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めでたしの始まり
さようなら、ハニートーストよ (たぶん、一目惚れというやつだ (そう (文字通り、あなたの目が素敵だったから (わたしは (結婚したの 叱って欲しい ぐちゃぐちゃに 私が壊れるまで ぐちゃ、ぐちゃに そしたら また結婚しよう 春のススキが ぽつぽつと 数えきれないほどの 雨粒に濡れて 街灯のほころびを 散らしてゆく 茶色の髪色と 優しい目の輪郭だけが 浮かび上がる夜に 別のきみを想う (つまり、見飽きた黒髪とキツネ目のことだ 翌日 羽虫に覆われた 池のほとりで 浮かび上がった再会を 帽子の縁に滑らせて ありがとう、杏仁豆腐よ (暑がりなあなたが (冷房をつけたがるから (部屋の戸を閉じて (今日は終わりました (目を見なくても (わかっているからね ありがとう ありがとう、本当にありがとう ささくれだった指先よ、ありがとう、もういらないから さようなら、ハニートーストよ 「そろそろ、お開きの時間です」 (人は誰しもが目を求めている、それが人の愛を満たすから、一目惚れをして、目があるから、目に惚れて、愛でる、滅すれば、すなわち、目を思い出す、そして、ハニートーストに乗った生クリームがほどよく甘く見える、もう十分だ、ありがとう、さようなら) 「お前は 結婚相談所で知り合った 四歳サバよんだ人と結婚しろよ その人が 他の人から結婚してくださいって言われたことを 何でお前に相談したのか 相手の気持ちを考えてみろよ 俺に聞かなくてもわかるだろ (お前の目はいつでも反抗的だ)」 ありがとう、ストロベリーフィールズよ その上に生クリームを乗せて メロトロンの音に誘われて 君を思い出す夜を迎えるよ その髪色を確認するために 僕の目があるんだ さようなら ハニートーストよ これからは シナモンシュガーを少しずつ添えて下さい ありがとね、 本当にありがとね、はるかなる杏仁豆腐 (あの歌声が、いつまでも、きっと、いつまでも耳から離れない)
めでたしの始まり ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1031.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-24
コメント日時 2017-05-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
人が人を好きになる理由なんて、少なくとも他人から見たら取るに足らない、どうでもいい、くだらないものなのでしょう。人は太陽が黄色いという理由だけで人を殺したり、「私を月まで連れてって!」のおヤエさんのように、ある朝突然にトッポイ求婚者の72回目のプロポーズを受け入れてしまったりする不可思議な生き物なのであります。 >その人が >他の人から結婚してくださいって言われたことを >何でお前に相談したのか >相手の気持ちを考えてみろよ この一節を読んだ時、私は高校1年生の時に同級生の女の子から「あのね、私、2年の先輩から『付き合ってくれ』って言われたの……どう思う?」と言われた時のことを鮮烈に思い出したのでした。ええ、もちろん速攻で「そんなの断れよ」と言いましたよ。私の人生において、おそらくベスト3に入るナイスな決断でありました。そうです、歳なんて関係ないんです。むしろ結婚相談所で知り合った彼女がそんなことを言ったなら、言われた男はその意味を重く受け止めるべきでしょう。 この詩における「甘さ」や「髪や目の色」といった要素を理解できるものは幸いである。そういう意味でちょっと不親切な詩ではありますが、別にそんなことを知らなくてもこの切なさは分かっていただけるはず。ああ、ストロベリーフィールズよ永遠に。
0もとこさん 人が人を好きになるのは、「好きになった」という結果が先にあり、その理由は後付けになるものだと思います。この当たり前で見過ごされることが、意外と大事で、その人をその人らしくしているものなんだと。 もとこさんの過去を掘り起こすことができて幸いです。 不明点はある意味ジャーゴンとなって、文脈の不提示という作者の暴力でもありますが、それでも、それを承知で書かざるを得ませんでした。ありがとう、ペニーレイン。
