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ラスト・アイス
電子レンジで温めすぎた べたつく風が銀河を追いかけまわして 湿気にとらわれている私たち 肺に吸い付く ねばついた熱にうなだれていた 払っても払っても追いかけてくる 小バエに似た 整髪スプレーのけむりは 錆びた声を執拗に痛みつけて 汗くさくてしょっぱい青春の影にいざなう のに 汚れを落としきった背中に汗が伝うと 鳥肌響いて 執拗なくらい秋への移ろい 突然素っ気なくなった風 失望すると 天国と地獄がまぶたをつついて 言い訳が鳴り止まない ので 噓くさい強がりもラスト・アイス 溶けないうちに神様に投げた 走馬灯輝いている ぼうとくてきな夜 誰も気づかない星の名前をなぞって可愛がりたかった 宇宙人と知って あなたを支配してみたかった
ラスト・アイス ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1198.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-02
コメント日時 2018-09-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ミクロの世界とマクロの世界がうまく調和しているなと感じました。 夏のさなかにいるときはウザったい夏も、過ぎたらどこか寂しくなる。そういう感じが伝わってきますね。
0柿原さんの「ミクロの世界とマクロの世界がうまく調和している」のコメントで、あぁまさに僕もそう思いました。 後半の方で、ラストとか走馬灯とかで、リアルに熱中症で死にそうな老人の思いへ馳せました。
0柿原凛さん、コメントありがとうございます!銀河のような自分の想像のつかない大きなものに惹かれるけれど、現実として目の前にあるのは見えないけれどミクロの世界ですよね。現実的でもあり空想的でもあるのかもしれません。 かるべまさひろさん、コメントありがとうございます!このコメントを見て嫌になる暑さに閉じ込められて死んでいった人たちは最後に何を思うのか気になりました。走馬灯もメラメラと燃えていそう。死んでしまったら骨だけにするためにもう一度燃やされてしまうのだから何だか可哀想だなあ。
0拝見しました。 夏野さんの作品は個人的にはレベルが高いといいますか、自分の力量ではその真意にはたどり着けないだろうというインパクトを与えてくるような印象があります。無論今回も例に漏れず難解な印象ですが、難解だからこそ味があり夏野さんの作品独特の雰囲気を出せているのだと分析いたします。 さて内容に入らせて頂きます。冒頭から面白いですよね。「電子レンジで温めすぎた」「風」が「銀河」を追いかけまわすという状況が早くも独特です。銀河が追いかけまわされるという謎な現象一つで、私の心は奪われてしまいました。 前半が夏だとすると、季節変わって秋になります。注目すべきは「突然素っ気なくなった風」で季節の移ろいを表現している部分です。風一つで季節を表現してしまうところが巧みであります。 続いて、「 あなたを支配してみたかった」とありますが、あなたをわたしは「宇宙人」と表現しています。それも{あなたが宇宙人だとわかってから、あなたを支配したかった}というように書かれてありなにか尋常でない状況が思い浮かびますが、具体的に何を指しているかははっきりされないまま詩が終わります。どことなく不穏な空気が流れていますが、さらりと読んだだけではそれはわからないのですね。その不穏な空気をさらりと詩の言葉に乗せる技術、これが夏野さんの真骨頂だと感じました。
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