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郷泥
川風に乗って町中 泥の臭いがする 川で溺れたときの臭いだ。 はやくそこへ帰りたい きっと 良い場所ではない でもいずれ そこへ帰る 私はこの臭いを知っている 私はそこへかえる 川の底の、泥の中へ。
郷泥 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2366.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 31
作成日時 2019-11-07
コメント日時 2019-12-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 7 | 0 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 6 | 0 |
音韻 | 5 | 0 |
構成 | 5 | 0 |
総合ポイント | 31 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.3 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2.3 | 1 |
エンタメ | 0.3 | 0 |
技巧 | 2 | 1 |
音韻 | 1.7 | 0 |
構成 | 1.7 | 0 |
総合 | 10.3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
郷愁感を抱きました。 郷愁感はどこか甘酸っぱいものであると思いますが、「良い場所ではない」という一言がその酸っぱさのようなものを感じさせ、強く胸に刺さりました。
0をりふし水様> コメントありがとうございます! 私個人の郷里を思う気持ちでしたためました。伝わったようで、何よりです。 郷里は心の在り処であると同時にしがらみだなあといつも思います。決して良い場所とは言い切れなくても、 私の郷里に変わりは無く、何と表現して良いか分からなくて詩にしました。
0個人的な思いというのはとても人に伝えるのが難しいものですが、この作品は少ない文字数で個人的な思いやその場の空気感というものが見事に表現されていて詩のあるべき姿というものを感じました。
0俺にふるさとは無いわけだが、それでも、この作品を読めば、多少なりとも、そのイメージを共有できる。 >はやくそこへ帰りたい >きっと >良い場所ではない この3行に特に気持ちが乗っているように思った。具体的に書かれるより、このように書かれている方が、作者の心を感じられる。いい作品と思う。作品の1連目も本当に、あの臭いがした。
0ベタ様> コメントありがとうございます! 今読み返すと余り…何というか言葉が選べていなくて反省点が出てきています… 水害に遭ったときに考えたので空気感を感じていただけたのであれば本当に嬉しいです…! /舜舜様> /舜舜様にはふるさとが無いのですね…それでももしイメージを共有していただけたのであれば、それは本当に、詩におこして良かったです…言葉の力ですね…。 今回の台風で氾濫した川のおかげで故郷を強く思っておこした詩なので、私の故郷の感覚が少しでも感じていただけてほんとうに嬉しいです。ありがとうございます。
0郷愁的にも感じますが、それ以上にある特定の場所の様に思います。そして泥の中と言うのが、民俗的な葬いに思えて良くはないが、懐しさ、気怠な愛しさを感じます。良い詩だと思います。
0ですよね。 いい詩だと思います。
0ガムのくつべら様> コメントありがとうございます! 仰るとおり、郷里を想うと同時に、私の中には故郷の野山に分け入って見て嗅いだ、落葉が土に還って行く腐葉土や、何もかも飲み込んで流れる川の泥の臭いが、古い記憶と共に、私自身の郷里の姿であり、帰る場所という認識にあるのだと思います。 自分自身、詩作をする中で、泥や土、地面、地中、地獄、蟲蠢く植木鉢の下の湿った土など、嫌悪の対象であると同時に、憧れて止まない存在だと昨今は自覚するようになりました。 肉体か、精神か、いずれの行方かは私にもまだ分かっていないのですが、 タイトルの郷泥は正しく造語です。おっしゃる通り、私にはこだわりのある言葉なのだと思います。 上手く言葉に出来ず申し訳ありません。私の故郷は泥なのです…柔らかくて脚を取られ、臭いがする。冷たいのに温かいと錯覚する。その泥濘から私はきっと抜け出すことはないのかもしれません。 玄関の人様> コメントありがとうございます! その通り、ほんとうに、私の住むある地域を想った詩です。私の郷里に民族的な風習も何もないようにも感じますが、川というものと常に共にある生活を脈々と続けてきた中で、自己の中に川と共生する民族の景色があるかもしれません。 気怠んですよね、故郷というのは、私はずっと抜け出せない。ただ愛さないことも出来ない。コメントをいただいたことで、より自己の解釈を深めることができました。 ほんとうにありがとうございます。 おむすび 健太郎様> コメントありがとうございます! ご一読いただき光栄です。
0帰りたい場所が郷なのかもしれません。郷愁、郷の泥、川。私はそのにおいを知っている。自分の出生地にまつわる物語なのかもしれません。川は深く深く心をとらえて離さない。
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