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世界が終わった翌日に
世界は終了しました。 それはつい最近です。 私を含めこの宇宙船は たった2人で進んでいます どこへ向かっていいのか 何を目指していいのか 分からないまま 生きている 「私たち、まるで家畜だったようね」 「なぜだい?」 「だって、外の世界はこんなに広大でたくさんの星があるなら早く来れば良かった」 「でも、暗くて孤独さ。」 「そういう人は家畜でいいのよ」 彼女はふふふと笑った 目を瞑って肩を揺らして 耳についているピアスは 歪で奇抜な形なのに 生れつきのケガみたいに 綺麗なのに痛々しい ふと、宇宙船の助っ席の窓を見ると 大きなシマシマ模様の星が 威風堂々と いけしゃあしゃあと その姿を闇の中に構えていた あの星は···見覚えがある 確か木星といったか 「木星って木でできてるの?」 「どうしてだい?」 「木製って言うじゃない」 彼女の突然のジョークに 多少戸惑いまた、笑う 「ユーモアの分かる人で良かった」 「ただのダジャレでしょ?」 「あら、そんなことないわ。駄洒落なんかじゃない、だって私はお洒落でしょう?」 「確かにね」 彼女は僕の方を見て笑ってみせた 彼女は艶っぽかった ガシャ ガシャ どうもさっきから宇宙船の調子が悪いが 幸いにもちょうど、着陸できそうな星がある 「ちょっと、あの星に行ってみようか」 「ええ、いいわよ。メンテナンス?」 「そんなところ」 星に近づいていく 僕らは最終的にどこへ行くの? 分からないけど 今までだってそうだったんだ 明日死んでいるのかもしれない ならば今日を精一杯生きるしかない 「この星もなんにもないね」 「そうだね」 世界が終わった翌日に僕らは星を探してる
世界が終わった翌日に ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1351.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 56
作成日時 2020-01-03
コメント日時 2020-02-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 8 | 0 |
前衛性 | 5 | 0 |
可読性 | 9 | 0 |
エンタメ | 10 | 2 |
技巧 | 7 | 0 |
音韻 | 8 | 0 |
構成 | 9 | 0 |
総合ポイント | 56 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.7 | 0 |
前衛性 | 1.7 | 0 |
可読性 | 3 | 0 |
エンタメ | 3.3 | 1 |
技巧 | 2.3 | 0 |
音韻 | 2.7 | 0 |
構成 | 3 | 0 |
総合 | 18.7 | 1 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全体通じて、なんだかこの後嫌なことが起きるかのような不穏な空気の漂う作品だな、と思います。 女性との会話はものすごく平和で、ふふっ、となるほどのものですが、宇宙船が軋む音や女性の美しい姿の描写、また、 >明日死んでいるのかもしれない という文に何か心がザワつくものがありました。 しかし、だからこそ >今日を精一杯生きるしかない のだろうし、これは、どれほどの人が明日への希望を持っているかも分からない現代の人々にも通ずると考えます。 したがって僕はこの作品により1日1日大事に生きていきたいと思えました。ありがとうございました。
1長めの詩を読むのは苦手なのですが、この作品は最後までスラスラとリズムよく読むことが出来ました。 恐らく'作って'いるのに'作って'いる感覚を感じさせず、作品のなかに作者ではない私と彼女がしっかり存在しているよう感じます。 単純に文章も上手くもっと長い作品も読んで見たいです。 へんな感想ですみません。ありがとうございました。
1磁界の中心 さん みみず さん コメントありがとうございます(●︎´▽︎`●︎)
0世界の終わった次の日と言う、物凄く重いテーマだと思うのです。 だって、彼女以外にも大切な人だとかいたと思いますし 住んでいた星だって悪くなかったと思うんです でも、終わってしまった。 無くなってしまったわけです 様々な葛藤やら絶望とかもしかして二人には渦巻いてるとは思うのですが そこまで深刻な感じがしない まるで旅行のような、ソフトな感じに終末を描けているように思えました。 何処までも酷く悲惨に書くことは出来ても、それを感じさせないようにするって 凄く難しい事だと思っているので、感服です。