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箱庭
水面を歩いている 月が水を呑む 背中が融けている 反発する血は彩がない 水を蹴る音がやたらと響く 大きな瞳がここを見ている 月は涙を転がしている あれはわたしがわからないから 水ばかりを見ている 足先が随分と冷えて からだばかりが素直だ このちいさな卵のそとがわは かたく手足をちぢこめている 黒い崩れかけの指先から ほんの少し、外が見える 土鈴の罅を繕う 世界が閉じる 水面に立つひとり 足元に眼 そとがわを映す 空に瞳が光る うちがわを聴く目 土鈴の音がする わたしの背中あたりから ろろん、ろろんと ひときわ大きな音がした 指が割れている 空いた穴から 二つの目がこちらを見ている ああ、わたしだ
箱庭 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1768.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2018-11-09
コメント日時 2018-11-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 7 | 7 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
淡々と柔らかいが強靭な語り口による、鮮明な美しさの詩的情景。結尾のポエジーはことに鮮やか。安易な読み解きなど入り込む隙のない、自立した詩世界の時空をそのまま味わい、残るのはいい詩を読んだ、という感想のみです。
0ありがとうございます。 水面を歩くような読感にしたかったのです。
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