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光の子
涙の漏れた少女たち が仲間を増やしつつ、 西へ向かうのを見た 地平の際で彼女らが 平熱の太陽になったとき いくつものワンピースが 祈りを聞きながら倒れていく そうだ あれはひどく小さなかさぶただった 横断歩道をきちんと渡って 戦争に行ったっきりの きみの擦り傷だけを 今でも覚えている 光の長さを知らないから ぼくは 色彩を信じられなかったし 廊下のはじでとめどなく まとまりを無くしつつあった ──ほんとうに、終わるのですか さあ、それはまだ 今度こそたしかな明日が どこまでも続いていますようにと あやまりながら祈っている 夜明け、 走馬灯はとつぜんに花開く 数字にまとまった 名も無き人らは つま先から光の子へと生まれ変わって 白い空にむかって ゆっくり歩みはじめていた
光の子 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2271.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 468
作成日時 2019-09-17
コメント日時 2019-10-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 122 | 7 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 110 | 0 |
エンタメ | 2 | 0 |
技巧 | 116 | 5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 117 | 4 |
総合ポイント | 468 | 17 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 13.6 | 1 |
前衛性 | 0.1 | 0 |
可読性 | 12.2 | 0 |
エンタメ | 0.2 | 0 |
技巧 | 12.9 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 13 | 0 |
総合 | 52 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
すごすぎてたまらないですよ。これは。クオリティレベルの違いが明らか。 最終連の「数字に」という語句が示されるまで、冒頭からいくつかの「数量」が使われていて、それらが最終連では「数字」という語句として明示される。 >増やしつつ >平熱の >いくつもの そして >光の長さ その変化を想像する最終連までの「時間」を表す語句の置きが美しさと叙情が滲み出る効果となっているような。 そう簡単に書ける作品ではないと思いました。
0追記:韻の良さがあることは言うまでもありません。
0コメントありがとうございます。 みうらさんのコメントで初めて、冒頭から最終連までの、数量についての関わりに気づかされました。そこは全く意識していなかった所でしたので、やはり「ネット掲示板では、良いコメントまでが作品である」ということが正しいという考えを深めることも出来ました。
0追記:韻についても言及してくれてありがとうございます。
0おはようございます。とてもとてもとても(ここ、何回も言いたい)よい作品だと感じました。 私たちは皆、自分の置かれている場所で毎日を生きていかないわけにはいかないから、それはもうどうしようもないことなのだけど、どこかに《あやまりながら祈る》気持ちを忘れないでいたいと思いました。できるなら、自分が生きることが、そこにつながるものになっていればいいと。
0夕暮れから朝へ、アネモネが花を閉じ、また開いゆく情景が描かれているように感じて美しいです。 生きることは、日常への懐疑とそれが正しくあってくれという祈りの衝突にしか感じられないものかもしれないな、と思いました。
0藤 一紀さん、お読みくださりありがとうございます。他人に対しても自分に対しても、あやまりながら祈る時があると思います。 新染因循さん、お読みくださりありがとうございます。 日々とは祈りの連続で、祈りとは狂気のひとつだとぼくは思います。
0情景が綺麗で良いなと思いました。
0星空そとばさん、お読みくださりありがとうございます。イメージを重視しました。
0レベルが違うなと思いました。 すごく、たくさん書かれてきているのかな?構成というか、言葉の組み立て方がすばらしいと思います。 他のサイトで拝見しましたが、学生さんなんですか? すごい大学生がいたものだと脱帽です。
0いまりさん、ありがとうございます。 大学生で、書き始めて3年になります。
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