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船出
街角もまだ目覚める前から 西に向かって幡を振る 優しい手つきと恐ろしい声で 東に向かって手を挙げる 西に向かって幡を振る まだ誰も見ていないうちに 東に向かって手を挙げる 「我が魂、我が光よ」 まだ誰も見ていないうちに ひっそりと船を浮かべてみる 「我が魂、我が光よ」 誰かが祈る声が聞こえる、気がする ひっそりと船を浮かべてみる もう波の音しか聞こえない 誰かが祈る声が聞こえる、気がする 夜になっても蝉が鳴き もう波の音しか聞こえない 新聞しか読まない人とは話したくない 夜になっても蝉が鳴き どうやら無事に戻ってこない 波の音しか聞こえない 波の音しか聞こえない
船出 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1303.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 21
作成日時 2020-01-02
コメント日時 2020-02-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 3 | 0 |
技巧 | 5 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 10 | 0 |
総合ポイント | 21 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1.5 | 1.5 |
技巧 | 2.5 | 2.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 5 | 5 |
総合 | 10.5 | 10.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
静かななか誰かの祈る声が聞こえる、気がする。朝の街角に立つ誰か。意味を捉えきれないですが、非常に印象的な情景が浮かびました。東から来る太陽、朝のなかを生きるであろう人々の生活が我が魂、我が光だろうか。西に幡を振る、夜を招いているのだろうか。どうにも考えがまとまらないが好きな詩です。 抜粋開始 まだ誰も見ていないうちに ひっそりと船を浮かべてみる 「我が魂、我が光よ」 誰かが祈る声が聞こえる、気がする 抜粋終わり ひっそりと舟を浮かべてみる、詩を書いているときのような気分になりました。
0連の中のフレーズを次の連に移し替えつつ、展開させ、最後のリフレインにつなげていく構成の美しさを感じました。「もう波の音しか聞こえない」「誰かが祈る声が聞こえる、気がする」この対比もとても印象的でした。「聞こえる」と言い切らずに「気がする」としたところも、希望への不確かさ、のようなものが感じられ、味わい深いと思いました。
0この形式はパントゥーンといって、ボードレールが『悪の華』に一曲だけ用いています。元は東南アジアで儀礼的に歌い交わしたものだそうで。思わず真似してみたのが10年ほど前、やってみると上手く行かなくて。 2年前の寒い冬、脳梗塞で入院し。もうダメかも知れぬと覚悟を決めた時、心残りを思い出して書いたのがこれでした。
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