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一滴の雫をたんとください
檻に入れられ、騒ぐ猿 大きな声を出せば救われると思い 小さき声の者には、否が応でもメガホンを 彼らの声は山へと出掛けていく 返ってくるのは彼ら自身の声だけだ 来る日来る日も降り続ける夕日とトモに解けるヒモの束 答え探しではなく間違い探しなのだ 苦痛で泣いている女の顔を近づけろ 悲痛で泣いている男の顔を近づけろ 快楽で泣いている彼らの顔を遠ざけろ 我々は被害者で在り続けるのだ 静かに笑い、騒がしく鳴くのだ 心なんてない。 あるのは嘘とエゴと刺激。 味覚が腐ったおかげで、痛みを強く感じる。 ありがたいありがたい。 まだ涙を、まだ汗を、まだ苦しみを まだ続け、まだ探し、まだ居続ける 我こそが閻魔大王 地獄に咲く一輪の花に 一滴の雫をたんと下さい。
一滴の雫をたんとください ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1713.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 12
作成日時 2019-09-25
コメント日時 2019-09-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 12 | 12 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.3 | 0 |
前衛性 | 0.7 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0.7 | 0 |
技巧 | 0.7 | 0 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0.3 | 0 |
総合 | 4 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
猿も苦痛も悲痛も快楽も嘘もエゴも閻魔大王も、その語句から想像するものは読者である私が既に持ち合わせている意味とその認識するところから、作品が連れ出してくれなかったです。それを言い換えますと、語り手が吐き出している言葉はとても理解出来ます。わかりやすかったです。
0言葉の強さ。発想の工夫度(流れに沿っていつつ自然な意外さ、というような意味で)。 創造性(>答え探しではなく間違い探し >嘘とエゴと刺激)。 ツボを押さえた真実に迫る題意表現(>騒ぐ猿 >答え探しではなく間違い探し >被害者で在り続ける >心なんてない >まだ涙を、まだ汗を、まだ苦しみを/まだ続け、まだ探し、まだ居続ける)。 唖然とするほど創造性に富んだ、素晴らしい作品だと思いました。日本語の詩として、新しさも感じられ、 既存作家の真似でもないところまで、達していると思います。そう考えたうえで、この詩の最後の 表現も、素晴らしく訴えかけてきます。恐れることなくこういった表現に至るためには、 確かな実力があると言えるのだと思いました。感情を読み込める、イメージ豊かな詩編です。 良い花束を受け取ったみたいな、嬉しさが残りました。
0一貫性のある文体に見えますが句点のある行とない行があったり、見た目よりも複雑な構成になっていると思いました。猿も閻魔大王も寂しそうで世界観に引き込まれました。
0苦しみにある人を 近づけ 快楽にある人を 遠ざける ここだけ とりあげれば、天使的ですね。 味覚が腐ったおかげで の くだりは、皮膚が腐ったおかげ の ほうが、良いような きがしました。 天使的であることとは、悪魔的であることと、ある意味では似ていると、思いました。これは、目が覚める思いです。 あと、重箱のすみを つつくようで、申し訳ないのですが、 味覚が腐るて、イメージが 難しいのです。 皮膚が腐るなどのほうが良いような気がしました。
0すいません。コピーしてしまっていました。
0真に健康的な詩だと思いました。 味覚 は詩の中で重要な部分なので外せないと思います。 味覚が歪んだ とかどうでしょうか。
0地獄と聞くと砂漠のランボーを思い出します。実際のランボーの地獄の季節はヴェルレーヌに発砲されてしまったランボー自身の心象風景なのでしょうが。
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