別枠表示
ブラックホールでさよなら
何時からか脳内は夏の道端に落下したアイスになって甘い回想を漂わせた罪悪感をもたらした。繰り返したスキップ、思い出せないメロディー。嘘にまみれたまま協会で神様に許された人は微笑む。自分は勝っていると繰り返した女はわめいた。 ユミ、君を知っていたよいつか。 欲に妨げられていつからか視界はぼやけてしまったね。眠りそうに空気を揺らす夕陽もゴミの混じったコンタクトじゃ痛いよ。チクチク刺さないで誰にも見せない柔らかいところ。あくび積み重ねたクリームパイに乗っかって、永遠と呼吸を見つめていられればそれでよかったはずなのに。外さなければいけないなんて知らなかったからもう乾いてくっついてしまった。でももうそれにも慣れたから無理やり外したら何も見えなくなってしまうだろうな。きっとそのうち目の中に埋まって、身体から取れなくなってしまうよ。 ユミ、君は知っていたかな、いつか。 天の川が崩れそうな空を見上げていたこと。瞳は宇宙に透けて流れ星をこぼしていたこと。 どうせもぐらの目に地球の欠片を詰めて、真空に埋めてしまうんだろう。火星の中に埋まっている湖も蒸発してしまって、乾き。満たされることのない跳ね回る欲望、血の川を巡り巡って大きなうめき声をあげ脳を押しつぶした。血の波だ、涙! それならブラックホールに吸い込まれて何処までもさよなら、何万光年のさよなら。
ブラックホールでさよなら ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 909.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-03-20
コメント日時 2018-03-28
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
貴音です。こんばんわ。 初見の感想は花緒さまと同じでエモさを感じます。 音楽だとピロウズやスピッツが直感で浮かびました。 多分、詩に合ってないんでしょうけどこんなの The Pillows - Nowhere https://www.youtube.com/watch?v=TGLCuMGNupY ブラックホールって吸い込まれたら出てこれないって聞きます 光年ですら遠いのに、何万光年… それにさよならって明確な対義語がないんです。 だから覆らないんですよ 本当にさよならなんだな…って思いました。 んでね、突然なんだげどしゃぁ 今月の私の詩は夏野ほたるさんが隠れテーマなんだっちゃ。 とは言っても、一個露骨な奴があんだげどね。 んだがらしゃ、気が向いだら見でげろ。 ほたるさんが居ながったら、この詩出来ながったんだっちゃ。
0すごく感情的、つまるところ前のコメントでいうところのエモい、詩だと思いました。感情がストレートに伝わってくるところが私はすごく好きです!
0花緒さん、こんにちは!コメントありがとうございます。 しょうがないと思います、人それぞれ惹かれる部分は違いますもんね。そもそも私の詩が下手なのも受け入れづらい理由の一つだと思います。笑
0カオティクルConverge!!貴音さん♪、こんにちは!コメントいつもありがとうございます。 貴音さんはいつも素敵な音楽を教えてくれますね。沈み続けて深海魚のように潰れていたいと私も思うし、何もかも忘れて宇宙の1部になれたら幸せだろうなあ。 スピッツに五千光年の夢という曲があるのですが、貴音さんは知ってるかな?五千光年というの夢をみたいと果てしない目標を掲げていながら、後ろ向きのままでなのが少しネガティブで可愛いんです。その曲がテーマな訳では無いですけどね。 そうそう、さよならって投げやりで少し冷たいですよね。だからこそ永遠に会えない時使いたくなります。 今読んだのですが、突然私の名前がそのまま出てきたのでビックリしました。笑 でも貴音さんが一瞬でも私を脳に浮かべた時間があるのが嬉しいですよ!今度またじっくり読んでコメントしますね。
0さしみさん初めまして、こんにちは!コメントありがとうございます。 この詩を書いた時は怒りと哀しみが混じってモヤモヤしていたので、感情的になったのかもしれません。好きと言っていただけて凄く嬉しいです。
0「脳内は夏の道端に落下したアイス」ここがとてもいいな、と思ったのですが、続く「甘い回想を漂わせた罪悪感」ここで、いいなと思った感触を説明されてしまった感があって、もったいないような気がしました。「嘘にまみれたまま協会で」ここは、教会、でしょうか・・・。 「ゴミの混じったコンタクトじゃ痛い」ここから、「あくび積み重ねたクリームパイに乗っかって」この、甘ったるいような不安定感、そして「外さなければいけないなんて知らなかったから」ロジックとしてはつながるけれども、実際に外す、ものはなんだろう・・・ゴミの混じったコンタクト、これは世間を見るために無理やり目玉にあてがった、なにかフィルターのようなものを連想しました。 「瞳は宇宙に透けて流れ星をこぼしていたこと」こういう、とてもきれいで透き通ったような・・・フレーズ、使い過ぎると感傷的になりすぎたり、甘くなりすぎたりもするのですが、一行だけで入って来ると、そこだけ、清涼感のある小休止のような感覚にもなりますね。 「もぐらの目に地球の欠片を詰めて、真空に埋めてしまう」ここも、見ようとすると目が痛いような、ゴミ入りのコンタクトを嵌めなくてはいけない、外すと何も見えない、という世界観に通じるものがありますね。 「火星の中に埋まっている湖も蒸発」「血の川を巡り巡って大きなうめき声をあげ脳を押しつぶした」この、破天荒な比喩でありながら、リアリティーのある追い込みの後に、「何万光年のさよなら」という、きれいなまとめ、というのか・・・「流れ星をこぼしていたこと」にも似た、宇宙的な煌めき感のある、夏野さんにとっての安心ワード、定型句というのか・・・安心できる和音に落ち着いている、というような感覚があって、それはそれで、座り心地が安定していていいのですが・・・この作品の場合は、脳を押しつぶす、くらいのぶっ飛んだリアリティー、で言い切ってしまった方がよかったような気もします・・・。
0