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隣町の雨
隣町に雨が降りだして 紅い傘 碧い傘 黄色い傘 居並ぶ道路信号とともに 色とりどりに 世界を彩る いざ振り返ると いつか歩んだ道は遥か遠く もはや戻ることができない それはあの日の自由を呼び起こす 美しきものがそれを否定するように 悪しきものはそれを否定する 許されざる穢れた世界に 怨念、邪念は封印されてしまう 鳥達はどこへ舞い降りるのだろう この広い世界の中で 居場所を見つけられず 迷い子になっていやしないか 余計な心配をして 急に心持が悪くなった人間たち あの日の自由が眩しかったから より一層、 今日の喪失感が身に沁みる 隣町の雨が止んで せっかく色づいた町が パラパラと透明に戻る その瞬間を捉えた鳥達は この町の居心地をどう感じたのだろう 一羽の鳶がひらりと宙返りして 遠くに聳え立つ山々に向かっていった
隣町の雨 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 993.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-24
コメント日時 2018-09-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
色あざやかな傘に溢れる街を映しながら、ふと過去を振り返って歩んできた道のりを思う瞬間、あるなぁ、とかんじます。そのためか赤、碧、黄の傘は詩の主体より子どもたちか若い人たちを思い浮かべました。 少し三連目の大仰な言葉使いが、他の連から浮き出して気にかかりました。後、美と悪の関係とか。読解せねば。 四連目の鳥のくだりが良いですね。 はじめまして、ではないので長々と書いてしまいました。小杉さんの詩の半ばファンですので、次回からも楽しみです。なので、一度あげます。
0帆場さん、はじまして笑 ありがとうございます! 既筆かつ「詩らしきもの」を推敲・改稿せず、そのまま投稿してしまいました。 三連目はないですね、ここで破綻笑 失礼いたしました。 もっと手厳しいコメントをお待ちしています! なお、私は帆場さんファンです^ ^
0小杉匠様 私初めての感想コメントなので、お手柔らかにお願いします!笑 まず、選んでいる言葉が綺麗でした! そして何より最後の聳え立つ山々へ向かう鳥…一羽ですよね。誰しもがそうであるように、一羽。船は一隻ですね… かなり良かったです。 ちなみに私のような力不足な者のコメントですので、気休め程度に。笑
0せいろん様 コメントありがとうございます! 書き方は相応に修行しましたが、言葉はもともと持ち合わせたもの。 そこを「綺麗」と言っていただき、とても嬉しいです。 初めてのコメントが私の詩、恐縮です。ありがとうございます。
0詩文としての完成度が高いと思う。外界を描写しながら自己を暗喩として表し更に世界観を読者へみせる。それは詩文の定義を真理を探究する言語だとすれば、本作の詩としての在りようの完成度は高い。しかし私には傑作には思えない。完成度が高くなればなるほどに詩は、その探究する真理が肉薄するかどうかの手触りを確かめさせる。受け取り手の読者に。それは私の感性がダメだとも言える。私には2連目と3連目の「自由」についての言及にリアリティを感じることが出来ない。一羽の鳶の様が「自由」の暗喩として最終連で描かれているけれども、その最終連になっている構成がドラマ化され過ぎていて語り手でなく、作者の意図として伝わってきてしまう。作者の意図、思念が表れていることは詩にとって害ではない。寧ろ、作者の情念が伝わってくるものを私は好みます。詩文から私が作者の情念を受け取る時の多くの場合、そこに作者が営んでいる日常の習慣を感じる時であり、そういった詩文の多くは一筆書きに近い、人それぞれの癖のような乱れを詩文にみた時にある。本作は完成された作品であって、私の評は偏頗なものかもしれませんが、読んで良かったです。初投稿ありがとうございます。次回作を楽しみにお待ちしております。
0訂正します。3連目→6連目です。失礼しました。
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