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カンガルー森のうた
焦げたコアラをポッケに入れる 黙々の黒い雲にねむりを降らせて 大きな青いカンガルーがしずしずと歩く その影をじっと見つめる穴ぐら 息を潜めるウォンバットの目にも まっしろい光が溜まってゆく 形あるものは穴ぐらで 透明なものはポッケのなか みんな仲良く身を寄せ合って 白い雲が歌うのをじっと待ってる
カンガルー森のうた ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1890.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 29
作成日時 2020-01-19
コメント日時 2020-01-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 12 | 5 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 7 | 3 |
音韻 | 3 | 0 |
構成 | 2 | 1 |
総合ポイント | 29 | 14 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.4 | 2 |
前衛性 | 0.2 | 0 |
可読性 | 0.6 | 0 |
エンタメ | 0.2 | 0 |
技巧 | 1.4 | 0 |
音韻 | 0.6 | 0 |
構成 | 0.4 | 0 |
総合 | 5.8 | 6 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
オーストラリアを想いながら読みました。 「炎」という表現をひとつも出すことがなく、 感情を表す言葉をひとつも使うことがなく、 痛みを表現することもなく、 唯一不穏な言葉は「焦げたコアラ」と「黒い雲」のみなのに、 オーストラリアで起きていることの悲劇性や恐ろしさを実感させられました。 詩単体でも美しく、言葉に無駄がなく、かなり工夫されているのに一見してその工夫があまり見えない(技巧だけが前に来ていない)のも素敵でした。
0沙一さんへ いつもご批評いただき誠にありがとうございます。 オーストラリアの森林火災についてのニュースを観るなかで、ふと苦しくなって書いていました。これは世界との接続というよりは、ひたすら自らの慰めのために書いたものでした。 より現実に対して解像度を上げたところで書いてもよかったのですが、こういう作品を投げてみたときにどんなレスポンスが返ってくるのかという興味も湧いたので投稿したしだいです。 蛾兆ボルカさんへ お久しぶりです。NORANEKOです。 韻に関してはここ数年、日本語ラップをひたすら聴いていたせいか自然と意識するようになった気がします。さいきんラッパーのZeebraさんがHIPHOPクルーのICE BAHNの曲について解説する動画を拝見したのですが良い刺激になりました。詩人さんでも大いに参考になると思いました。 楽子さんへ ご批評、感謝致します。 この作品はおもに自分を慰めるために書いたものですが、なるべく痛みに沁み渡るあたたかさを意識しました。声高に嘆くでもなく、痛みから目を背けるでもなく、何を訴えるでもなく、ただ静かな叙情のなかにある慰めが余韻を引いて反響するようなものとなっていたらと思います。
0読んで、オーストラリアの火事のことを自分も想いました。
0リズムが心地よいです。火災のニュース映像が衝撃的でした。そういった現実があり言葉でこのように描かれたものはまた違う質感を持ちながらも繋がりを感じるものがありますね。
0ミリウェイズさんへ はじめまして。ありがとうございます。 あまりこういうタイプは書かないほうですが、こうして新しい方に読まれるのは嬉しいですね。 帆場蔵人さんへ ありがとうございます。「世界と作品のあいだ」というのはきっと、終わらない問いと答えの連続のような気がしました。
0有袋類は真獣類と完全に共存していれば絶滅していたはずであり、だからこそオーストラリアという隔離された大地で生き残り我々が姿を拝めることに生命の神秘を感じます。本作は配色、視点などからそのような有袋類の神秘を感じさせる作品であり、その人間から離れた生物が物静かに、また優雅に動く様を描き出している点で見事です。 他方、単純にそれらを映像として浮かび上がらせただけではないように思われる描写もいくつかあり、その点でも高い評価ができる作品です。
全ての不幸が詩になるのは世界がまだ平和だからなのか。募金を上回る言葉を放ちたいです。
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