遠路、あるいは遠雷 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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遠路、あるいは遠雷    

レンズと左目の間に飛び込んだ虫がジタバタやるから右手だけで眼鏡を外して頭を振る。鼻血が出そうなくらい鼻の奥が痛い。まぶた閉じそうなくらいねむったい。遅々としてすすまぬ家路。初出勤から三日目を乗り越えた彼は自分全能説を声高に唱えた口で、一週間後にはプワァーン(通勤快速の音)てなってるかもしれないからもうだめだーってと言うから(飛び込みは)やめてーって笑いながら返す私はマジ笑えないと思ってるよマジで。 おなかすいたーって叫んでみるよ誰もいないネットの海に。腹が減るのはすばらしいことって気づきを得た私はそれをすっかり忘れてしまえるくらいには健康体に戻れるでしょうか五年後のいつか。そうでない場合も鑑みては悔いのない人の生を、送るためにあらゆる芝居を観に行くフットワークを与えたまへよかめさまおしめさまゆきちさまさま様々な形を成す演劇論にひとりスタンディングオベーションで応えたいの真夏の夜の夢の跡地で。 いつもパーカーのファスナーのスライダーがぶつかる左の手の甲はそのうちアザだらけになるんじゃないかなって思うからあえて左手で持つスマートなフォンは開かれているようでいて閉じられている私だけの世界。そうね君は君の好きなようにやればいいし私だって好きなようにやっていくから興味のないふりをしたまま横目で見ててよ大千世界のなかまたちの変化。幼い日に何度も図書館で借りたあの絵本の1ページになってみせます、私。 眠っていたい胎児の姿勢 ねむったい胎児のぬくみ 背骨の突起を数えてるやわらかい手の大きさは まだぼんやりと思い出せる 春の終わりは来ないでもそう間違ってはいないって 遠路はるばるようこそここへ 馴染みの顔で季節は巡る


遠路、あるいは遠雷 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 996.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-05-26
コメント日時 2018-05-28
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:996.0
2025/04/10 07時05分22秒現在
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    作品に書かれた推薦文

遠路、あるいは遠雷 コメントセクション

コメント数(3)
こうだたけみ
(2018-05-26)

※あの絵本=スズキコージ『大千世界のなかまたち』(福音館書店)

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かるべまさひろ
(2018-05-28)

「演劇」ということで、インディペンデントっていう一人芝居のコンペがあるんですが、すごくその辺の演劇を思い出しました。まさにひとりがたりのような、そんな詩だなと思いました。面白かったです。

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こうだたけみ
(2018-05-28)

かるべまさひろさんコメントありがとうございます。 インディペンデント、初めて聞きました。 おもしろそう! と思って通信制限のかかったiPhoneで調べてみたのですが、サイトがうまく開けない(T-T) どうやら大阪が拠点で、関東ではやってないみたいですねえ。制限解除されたらもう一回サイトを見てみますが、諸事情で遠出は当分むずかしいのでめちゃめちゃ残念です。 それでも、貴重な情報に感謝です! 書いてみるもんですねえ。 他にもおもしろい演劇情報があれば教えてくださいな。 私は詩を書くとき、時間があるならば声に出して読んで整えていきます。一応高校演劇をかじっているので、詩の朗読というよりは台詞に近い感覚かもしれません。 それをおもしろがっていただけたようで、とても光栄です。

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