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ドルチェのオブジェ
皮膚の薄い表面を剥いで敏感になってから来て せっかちでおまかせで媚びないで 繋いだり選んだり丸め込んだりするのが世界で 泥棒が持っていったのはただの片道切符 そもそもモアの感情が駄々漏れの清潔を護って そのくせルーズでモアモワモワのブルーデイ 財布にはいつも紙切れ、無償の愛は使わない 未来から使われるようになった言葉なら 神経すり減らすこともないけど 傘のいらない雨でも体を蝕むから とにかく経験を増やして防御膜を厚くした イチゴウィッグを覚えている 大人でもわからないことがあって 子供でもわかってることがあって わたしはイチゴウィッグを覚えている 庇って失って、ひりついて、あの日みたいで 横殴りの雨がとても綺麗、鼓動、カルナバル 脊髄を一直線に駆け抜ける純度の高い裸足 殻って匿って、後ろ手あがいて、あの日見た夢 お花見の場所取りするのが大人じゃない 運動会の場所取りするのが大人じゃない 新作iPhoneを1番最初に買うのが大人じゃない 握手券付きCDを1,000枚買うのが大人じゃない 椅子取りゲームからサッチサッチとつぶやきながら外れるのが大人だ 股聞きのハレルヤで泣くのは惚気け話だから そのままでいいのに 未来から生きられるようになった言葉なら 丸い地球の端と端をつなげて 絆 って呼んで 貪るように聖書を読んで 下着を10分ごとに取り替えて そんで イチゴウィッグを復活させる 泥棒が持っていったのはただの片道切符 財布にはいつも紙切れ、覚悟を使わなくても ニアリーを塗り潰してイコールを膨らます 余白って溢れるフローなんだよ 敏感っていつの時代も至上の喜びなんだよ 潔白って汚れる前提のフォローなんだよ ドラゴンフルーツ味のリップを唇に塗って 少年に赤色のリプレイ あの日をやり直すことに躍起になるのが大人だ
ドルチェのオブジェ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 804.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-04-02
コメント日時 2018-04-20
項目 | 全期間(2024/10/31現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
HIP HOPを感じさせるなと思いつつ読み進めていくと最後の方で「余白って溢れるフローなんだよ」とありああ完全にHIP HOPだったのだなと(私はフロウと書きますがそれはどうでもよい)。 非常に好きな作品です。よく分からない部分は多々あるのですが、終始明るい。ハイテンション。リズムが良いからハイテンションを保って読める。最後の「あの日をやり直すことに躍起になるのが大人だ」は本当によく分かるパンチラインで、そうだよそうなんだよと言いたくなりました。作品の良さと同時に作品に流れる思想に共感できたということもこの作品が好きになった大きな理由かもしれません。どこを引用しても良いのですが、「泥棒が持っていったのはただの片道切符/財布にはいつも紙切れ、覚悟を使わなくても/ニアリーを塗り潰してイコールを膨らます」、素敵だと思いました。
0完備さん コメントありがとうございます。 先月投稿した詩にも「HIPHOP」という評価をいただいたので、ほほぅ、また来たか。と正直驚いています。 当人はまったくHIPHOPを意識していない(むしろHIPHOPは苦手で聴かないジャンル)ので、ああ、リズムとか韻を踏んだりとかするとHIPHOPになるのかなあ。と。 読む人がどう捉えるかは自由なのでオールオッケーなのですが、複数の評価となるとちょっと興味深いです。 個人的には安室奈美恵ちゃんのアルバムみたいに「HIPPOP」がいいなあ… 脱線しました。すみません。 好意的に読んでいただけて嬉しいです。わたしは詩をつくるとき「楽しむ」を第一に考えるのですが、この詩はほんとに楽しんでつくったんです。わかるわからないも面白き。イチゴウィッグ、がふと浮かんで組み込んだ、とか。 楽しみつつもどこか冷めた部分がどうしても残ってしまうのか、そこに「思想」が潜んでいるのかも知れません。パンチラインと言ってもらえてハッピーです。 いくつか引用してくださったのも、嬉しかったです。 貴重なお言葉、ありがとうございました。
0どるちぇのおぶじぇ、とあまい響きの題名から、一行目の落差と言うかパンチ感がスゴイですね。 「未来から使われるようになった言葉なら 神経すり減らすこともないけど 傘のいらない雨でも体を蝕むから」 「未来から生きられるようになった言葉なら 丸い地球の端と端をつなげて 絆 って呼んで」 茨木のり子の、汲む、という詩の中に、こんなフレーズがあります。 「失語症 なめらかでないしぐさ 子どもの悪態にさえ傷ついてしまう 頼りない生牡蠣のような感受性 それらを鍛える必要は少しもなかったのだな」 生牡蠣のような、と大真面目に言われると、思わず吹き出しそうになるのですが、 なんとなく、このフレーズと、アスカさんのこの作品の一行目、そして、(今でなく)未来からの言葉、(今、効果をもつのではなく)未来から生きられるようになった言葉、の部分が、通じ合っているような気がしました。 今じゃなくて、未来に受け取りたかった言葉、を、今、喰らってしまったら。などなど。 防御膜を、厚くするほか、ないのか。いや、響きとユーモアでぶっ飛ばして行けば、 なんだよ、生牡蠣みたいに、ぐにゃぐにゃしていて、なんとまあ、頼りない、 それでも、まあ、これでいいのさ、これで・・・的な、ヨユウを持つことができそうだな、と思いました。
0まりもさん こんにちは。 コメントありがとうございます。 茨木のり子さんの詩を引用していただけて恐縮です… この詩をつくった時、とにかく楽しかったのです。 配置している言葉にたいした役割も持たせず、ただ自由に動かすことだけを考えて。 だけどまりもさんの仰るような「これでいいのさ」という余裕が、つくっている過程で発生したのかも知れません。でなければ「イチゴウィッグ」なんて言葉を使ったりしないと思います。 まりもさんがこの詩から感じてくださったこれらのことに、感謝します。 ありがとうございました!
0水を得た魚の様に言葉が流動に乗っていて良いですね 朗読を意識した詩はこんなに生き生きするんですね 私みたいに朗読出来ないし、考えのない人間は 静止画だけど動いてるような物を出すが精一杯 最初から動いてる動画の詩には敵わないでござんす。 いつだか乱入した時のかすれ声で聴きたいですね
0貴音さん こんにちは コメントありがとうございます 「動画の詩」と表現してもらう時が来るなんて…! とても嬉しいです 声に出した時に初めて、意味や理由が生まれるような詩をつくることを意識している部分があるので、どのような読まれ方でもわたしにとって大きな収穫です わたしは、貴音さんの詩も動いていると感じています 動いてしまう、と言いますか… これはリーディングしたい詩のひとつです ありがとうございました
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