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消費期限
消費期限が切れたのに 仕出し弁当を食べるあなた 俺はしなびた葱 俺を見た小男が 手を叩いて喜んでいるよ なんだあ、ただの葱だったのか と おまえだって、ひじきじゃねえか、このちんちくりんが 右の言葉をぐっとこらえて 今日からおまえが彼女を支えてやれよな と言う俺 あなたから見れば あの小男はひじきで 俺は葱 消費期限はひと月前 噛み切れないローストビーフ 冷めたポテトフライやら 頭を垂れて、しずしずと 玄関からやってくる そんなあなたの誕生会に 二万円もつっこんで 帰路につく俺の体は 揚げ物くさい
消費期限 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1451.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-03-25
コメント日時 2017-04-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
花緒さま さっそくありがとうございます。自分にしては珍しく一筆書きで気楽に書けたもので、深みがなくて恐縮です。 こういうものがどのように映るのか知りたくて投稿させていただきました。 確かに言われてみれば、何か古臭い感じがしますね……。ありがとうございました!
0「俺はしなびた葱」という見方は、俺自身が俺に対して位置づけて始まっているのですが、「あなたから見れば/あの小男はひじきで/俺は葱」と、その見方をあなたに託しています。つまり、俺は葱として生きることを甘受しており、俺の中のあなたからそう見られたいという欲望が少しはあるように思えます。 というのも、しなびた葱もひじきもこの作品の中ではおそらく同類のものとして扱われているからです。俺は葱であることを甘受しながらも、「おまえ」のことをひじきだと馬鹿にしたい、俺とおまえとは違うんだ、ということを俺は主張しているのですが、その俺もあなたもあなたか見れば、結局同類=弁当の添え物でしかないのでしょう。 ただ、これらは、俺から見た=推測したあなたの世界観でしかありません。俺の中ではあなたが優位なのであって、俺はきっとあなたのことをまるでお姫様かのように扱いたいのだと思えます。 終わり方は面白いです。これは僕自身のことになりますが、いろいろな買い物をする時に、ついついその金額によって他の選択肢に投資をしたら何ができるのか考えてしまいます。風俗に二万円使うのだったら、そのお金で飲み会4回は行けるな、とか、ドラムの機材が買えるな、とか。この作品において、「あなたの誕生会に/二万円もつっこんで」いるわけですが、それで得られたのは、あなたの喜びでもなく、俺の満足感でもなく、「揚げ物くさ」くなった俺の体という確かな結果でしかありません。揚げ物くさくなるために、二万円も使ったのかという消失感のようなものを勝手に感じとってしまいました。 それこそ、しなびた葱にだって、ひじきにだって、ましてや、噛み切れないローストビーフや冷めたポテトフライには、誰だって二万円を使いたいとは思わないでしょう。結果としては残念だったかもしれないですが、誕生会に二万円を使わせるほどの何かしらの魅力が一時的にでも「あなた」にあったのでしょう。
0かなり前、の時代になるのか・・・婚期を逃した女性を年末のクリスマスケーキ、などと揶揄した(された)記憶が・・・。今、そんなことを言ったらメタメタにバッシングですが。 三行目で「俺は~」とネタばれするのは、少し早すぎやしないか?と思ったのですが、ここでくすっと笑わせて、後は一気に喩えの面白さで読ませる・・・ためには、やはり最初から「俺は~」と「定義」しておく必要があるのでしょう。 軽さの中にひょうひょうとした批評性もあり・・・彼女を未だに諦めていない(諦めきれない)自分のしつこさ?を油臭さになぞらえたところが面白い。彼女にとってはしなびたネギ、でも、自分はまだまだギトギトだぜ、と宣言しているようでもあり・・・。
0面白いですね。凄く面白い。やってる事は単なる擬人化なんですけど、その使い方がとても面白い。正に怪作みたいな感じで、読めば読むほど味の出てくるスープみたいな作品だと思います。そして、これは僕がTwitterを通じて知ったあれなので、申し訳ないのですが、弁当って凄いですね。手作り弁当だけじゃなくて売り物の弁当も弁当だ。スーパの売れ残り弁当にシールを張った途端買いあさっていく男たちの姿を見かける僕としては感慨深い物があります。なんとも切ない詩です。 具材のチョイスも面白い。そこから掘り下げていくのも面白い。誕生会に二万円というのもいい感じに悲しい感じです。これは面白い読者自身も例えば自分を野菜というか食べ物で喩えるとどんな感じになるのだろうかとか考えていくと面白い。つまりこの作品は皆を擬人化できてしまう面白さがあったりする。そういう意味で当事者意識をわかせる事も出来るし。そういう意味で読解もできれば話題にも出来る作品。そういう意味で、怪作かなぁと。 僕は自分の事を結構玉ねぎに喩えるのが好きでよく使っていたなぁ、という事をおもい出しました。今度がっつり読んでみたい作品。後は詩に馴染みのない人でも面白く読めそうだなぁともちょっとおもいました。皆で鑑賞したら結構楽しくなりそうです。
0なかたつさま まりもさま hyakkinnさま お読みくださり、ありがとうございます。 二万円って安いような高いような、微妙な額だなと思います。酔っぱらってると、容易に体を揚げ物臭くするためだけに使いかねません……。 そんな微妙に高額な会費を取っておきながら、こんな料理しか出ないのか、とか、社交の場における男女の非対称性とか、そういうパーティー及びパリピ界隈の虚しさみたいなものを書きたかったような気がします。
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