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開幕エンドロール
そうじゃなくてねって二度目だ、いつも 逃げようと思って、眩しい画面をまさぐる Googleマップ開くんだけど、真っ白 描けよってそんな簡単に 言わないで そして、誰かは必要だといい、誰かは不必要だというのだろう。手を加えなくても、手を加えても、完成してくれない小夜。 ああ、ああ私はいつもどうすればよいかわからなくなる。真っ白の壁は白だけが塗り重ねられ、部屋、便所を改造した、一畳間のようで、ブルーライトの、灯りに、汚され、やわらかな、もの、など、ないと、知り、痛んで、ゆく、もの、は、何だ 役に立たなかった習い事は、空白を潰し、心臓にまで届き、無かったことになる。 終わらないまま、暖色の肌寒い光が、カーテンの隙間からゆっくりと刺し、ピストルは真っ直ぐ伸ばされ、銃口は私を向き、 よーい どんっ
開幕エンドロール ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1199.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-04-01
コメント日時 2017-04-04
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
シーンのつくり方がうまい。花緒さんのレスに僕も同意。銃口は私を向き、よーいどんっていうだけでもう絵になる。単純に、中吊り広告に銃口突きつけた横顔のモデルを飾っておいて、それをふとみた乗客の脳内にイメージとして残っていく感じがする。つまりこの詩を売り出そうと考えたときの戦略みたいなのが、僕みたいな素人にも容易に想像出来るような感じを受けました。 という意味でキャッチコピー的な瞬発力を持った作品だな。開幕エンドロール っていうタイトルをこの詩を読んだ後に見せたらやろうとしてる事のイメージは多くの人に伝わるのではないでしょうか。
0言葉の区切り方(呼吸や間合いの取り方)がとても上手いと思いました。 私だけではないと思いますが、読者が予測する切り方と異なる区切りで刺激され、その間合いや、一気に流れ出す勢いに感情を刺激される。音のない音楽のような(映画で感情を作りだす音楽のような)役割を果たす。 何を捜しているのか、何をしようとしているのか、それが明確にならないまま(具体的にならなくても全然かまわないのですが)自分の奥深くに入り込んで行った時に出会う、四方の壁が蛍光灯の冷ややかな質感を持ったライトテーブル(漫画家がトレースに使ったり、写真家がネガを確かめるのにつかう、あれ)で囲い込まれているような、ある種パニック障害を引き起こすような環境に追い込まれる(ことがあるように思う)その感覚が、うまく表現されているなあ、と思いました。 「終わらないまま、」の一行、これ、一行のままで良いのでしょうか・・・ 私だったら(あくまでも一案ですが) 終わらないまま、暖色の肌寒い光が、 カーテンの隙間から ゆっくりと 刺し、 ピストルは真っ直ぐ伸ばされ、 銃口は私を 向き、 というような感じに、するかもしれないなあ、と思いました。 もちろん、一気呵成に絞り出して、そこから「よーい どんっ」に向かっていく、ということでいいのですが・・・ ピストルが、運動会の「競争開始!」というずっこけるような「オチ」で、緊張しまくっていた気持ちが解放される、そこに眼目がある、ならば・・・(もちろん、競争に駆り立てられること自体が、また新たな白い箱に閉じ込められる、追い込まれることになる、のであれば、そうした伏線も必要かもしれませんが) 銃口が私に向けられる、という緊迫感は、もっと、このまま殺される!という緊迫感を持たせた方がよい、と思うのですね。運動会の「よーい どんっ」は、銃口は空に向いていて、「私」には向かっていない、わけだし。
0皆さんは「野獣死すべし」というハードボイルド映画を御存知だろうか。と、いつものスタイルでコメントを書こうとしましたが、銃・ピストルと云えば、D・I・Jのピストルなんじゃないかなと、その方向でいこうって思ったんですが、本作『開幕エンドロール』の始まりに「眩しい画面」とあるので、やはり、「野獣死すべし」の主人公伊達邦彦こと松田優作が、自身のこめかみに銃口を突き付けて「パチン」と引鉄を鳴らすシーンを紹介することにしました。本作『開幕エンドロール』に漂う薄暗い地下室の部屋の匂い。さあ、出掛けよう、銀行へ。自由を強奪するために。よーいどん。
0まずタイトルがカッコイイ。椎名林檎の曲のタイトルですと言われても信じてしまいそう。始まったと思ったら終わっている。というよりも、始まる前に終わっている。本文からも語り手の焦燥感が伝わってくる。 ところで「便所を改造した、一畳間」って、もしかしたらつげ義春の自伝(アンド作品)ネタだろうか? だとすれば語り手の現状への絶望感は想像を絶するものがある。ちなみに三浦氏が書いていた大藪作品の主人公なら、この焦燥感を怒りに変えて「蘇る金狼」の朝倉のように米びつに隠した拳銃を取り出し、窓の外に狙いをつけるところだ。語り手の焦燥感は、果たして怒りへ向かうのだろうか。
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