4F38頁、裸足の季節 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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4F38頁、裸足の季節    

硝子のカーペットを裸足で歩く 革命の声も栄光の凱歌も砕け散って 足跡が敗血症と熱病に染まる 能面の楽隊、夢見る機械 両目に注射器を刺したまま 剥がれた爪のまま 私を傍観する最期のストローク 内臓を失った六弦 鼓膜に刻まれるのは切れた三弦の刹那 Amに濡れたカーテンを機関銃が殺せば 僕らが盗んだ五線譜は無罪放免だ 匿名の感情論、忘却されし激情…… 傷だらけのレコードと白く濁った眼 穴の空いた心にはもう、 壊れたリミッターしか残っていないから 水槽に投げ込まれたスピーカーの嬌声も 白骨死体のメリーゴーラウンドも 永遠のフィードバックも夢物語で 「死んだ木」 ――4F 疲れきった現実とテラス席 38頁目で私の血染めの左手は停止した 「否認→怒り→取引→抑鬱→受容」 無感情に書き遺された死の五段階 その色は黄泉と茜に彩られ 全てを赦した時、死は神よりも慈悲深い 無音の午後、冷めきった紅茶 蒼く染まりゆく林檎畑と薬莢 メランコリーの季節に埋葬される臓器 教会にばら撒かれる濁った注射器 十字架を逆さまにした時、羊たちは沈黙するのか? 青ではなく翠緑だからと停止する敬虔な君と君の祈りを吹き飛ばす無軌道なハイエース 赤で渡る私と私の渇望ではなく彼女に救済をもたらす瞬間に太陽が陽気な笑顔を取り戻す救いようのない朗らかさと虚無を携えて ――転がる赤い靴が眩しすぎる 空白の空から降り注ぐ止血剤 わたしが私の帽子を撃ち抜く38口径 もう出血することのない糸杉 水没した三日月が照らす 呼吸困難のテトリスと淡い白波 乾ききったカーペットを、 そよ風がそっと撫でれば 裸足の季節が静かに去ってゆく


4F38頁、裸足の季節 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 930.5
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-06-10
コメント日時 2018-06-16
項目全期間(2025/04/21現在)投稿後10日間
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閲覧指数:930.5
2025/04/21 20時11分05秒現在
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    作品に書かれた推薦文

4F38頁、裸足の季節 コメントセクション

コメント数(2)
かるべまさひろ
(2018-06-11)

「否認→怒り→取引→抑鬱→受容」 がこの詩の中であるように感じました。

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渡辺八畳
(2018-06-16)

題名は良いね でも本文は主張の強い単語で飽和している感覚 結果どれも引き立たない

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