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指でなぞった憂鬱
夕暮れもない灰色、薄い夜だね その時が来ないと動き出さない、 どんな時だって一緒 気配だけ感じて、 知らんぷりはいいこと だって、 いまを息してるってことでしょ ガラスの自動ドアがカンと鳴って閉じる 空気を吸って、吐いて わたし達の酸素はわたし達が増えても、減らない、増えない いま、空気は灰色 そのうち空気の色が変わる それは光の色が変わってるからだって、 誰が言ったの 肺とか血とかに消えてって わたし、光ってないじゃない 湿気た夏、残暑、 どちらかと言えば、 秋が灰色だね だから、 秋雨はさみしい感じがするから紅葉があるんだね わたしはあいも変わらず無色、 それを透明として灰色の連続(呼吸)が体内で巡るから中途半端なグレーです。 夜になりかけ、昼には戻れない ガラスの奥で雨が落ちる 時が動く 次の瞬間を知った瞬間 そうね、 いまを息してたってことでしょ 氷が溶けて薄まったアイスコーヒーはアイスコーヒー色、 さみしいのに、 ちっとも灰色じゃないじゃない
指でなぞった憂鬱 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 930.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-08-28
コメント日時 2018-09-04
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
灰色、が、灰色に感じられるときに読めたらとても灰色になりそうです。
0物憂さ、その「気分」を軽やかな口調でとらえているところに魅力を感じました。 ぬるくなったアイスコーヒー、手を付けられずに残されたグラス。 喫茶店で別れ話をした恋人が、黙って立ち去った後、〈ガラスの自動ドアがカンと鳴って閉じる〉のを聴きながら、必死に息を吸って、吐いて、その時をやり過ごそうとする語り手・・・を連想しつつ・・・ そこまで「物語」を読むのは、かなり恣意的な勝手な解釈だろうなとも思ったのですが(そこまでの、切実な感じ、は迫ってこないですし)そんな「物語」を読み込んでみたくなるような、余白が生きた作品だと思いました。
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