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隙間妖怪の一念
融熱 いつか眠りに入り どこまでも白い 白い何だろう あまりあまって遠く遠くへ視線は飛び去り抜けてゆく 眼球萎みそうなほど見やっても、何も帰らない白の闇 私一人闇の中 いえ、私一人と闇ひとつ これを私とお前だと思えば 私は写されてお前をひと粒ずつ組み塞ぐように広まってゆき お前は写して私の姿を均一に帯びてゆく 新史 瞼の裏に、私であるものが満ちている 私はその先端で目の役をしていた 見えるものは目 背景、俯いても宙空、どの遠くにも泳いでいる目 私も目 ここは目の闇 どれか一つに後ろを向かせた 目の境界の向こう側で 夥しくそこにあるだけなのにこちらを襲い来る物々 目を切り破れば異界が通じて、物の私がまろびでる 空気は乾きを手の形にして私を受け止める 私の揮発が声のように聞こえる そうして生き始める 呑々 外の世界のみんなは勝手で居られるルールを使っている 誰も私に教えていないので、私はいつでもエネルギーを使い果たしそうだった 生き物のいちばん外側はさら布で出来ていて、世の中に満ちている物を漉しては 残るものを自分に塗り重ねている 今に追いつけば見える、子の肌の裏側に切りようのない守りごとが網目を作っている それを昔に自分で外しました だから無限数のように並べた言葉で計算をします 生命を山なりにしたときの上澄みを、今誰かに歩調を合わせながら 私は生きています、と説明しながら生きています 懐明 私は残る 私は去る 物を思い始めた時 やがて行くまたひとたびの白痴返り 動けば私が流動する騒がしい私の中へ 視るという行いにも端があり 端の切れに触れて目は傷ついてゆくのに 開けては閉じ 閉じ開いて そうして悩みながら いつも同じ異界を探していたのだ
隙間妖怪の一念 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1080.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-10-19
コメント日時 2018-10-21
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「妖怪」がややポップにも感じ、でも、おどろおどろしさもあり…… 身体性と思考の関連はよくよく身近なものなので、「目」の考察として楽しく読ませていただきました。 「呑々」の連だけ、他の連と直線的な位置ではないのかな? と感じましたが、内容はどの連もおもしろかったです。
0かるべさん、コメントありがとうございます。ビーレビューテンでお会いできて嬉しかったです。 目の考察ということですが、これ実はゲームキャラクターの二次創作なんです。自分なりの。 ポップさもおどろおどろしさもあったというコメントは、自分がこう返すのも変ですが、納得です。 ありがとうございました。
0詩の力がすごすぎると感じました。使われている語彙力が豊富だと感じました。
0題名見た時点でああってわかっちゃったよね、そりゃあねぇ。 個人的に二次創作詩は推進しているのでどんどんやってほしい。
0八雲紫ちゃんなのかー? そう思って読んだら楽しかったよ 次は幽香ちゃんだよ ゆっくりりかいしてね
0オオサカダニケさん、はじめまして。読んでくださってありがとうございます。 本当に嬉しいですけど、あまり褒められるのは気まずいです。 いえ、嬉しいです。ありがとうございます。 渡辺八畳さん、コメントありがとうございます。 東方から何かを作るの、ほんとに楽しいです。いっぱい作りたいです。 貴音さん、あなたに楽しかったと言ってもらえたらちょっとは良いやつが書けたのかも、という気になります。 幽香さんの詩は、真剣に書こうとしたら手が震えます。 幽香さんの詩を書くのなら、絶対に恋の詩にしたいけど、セックスもしたこと無い自分が書く恋の詩なんて自分が認めないです。 紫はミステリアスなようで結構いろんな所に顔だしてるから、今回想像したんですけどね・・・
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