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膜
自己否定は津波のようだ。 ナイフのように鋭くてなによりもシリアス。 水圧に耐えかねてぎゅっと目を閉じたら頭がぼろんとちぎれて波に飲まれた。慌てて拾ったけれど、痛みでしばらく言語を失った。 わたしの皮膚は生まれたときからまだら模様の茶色い膜がへばりついている。粘ついて、暴力的に痒い。眠りから覚めるとき、いつもシーツには血が流れている。 受け入れ難いことだ。 無理矢理くっつけた頭と首は、街のひとに頼んで境目を紐で縫い合わせてもらった。ごわごわして気持ち悪いけれど、ありがたい。 受け入れ難いことだ、と思う。 意識はいつでも膜の中にある。腐ってしまえるならそれでいいのだけど、生きている。
膜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 954.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-02-03
コメント日時 2019-02-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ん、自分にしか書けない詩があると思うんです。その一つであると思います。
0環希さん コメントありがとうございます。ふだんは自分から距離のある詩ばかり書いているので思い切り近い詩を書いてみました。ありがとうございます。
0拝見しました。不思議な作風です。自己否定に飲まれていながらも、詩にその毒々しさはあまりありません。むしろ頭がとれ、街のひとたちに縫い合わせてもらった。ごわごわする、という特異な世界観が癖になります。
0ふじりゅうさん コメント感謝します。不思議という風に解釈していただけてとても嬉しいです。この詩の主人公はゾンビであり、書いている私でもあります。詩は難しいですね。精進します。ありがとうございます。
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