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ソポクレス『オイディプス王』 ※
~ストラヴィンスキーによる舞台作品から 慕い求める父と母から、密かに命を絶たれようとした赤子に押された烙印。 「父を殺し、母と結ばれるであろう」との預言は、逃れようとするほどに陥ちていく 運命の罠としてオイディプスを待ち受けている。 すべてが明らかになったとき、妻(であり母)は自害、自らは両眼をついて盲目となる。 * ストラヴィンスキー作品は語りの白石加世子の巫女性が、預言的なイメージを付与し、 小澤征爾の指揮になる濃厚で日本的なギリシア悲劇を創り上げている。 音楽を伝えることを優先するオペラにおいて、演技者の動きは少ない。 その制約の中で、頭上の巨大仮面と巨大な手の表情が、抜群の演出効果を見せている。 妻であり母の自害のクライマックスに至るまで、両手の配置や角度は繊細な心象表現に徹している。 * 盲目になったオイディプスの、衣類のすべてが見えない手によって一瞬に剥ぎ取られ、 生まれ落ちたばかりの赤児が、血涙を滴らせながら泥濘をさまよう。 二つの眼、あるいは魂の眼で遠くまで見通していた彼に 何も見えていなかった。 己自身について知らず、未来を知らない。 ひとりオイディプスのみでなく、業、宿命を負って生まれ、 苦痛とともに死にゆかねばならない人間すべてがそこにいる。 註)ソポクレス:古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人。 ※breview杯不参加作品
ソポクレス『オイディプス王』 ※ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1073.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-08-15
コメント日時 2018-08-31
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
オイディプス王、随分前に蜷川幸雄演出の公演を映像で観たように思うのですが、白石加代子の語りで観てみたいと思いました。 >己自身について知らず、未来を知らない。 >業、宿命を負って生まれ、苦痛とともに死にゆかねばならない エディプス・コンプレックスという言葉は、本当はこういう事象に対して抱く感情を指すべきだったのかもしれないなと。雑感ですが。
0コメントありがとうございます! 蜷川幸雄演出は、原作に忠実で長大でしたね。クライマックスの妻の自害が使者の口上で伝えられるだけなのが、原作どおりとは言え、演劇としてもったいないような気がしていました。ストラヴィンスキー作品はその部分を余すところなく描いていました。 アマゾンにありましたので、ご参考までに。→https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC-%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AA-%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%97%E3%82%B9%E7%8E%8B-%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9-%E5%B0%8F%E6%BE%A4%E5%BE%81%E7%88%BE/dp/B0029PY3MK 蜷川幸雄のギリシア悲劇では、「メディア」が演出も俳優も舞台(アテネ)も音楽も圧倒的だったと思いました。 オイディプスについては、短時間に凝縮したストラヴィンスキー作品の方に私的には軍配を挙げています。
0URLありがとうございます! 試聴したら買いたくなりました。貴作拝読した上で買うなら、やはりCDよりもDVDでしょうね。 音楽劇はあまり得意な方ではないのですが、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」は生で観て割と面白いと思った記憶があるので、期待できそうです。
0一連目、二連目は簡潔な前書きとして拝読。三連目、もっともっと膨らましても良かったかもしれない、と思いつつ・・・ 実際に舞台を観た感動は、なかなか言葉にはし得ないもの、なのか・・・フィオリーナさんがどう感じたのか、そこを、もっと知りたくなります。
0二条千河さん、 レスが遅れ申し訳ありません。 うれしいです! やはりdvdをお勧めしたいです。 図書館でも借りられるかと思いますが、お買いになってもご損はないかとw オイディプスを歌った歌手(フィリップ・ラングウエッジ)の陰鬱な声と表情に、個人的に非常に惹かれました。 途中赤子になって泥濘をさまようのは、歌手に代わりダンサーの田中泯です。 好きな俳優ですが、悲劇の性質上、主人公に深く感情移入したからには、最後まで同じ歌手に演じてほしかったーとおもいましたが、 二条さんはどう感じられるでしょうか? で、もし図書館でお借りになるようでしたら、蜷川幸雄の「王女メディア」も是非ご一緒に。 演出、主演の平幹二朗、音楽、美術、ギリシャのアティコス劇場すべてが圧巻でした。 長時間を一瞬も飽きさせないうえ、見終わってしばらく人間の根源的悲劇が日常に後を引くようなできばえです。 以上押しつけ満載で失礼いたしました~ まりもさん、 レスが遅れすみません。実はこれはもっと長く書いたものを殆ど要点のみにして、 ギリシア悲劇(物語)は詩?と言う問いを投げかけたつもりでしたが、 作品として投稿するときに、邪心があると書きすぎてしまったり、今回のように骨と皮ばかりになってしまいますね。 好きだといいながら、その好きがほとばしってないのでは・・。 舞台を見た感動をもういちど心ゆくまで書きたい、とおもいつつありますが、 日々うぶ声をあげているみずみずしい現代詩の場に、そんなことをやっててもなあ、とおもったり・・。
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