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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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くうきに柔らかく鮮やかに混じった金木犀の香りが消えた あなたが失われたと知った朝 あなたは誰?そしてどこへ? 見たことのないあなたの姿を探すのは 蝶の孵化を見たことがないのと同じことだった あたらしいてがみ 来るたびにあなたかと思い、ポスト、覗きに、ゆく 私はもうばらばらで、ちぐはぐで、詩を発せない いんたーねっと上に残されたあなたの詩情だけが激烈に燃え光る星 私の口から詩が溢れてくることはもうない 慕わずには居られなかった リリシズムが、ノスタルジィが、今、庭で焼けている やがて信じ難い裏切り 真っ青な顔をしたキリストが介抱してくれた 新宿東口はうるさく、静謐で、雑多で、神聖だった そこで三時間待ち、私は新宿えきの一部になった そこは静かに私を受け入れた 私は見知らぬあなたを探す あなたはまた遠ざかる これは比喩 ただ時が流れていることの 私が死を待ち焦がれる死体になったことの 新宿えきには私の死体が埋まっている そしてあなたは、今となっては幽霊となり、永遠に私の「そこ」にある。


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作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1101.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-10-18
コメント日時 2018-10-21
項目全期間(2025/04/21現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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叙情性00
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 エンタメ00
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閲覧指数:1101.2
2025/04/21 22時09分23秒現在
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    作品に書かれた推薦文

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コメント数(6)
まりも
(2018-10-18)

金木犀の香りと、ネット上で発散していたリリシズムの「香り」・・・匂、というべきかもしれませんが、その両者が濃厚に結び付いていて、強い印象を残す作品でした。 てがみが来る、というのも、これも待つ気持ちの比喩ということなのか・・・実際には面識がなく、一方的に憧れていたネット詩人への熱烈な讃歌と、喪失を嘆くエレジーが、ところどころに巧みな比喩を組み込みながら歌われています。 新宿駅の雑踏に飲み込まれて同化していくような感覚も、そうしなければ生きていられないような切実な体感として伝わってきました。 最後の二行、余韻や気配で示した方が良かったような気がしますが、どうでしょう。

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黒髪
(2018-10-18)

悲しい詩ですが、聖書の下敷きのように救われたい、救われる、ような気持で包まれています。 恋愛というものはきっと、平等なんてものはなく、それが人類のすれちがいを、「生んでいるのではないか」 と、少なくとも一要素ではないかという気がします。でも、すれ違いも、戦いも、仕方がなくあるもの。 それを処理するのが人類です。心をどう扱うか、ということに、うまくなりたいと思わされました。 新宿は、暗闇のイメージしか僕にはありません。詩全体は、面白い書き方が生きているように思いました。

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鬱海
(2018-10-19)

まりもさま 丁寧なコメントをいつもありがとうございます。 私としてはお互いに交流のあったうちの片割れがいなくなってしまったことへのエレジーをうたったつもりでしたが、うまく伝わらなかったみたいです。 最後の二行は余韻や気配で残すというのがハッとさせられました。元は小説のつもりで書いたのを詩に直して、落ちだけそのままにしておいたので...。やっぱり詩は難しいですね。コメントをありがとうございました。

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鬱海
(2018-10-19)

黒髪さま 私としては恋愛を描いたつもりではありませんでしたが、もしかすると執着と愛はある意味で似ているのかもしれませんね。新たな視点が開かれていくようなコメントをありがとうございました。

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かるべまさひろ
(2018-10-20)

最近、「友達は入れ替わり」生きていることを考え悩むことが多いです。 だから、この作品にある人への思いの名残というか残滓というか、そういうものは切なくなりながら、読ませていただきました。おもしろかったです。

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鬱海
(2018-10-21)

かるべまさひろさま テーマにしたかったことを読み取って頂けてとてもうれしかったです。入れ替わって行く友達とその入れ替わりの中に落っこちてしまった戻らない友達...友情ってなんなのでしょう。日々そういうことを思っています。コメントをありがとうございました。

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