれからの未来にとって必要な人材。雑誌の表紙を飾ったり、広告塔に使われたりはしないかもしれませんが、日常生活のいたるところで人を支えてくれる素敵な女性。 arielさんの感性は、正しいものだと何の権限もない僕は思います。なのでその感性を大切にしてください。大切にしてくれないと泣きますよ?、心の中で。
0軽快で明るく呑み下したものか、狭いものかは私にはわかりませんが、心地の良さがありました。
0真清水るる 様 小学校からおばちゃんだったとは!きっと周りが包容力を感じるような小学生だったんですよ。大阪のおばちゃんの飴ちゃんはまさに自己中の反対で、見知らぬ人々にまで広がっていくお節介=温かさだと思います。分け隔てない情を持つのは、若くて自分で精一杯の時は本当に難しいと日々感じますが、少しでも心がけることできっと周りが救われるんですね。私も日々こんなおばちゃん達に助けられています。おばちゃんだと胸を張れるような「おばちゃん」にお互いなりたいものですね。おばちゃんになるヒントと、素敵な句をありがとうございました!
0トビラ様 「正しい感性」と評価して下さり、本当に嬉しい限りです。この横社会のビジョンは、例えば企業で何十年も働いてきた私の父親や、社会人として働く男友達に話しても実はなかなか理解してもらえません。根回しが足りないとか、そういう縦社会を生き抜くアドバイスみたいなものが返ってきます。それはもちろんそうなのですが、根本的に枠組みを疑っていることに気づいてもらえず、ちぐはぐの会話を繰り広げております。笑 男性社会の行き詰まりに関しては、私も同意見です。現状ではトップだけが目と脳を持つよう組まれてしまっているので、横社会が成立しえないのだと思っています。上から牽制して、考えることを遮断する風土がまずよろしくないですね。 私と同じく、トビラ様が女性社会に入って感じておられるように、やはり男女の社会とコミュニケーションの取り方はかなり違うようです。お互いから学び、良いところを取り入れて残していけるよう勤めたいものですね。 希少なゆるいおばちゃんとして、頑張っていこうと思います。笑 応援ありがとうございます!^^
0玄関の人 様、 この詩は内容的には風刺でもあるのですが、心地よいと感じて頂けるまで辛辣さと攻撃性を抑えることができたようで、作者としては嬉しいです。批判の怒りを理想を描くことに向けたことで、この詩ができました。お読み頂きありがとうございました。
0おばちゃんに焦点を当てた着眼点と、書き切る腕は凄いですね。 時々、年上の方の鷹揚な雰囲気を羨ましく思います。いやいや自分はまだ若い、子供達の元気に負けないぞ! と意気込んでいるのですが、どうしても広い心には勝てなかったり。おばちゃんは自信があるんでしょうね~と考えて、自信を得るならやっぱり年季がいるのだろうかとも考えてしまいます。 「おじさん」と「おばちゃん」の違いも面白いですよね。同じ時間を過ごしているはずなのに、どうしてああも違うのかと。どっちが良いとかでは無いのですけど。
0千才森 万葉 様 鷹揚、いい言葉ですね。まさにおばちゃんらしさはこれなのかもしれません。個人的に、自信で輝いているのは30代、40代くらいの方々な気がします。それを超えていくともはや自分のことはどうでもよくなっているというか、人類愛、博愛主義のような境地に達しているおばちゃん達に出会うことがあり、素晴らしいなと思うのです。自分と相手を比べることしかできない窮屈なエゴから皆が解放されれば良いのに、と日々感じます。 おじさんとおばちゃんは端から見ても全く違う生き物ですね。。。年月を過ごしてきた環境が違いすぎるのでしょう。おばちゃん魂をおじさん社会にも注入していくことが大事だという思いから、この詩ができました。おじさんの良さも今後見つけていきたいものです。おもしろいご感想をありがとうございました!
0おばちゃんが、本当にここまでルーズな存在なのかはわからないけど 肉体的か、精神的な老いを肯定に転じる価値観はすごく解放的なポジティブさで、まさしく地平がひらけるイメージが湧きます。 ただ、それってきっとすごく痛みが伴いますよね。 空には触れられなくてもいい この一文、単なる縦社会の比喩以上に鼻の奥がツンとするような痛みを感じました。
0獣偏 様 ここに「痛み」があるのだとすれば、それは老いること自体ではなく、老いを受け入れるところにあるということですね。受け入れることには確かにいつも「痛み」が生じるのかもしれません。未知なるものや拒絶したいことを、自分のキャパシティーを無理やり広げてよしとする訳ですからね。そこにはある程度諦めもあり、もっと綺麗な言い方だとゆるしもあるでしょう。 この文脈だと「空に触れられなくてもいい」はある意味、理想主義の反対とも言え、「現実を受け入れる」メタファーにもなりますね。これが個々にできて初めて、おばちゃん的社会ができあがるのかもしれません。興味深い読みをして下さり、どうもありがとうございました。
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