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プラスチックガール
プラスチックな女の半透明な身体 強く抱いたら硬い音を鳴らし凹むから 着色した液体で空っぽを満たそう なるべく僕の肌に馴染みそうな奴で 体温は奪われないまま浸透する 香りは獣みたいに生臭いまま 吐息が空中で混じり合う 一方通行なムードが生まれる 三日月が赤子になって 夜空のお母さんに抱かれている 僕は子守唄が欲しくなる 隙間を埋めてくれる様な 氷みたいに溶けてしまいたい あなたと温い空気に擦られて 混濁した僕の精神を注ぎ込みたい 例え何も孕まなくても
プラスチックガール ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2136.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 22
作成日時 2019-09-22
コメント日時 2019-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 9 | 8 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 6 | 6 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 22 | 21 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.3 | 1.5 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 1.5 | 1.5 |
エンタメ | 0.5 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 0.5 |
総合 | 5.5 | 4.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
三日月が赤子になって 夜空のお母さんに抱かれている 僕は子守唄が欲しくなる という所、妄想の中の高潔さを見たようです。プラスチックを抱くような孤独に囲まれた人でも夜空をお母さんのようなものとして捉えるロマンチックさがあるのですね。氷みたいに溶けてしまいたいと退廃を漂わせながらの射精、題材はストレートな性だけどその影にある憎みきれない純粋さに刺されました。
0これは残念ながらローコンテクスト、つまり言語依存が強く出過ぎているのではなかろうかと思う。 >プラスチックな女の半透明な身体 読者からすれば自分だけが読んで持ちたい唯一のイマージュを欲しながら目を走らせるのではなかろうか。そこから考察するに、プラスチックな女という限定された像がしかもご親切にその身体が半透明であると想像の指示に縛られてしまうのではなかろうか、と思う。良い作品とも悪い作品とも言えない。あなたはもっとやれる作家だと思う。
0夏野さんへ お久しぶりです。 この一方通行でありながらも、未熟な性を読み取っていただきありがとうございます。
0みうらさんへ 私がもっとやれるのは確かです。 ですがこの程度で言語依存 イメージ誘導し過ぎかは ちょっと分からないです。 タイトルにしたプラスチックガール という言葉を直訳した 王道感は確かにあります。 ですが何かにつけて アッと思わせるようなのを望むのも良くありません。 私の目標の1つは 詩とポエムの間 詩に感心ある人と無関心の人を結ぶことです。 なので、これで成功なんです。
0ここでははじめまして。とてもいい詩だと感じました。 >プラスチックな女の半透明な身体 >強く抱いたら硬い音を鳴らし凹むから プラスチックみたいな女、ではなく、プラスチックな女、と言い切っているところが、より硬い無機質なイメージが頭に浮かびました。 でも、鉄などの金属と違い、強く扱うと凹んでしまう(凹も好きです。)ところが、儚さ、弱さを連想させます。 >体温は奪われないまま浸透する >香りは獣みたいに生臭いまま 物質的表現から、一気に、人間、生き物の交わりだったり息遣いが聞こえてくるような場面が想像できます。そのギャップが心地いいです。 >三日月が赤子になって >夜空のお母さんに抱かれている 三日月と夜空、赤子とお母さんがそれぞれ混じりあって書かれているところが、違和感無く自然に読めます。 >隙間を埋めてくれる様な あくまで想像ですが、「僕」がプラスチックな女さんと、どうしてもぴったりと抱き合えないもどかしさを感じました。 そして、そう思うことは生物同士誰しもあるのかも、とも思いました。
0とにかく寂しい男だと思いました。一方通行なムードの中で孕まないと分かっているプラスティックな女を抱くのはとにかく寂しそうです。それだけが強く伝わってきました。
0初めは、貴音さんの実力ならこの作品では当然終わらないのでは?とやや過小評価をしてしまったのですが、誰々が書いたなんてものを取り払うと、物凄く興味深い作品だと思いました。話者の男は寂寥とした心の持ち主だとうかがえるのですが、ラストです、重要なのはラスト。「僕の精神を注ぎ込みたい」とカラッカラに乾いた魂が言うようなことを口にしていながら「例え何も孕まなくても」と来る。何も生まれないことへの悲しみ、生への渇望。男の強い欲求、願望をこの箇所に感じました。この男、話者は望みがなくなっているようで、望みを捨てていない。むしろ求めている。そこにはやはり希望。生きることの希望。生きてみようじゃないかという、男の裏側から来る声があると思いました。僕が当初読んだ印象をいい意味で裏切った良作だと思います。
0つつみさん 生を、性を受け取っていただきありがとうございます。 スナノさん 人恋しいけど、それが出来ない人の代用する苦しさと虚しさ。 そこが出せてたなら嬉しいです。 stereoさん この詩は個人的にオナニーの虚しさかと思われてましたが 生きてみようとポジティブになる読み方をしてくださったみたいで 詩の読み方が広がりました
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