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息を継ぐ ※
胸をしめつける日の出が 今日も世界をぬらしていく 思いがけぬ言葉に跳ね返されて 一枚一枚 記憶をさかのぼりながら 指先の感覚だけをたよりに たぐっていく くらい みなそこの石を うらがえし うらがえし 水流にまきあがる砂 さらさらと舞い散るむこうに 父とならんで 球根を埋めている幼い背中 手をひかれて 鴨たちの泳ぎよる岸辺を歩いた 水面のきらめきが 目の中にいっぱいになって 静まると誰もいない 心だけがぬれていて しめったページを もう それ以上 めくることができない 彼岸花の群落 霧の中に浮かんでは消えて 今いる場所がわからない 戻る道は細くかそけく 息を継ぐイルカのように 波のうねりのすきまを探して 光にふれる一瞬 「ほんとうに、それでいいのか」 身の内で鈴が ゆれる ※B-REVIEW杯不参加 B-REVIEW TEN 参加作品
息を継ぐ ※ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 969.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-08-30
コメント日時 2018-09-04
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
シンプルなのですが、読めてしまいました。 海、ではないのですが、海で上下を失ってしまったような、感覚を思い出させられました。
0かるべまさひろさん 時空の水場・・・のようなイメージがあって、うまく言い表すことが出来ずにいるのですが、海をイメージしてくださった、とのこと、ありがとうございました。 鈴木 海飛さん 「 」の中に収めた言葉は、後から足したものでした。三名の中まで小さな同人誌をやっているのですが、その仲間たちと”読み合わせ”を行った際、冒頭に〈思いがけぬ言葉〉とあるのに、いつのまにかそれが消えてしまうのはどうか、という意見が出て、最後に心の中に響いている声を挿入したのでした。 題名も、当初は「息をする」だったのですが、息継ぎの方がよいだろう、ということで、そちらに変えました。合評の効果ですね。 父の声、と読み取って頂いても、内在化された父の声、あるいは、様々な人や物を通じて、声ではなく伝わって来る声、として読んで頂いても、その他の読み取り方をして頂いても・・・どうぞ、ご自由に楽しんで下さい。
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