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あたいさ、いつだって しょうじきに せかいのすべてを うけとめてさ やづらにたてるから おもてにだしてよ くるしみの ろんり のうえで あたいらは、うごいてるんだから なあ、すべての はぐるまがさ あたいらを のりこえてくんだ <四行の消し跡> 複数の箱詰め作業 言葉を体液に均す作業 ニイ 、と笑う人 午前4時の暗闇チャリ走らせ 汚え倉庫で台車ガラガラやってたあの頃が 俺を作ったんだよ 身を切るような冷気と──大量のケースが グシャリと握り潰した左手の指間を伝う 青黒い感触に目を細めていたのだが それもやがて沈静されて行くのだ めずらしくグレーの硝子瓶を取りだし 念入りに木栓を押し込んだ 基本としては無色透明の気体なのだが 不思議と時折、橙の色が見える スーツの裏に忍ばせたそれを 採番することなく一年と三月
ラベル ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1575.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 14
作成日時 2019-12-14
コメント日時 2019-12-18
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 14 | 14 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.3 | 1 |
前衛性 | 0.7 | 0 |
可読性 | 0.3 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.3 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4.7 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
remarkable, first six lines in Hiragana!
0詩の構造をうまく生かされていると思います。 前半二連はひらがなを使うことで、ひらがなの持つ簡素な卒直性が上手に効果を出しています。とりわけ「あたい」と書かれた主体が、後半4連では「俺」に変えられたことはその効果がよく出ていて、より内省的な言葉、つまり内声のかぼそさが、後半の力強い印象と対照になってよく強調されています。また、以降の部分(後半部と呼んでみます)との分岐点になっている「<四行の消し跡>」は、この2連が外部に漏らせないどころか、自分でさえ正面から向き合うことに躊躇を覚えるような内奥の声であることを、ずっと印象づけて印象的な句で、私はここが全体の中でもとりわけ気に入りました。 後半部、「それもやがて沈静されて行くのだ」まではどちらかと言えば現実的な描写ですが、その後の2連は現実からより乖離した描写になっていきます。現実と詩的世界の融和、両立がとても上手で、現実の悲歌的な側面が生み出されていると思いました。
0>言葉を体液に均す作業 良い詩句ですね。 部分部分は良いのですが、全体としてこの詩をつらぬいているものが何なのか考えさせます。 部分と部分との接着力が弱いような気もしないでもないです。が、求め過ぎかもしれません。
0けっして実像を結びはしないものの、各連ごとに浮かぶおぼろげな像は含みが多く、詩情を湧かす 終末的な作業所だろうか。 > <四行の消し跡> が良い味を出している
0宝塚橋乃さん ありがとうございます! 石手午さん コメントありがとうございます。 言語化できずに消した箇所を残してみました。 仰るとおり、自分でも向き合いきれてないあれこれの詰め合わせです。読み取っていただけて昇華された気持ちです。 南雲 安晴さん コメントありがとうございます。 これ作者にしか意味が分からないやつだ、と思いつつ送ったので反省してます。その句だけ生々しくて浮くかな?と迷いましたが削れなかったので、良いと言っていただけて嬉しいです。 渡辺八畳@祝儀敷さん コメントありがとうございます。 薄っすらでも何か思い浮かべていただけたならよかったです。倉庫で働いていた頃のことを書き入れました。 ガムのくつべらさん コメントありがとうございます。 中身を持っていると言っていただけて嬉しいです。たしかに、まとまりのある内容を書くのが苦手で、よく誤魔化してしまいます。今度は筋を意識して書いてみようかなと思いました。
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