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働き方骸骨
500人規模のメーカーで働く男がいる 現在34歳であり今は係長 今の会社には大学を卒業し 希望して入社した会社だった 今の男の仕事は品質保証というものだ 製品の不具合の解析やクレーム対応などが主要な仕事だ 男は長年現場にいたが 製品を知っているということで品質保証という部門に引き抜かれた だが男にとっては現場での仕事と品質保証の仕事は全く違っていた 男の毎日に変化を起こした 出社する際には作業着から着なれないスーツへ さらに慣れないメールの文書や電話対応 そして客先へ赴いて頭を下げる 引き抜かれてから男は今の仕事で毎月の残業時間が70時間を超えていた 「働き方改革」で年間に5日のフレックス休暇が義務づけられたはずだ だが休むこともままならない 会社に申請するが「今は忙しい時期だから」と濁され続ける 男の精神は摩耗していく 職場へ出社するが視界が少し薄暗く感じ そして思考が鈍くなる感じが続く そのような日々が続く まるで地獄のような感じがする 例えるなら骸に近づくといった感じだろうか そしてとある日通勤の電車のなかで突然泣くことがやめられなくなってしまった ストレスなのだろうか はたまた過労なのか 男はそこで我慢し出社し続けた なんとかその状態で仕事をこなしていく 部下への教育 慣れないクレーム対応 だがそのような日々に心は悲鳴をあげていた ついに男はアパートの玄関からでられなくなりそこでへたり込む 今までの代償なのだろうか 心で出社しようと決意するのだが身体が言うことを聞いてくれない そして男はついに家からでられなくなった なぜだ?なぜだ? 男の心は思うが完全な骸へと化していた 「働き方改革」で働き方が変わると政府は言っていた だが男は骸へと変わってしまった そして男は会社をやめた 男はしばらく静養という名目で家で寝て起きての日々を過ごす 骸といった状態から少しずつであるが快復していくことに気づく そして今度は何をしようかと考えつつ子供のころによく釣りをして遊んでいた河原へ行く そこに定年間近あたりの老人がいた 「あんちゃん釣りは好きか?」 男は少し考えながらもうなづいた 「俺も釣りが好きなんだわ。ボウズだって楽しいぞ。 だれかが言っていた言葉に魚が釣れない時は 魚が考える時間を与えてくれたと思えと言っていたな、確か」 そして男は今の時間が人生を考える時間だと気づく 今は骸から人へと戻る時間なのだと
働き方骸骨 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1981.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 10
作成日時 2020-02-05
コメント日時 2020-02-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 5 | 4 |
エンタメ | 5 | 4 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 10 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2.5 | 2.5 |
エンタメ | 2.5 | 2.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
心にずーんと染み渡りました。 働くことは大変ですね。 それでも結末には希望が添えられていて良かったと思いました。
0第三者の視点で進んでいく筆致は個人的に好きです。 ただ全体の構成のバランスに難があるように感じました。 起:係長として活躍していた 承:異動して体調を崩し会社を辞めた 転:療養生活 結:老人との出会い 私としては上記のように捉えたのですが、「承」はスピード感のある描写で畳みかけたのに対し、「転」については >男はしばらく静養という名目で家で寝て起きての日々を過ごす >骸といった状態から少しずつであるが快復していくことに気づく という二行の状況説明に終始しています。それまでの詳細な描写を考えると「骸といった状態」とは実際にどのような状態なのか、という描写があってもよいのではないかと思いました。 また「転」としてのフックの要素が加わると、より一層ラストの老人の言葉が活きると思います。現状ですと「転」が弱いために全体として抑揚に乏しくラストの言葉が埋もれてしまっているように感じられました。 もう一点付け加えるとするならば、センテンスを見直す余地がまだあるのではないかと思います。例えば >引き抜かれてから男は(今の仕事で毎月の)残業時間が70時間を超えていた (今の仕事で毎月の)は本当に必要か >そのような日々が続く >まるで地獄のような感じがする 直前と同じようなことを繰り返していないか >そして今度は何をしようかと考えつつ子供のころによく釣りをして遊んでいた河原へ行く もっと簡潔な言い方はないか >そこに定年間近(あたり)の老人がいた (あたり)は本当に必要か などです。 リーディングの観点からいうとまた違うのかもしれませんが、今回はテキスト視点ということでなにとぞご容赦を。
0朴訥とした文体が包み隠さず本心を語っていると感じます。最後の締めくくりも、素朴さの中に普遍の真実があり、全体の雰囲気にぴったりな老人の一言だと思います。ゆっくり、時間をかけて戻って来れば良いと言われているようで、ホッとする詩ですね。
0蕪城一花様 ありがとうございます。働き方改革が本当に今後にどのような影響を及ぼすのかを考えてかいてみました。ありがとうございます。
0斉藤木馬様 ありがとうございます。 テキスト視点での批評ありがとうございます。 実際にこのような批評をいただけて勉強になります。今後のテキストの参考にさせていただきます。 またこのテキスト自体は私のなかでは大切なものなので再構成してみようと思います。 ありがとうございます。
0ariel様 ありがとうございます。 やはり救いがあってこそのものだと思って書きました。そこから立ち直るというということがここから先どうなるかはみてくださる方の想像よりかは、やはりハッピーエンドがいいと思いました。 ありがとうございます。
0よくぞ。生き方を改革なさいました。 うっかり しゃれこうべになったら しゃれにならないところだったと思います。 水を得た 魚になれるさ これからは(働き方骸骨) https://www.breview.org/forum_blog/archives/668 (五七五でコメントをつけさせていただいております。) コメント
0今の時代にぴったりの詩でしょう。 凄いリアリティを感じました。
0真清水るる様 お世話になっております。 水を得た魚までとは考えておりませんでした。釣りが好きでいろいろな言葉を探っているなかで最後の言葉が思いつきました。誠にありがとうございます。
0ミリウェイズ 様 お世話になっております。 私の実体験や友達などの体験を文章にしてみました。はじめてこのようなものを書いたと思います。 わたしじじんは詩集などあまり読まずに詩の世界に入ったので、経験を文章にしてみました。 コメント誠にありがとうございます。
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