0マイハニー、と呼ぶところを、あえて「ハニートースト」と呼び変えている、ことによって、奇妙な錯視が現れて来る・・・食べる、という生の行為も、性のエクスタシーも、何度「満たされた」と思っても、またすぐに空虚に、渇望に苛まれる。食べ慣れることによって飽きて来る心理、見慣れることによって飽きて来る心理。 「茶色の髪色と 優しい目の輪郭だけが 浮かび上がる夜に 別のきみを想う (つまり、見飽きた黒髪とキツネ目のことだ」 ここは辛辣さと不気味さとを兼ね備えた部分だと思いました。 四歳サバをよんだ人、と、生クリームで飾り立てたハニートーストとは、重なっているのでしょうか? 生クリームの持つ質感と甘さ、シナモンシュガーの持つ渋さや爽やかさ、懐かしさを孕んだ甘さ、このあたりの比喩がユーモラスだと思いながら、杏仁豆腐がもう一人(?)出て来て、その関係性が読み取れませんでした。 「目」が印象的に繰り返されるのですが、全体がもやもやとした空間の中に放置されているようにも感じます。ハニートーストの生クリーム添えとシナモンシュガー添えの微妙な差異(という比喩)に徹しても良かったのではないか。杏仁豆腐の位置取りが、腑に落ちない作品でした。
0まりもさん モチーフが幾層か重なっているので、平易な言葉ではありますが、読者を惑わすことがあるかもしれません…。 ハニートーストにしても、杏仁豆腐にしても、比喩でもなんでもなく、ただそこにある物体であって、むしろ、まりもさんによってその味付けがされたという点で、まりもという香辛料をかけていただきありがとうございます。 杏仁豆腐はちょっと安易だったと思いますが、文字通りの杏仁豆腐に感謝をしています。お酒飲みすぎた後の杏仁豆腐は優しいです。
0なんとなく、なのですが、本作「めでたしの始まり」は、ある、特定の女子には受けるのかもしれないと、そう思えたのですが。正直に申し上げまして、二読しましても、なにか、しっくりこない。が、しかし、なにかが引っかかって。ある、特定の部類の人が読解できる作品なんじゃないかなと。 わたしのTwitter関係には、ネトストしている女子が多くいるのですが、彼女たちの視線なんです。()内の内容が。彼女たちが普段、つぶやく内容は、ありがとうとさようならの繰り返し。僕は、そういったツィートが大好きなんです。あっ、また、こーやって自分語りをコメント書くから、ネット詩の硬派な方々に嫌われちゃうんだよなあ。なかたつさん、投稿ありがとうございます。エモーショナルな本作だと思いました。
0三浦果実さん 気づいた時にコメント返し。 独自の目線での切り口は参考になりましたし、根拠はないですが、何となくそんな気がします。 多分、僕の作品は受ける人には受けるけれど、受けない人には全く受けない、読者を選ぶ作品かもしれません。 言葉は表面上の物でしかなく、その奥底を掘りたいと思わせる、そんなんがいいと思ってます。 僕は硬派すぎる、真面目すぎるので、三浦さんのような存在も必要だと思います。
0正直に言うと訳わからん感じです笑 意味を下手くそに勘ぐるとこけちゃうのかなぁとレスを読んで思いました。多分めでたい事なのになんでさようなら、みたいな所から始まっているのかな、とか、そこらへんの感情の機微が多分僕の中で真っ二つに分かれていて、最初読んだときは元カノの結婚式に呼ばれてんのかなとか、適当にそんな事思ったり、結婚したから今までの関係から一歩飛び出してちょっとだけ関係が変わるからさようならなのかな、とか、どっちかなぁ、とか思ってる内に杏仁豆腐が飛び出してきて、うーんという感じでしょうか。(杏仁豆腐がとにかく強烈すぎますね…大分引っ張られた感じがあります。) >(人は誰しもが目を求めている、それが人の愛を満たすから、一目惚れをして、目があるから、目に惚れて、愛でる、滅すれば、すなわち、目を思い出す、そして、ハニートーストに乗った生クリームがほどよく甘く見える、もう十分だ、ありがとう、さようなら) ここらへんの(もう十分だ、ありがとう、さようなら)あたりが少し不穏に感じちゃうんですけどね、ちょっとテキストから離れて読みすぎかもしれない。 >茶色の髪色と >優しい目の輪郭だけが >浮かび上がる夜に >別のきみを想う >(つまり、見飽きた黒髪とキツネ目のことだ > >ありがとう、ストロベリーフィールズよ >その上に生クリームを乗せて >メロトロンの音に誘われて >君を思い出す夜を迎えるよ >その髪色を確認するために >僕の目があるんだ ここら辺とか、もう少し整理しながら読んでみたい箇所もいくつかあるのですが、ちょっと散らばり過ぎてる感じもしなくないかなと思いつつ今度よかったらお話聞かせてください。
0百均ちゃん 多分、僕の詩って、読者を選ぶんですかね、難しい言葉も難しい概念も使わないようにしてはいるのですが…。 というのも、なぜ読者がとらえきれないのか、自分なりには何となくわかったのですが、的外れな気もするので、沈黙を。 本当に書いてあるとおりで、何となく哀愁的なものを感じていただければそれだけで幸いです。 あくまでも客観的になったうえでならば、いつでも自作を語ります。
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