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優しい震え
思い出しつつあった いつか 枯葉のような午睡の中で 目を細めると 姿を得た彼女、が 光の粒に包まれて 拝啓 あなたのあなたがわたしでないことへ 孤独になりたくて、たくさんご飯を食べる 老いた人の耳が行く、場所のことを 思いながら、 何億もの枯れ葉が、空から落ちてくる それらがわたしたちの食卓に降り積もった それからは何もかもが 眩しい 冬の始まり、には 夜空に難破船を隠して 笑っていて 撫でていて 輪郭がゆらゆら揺れていて 次の日の午後、荒れ野で傘を燃やした そうして、わたしも彼女も、ふたたび姿を得た あなたはまた去った それは眩しさの続き 頭の中にあるものをぜんぶ捨てた その空白にも、何億もの枯れ葉が落ちてきて その中を、ふさふさとした犬が駆けている うれしかった 何か、欠けていて 愛することの寂しさとか すこし寒くて、 震える
優しい震え ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1839.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 13
作成日時 2019-11-21
コメント日時 2019-11-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 8 | 7 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 13 | 11 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2.7 | 1 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 4.3 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
バランスのいい詩だなと、個人的に思いました。 私自身理解できていない部分はあるのですが、それでも綺麗な世界観は伝わってきました。率直に世界観が好きです。
0ひらがなと漢字のバランスが心地よく使われていて読みたいなと思わせる詩でした。
0二度使われている何億もの枯れ葉、これが効いてない。タイトルの優しい震えや作中の眩しさという言葉のイメージとは逆の印象を抱かせるため、俺は読みながらこの言葉に会う度に躓いた。
0>>絡刻さん 提示した世界観は自分でも気に入ってるですが、世界観重視で意味の繋がりが希薄になってしまい、散漫な気がしていまい、ウーンという感じです。正直に言うともっと上手くできなかったかな〜と思ってしまう作品ですね……
0>>五十嵐燈さん 漢字とひらがなのバランスはいい感じですね。パラパラしてて、世界観とマッチしてる
0>>/舜舜さん 枯れ葉が木から落ちると日が差し込んで明るくなるイメージで書いたんですけど、効いてないですか……まぁ確かに枯れ葉という言葉自体の色は暗いかもしれないですね 優しい枯れ葉 厳しい枯れ葉 と並べると私としては前者の方が自然な繋がりに感じるので、枯れ葉が優しいイメージだというのは自分の中では結構自信があったのですが、思いのほか普遍的な感覚ではないのかもしれないと思い知らされました。今後の参考にします
0>>yamabito ありがとうございます。待ってます
0そとばさん、 枯葉は優しい、寂しい、もの悲しい、震えてる、揺れてる。俺もそう思ってるけど。 何億もの枯葉、 何億もの、が付くだけで俺の中で枯葉に持っていたイメージ、印象が逆転したということを言ってるんです。
0>>/舜舜さん なるほど、理解しました
0>>yamabitoさん >拝啓 > >あなたのあなたがわたしでないことへ は確かにとても上手くいってますよね。 もともと入れたい語句がいくつか先にあって、それに合わせて無理やり周りを構築したので、押し込めた感じがあるんだと思います。そういうのに振り回されず、もっとちょっとした修飾とかにも気を使えたら良かったなと思ってます
0老いた人の耳が行く、場所、という言葉がとてもイメージを刺激する。それは何億もの枯れ葉も同様に。 遠い何処かそれでいて私もあなたも 懐かしいその場所の空を背に枯れ葉を 振り払った裸木が凛と立っている 肉体は老いても精神は別だ。ひとつの生きる意味が枯葉に覆い隠されても目線を上げれば、また違う景色が、意味が生まれる。そして枯れ葉は腐葉土にもなり、新たな芽吹きも想像される。世界は欠損だらけだからこそ、 私は私でありあなたはあなたである 傘を空に返して晴れやかに欠けたまま 生きていけるのではないだろうか 空白をどんなもので埋めてみよう、かとこの作品を読みながら僕の妄想は激しく加速しました。
0>>帆場蔵人 的確な読みだと思います。余白が多すぎて読んでもらえないタイプの駄作なのではという不安が強かったので、読んでくれる人がいて嬉しいですね
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