人類は愚かだ、そしてかわいい。 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

人類は愚かだ、そしてかわいい。    

あの子はどこを切っても女の子で、小さなキラキラを大事にしていた。キラキラが何か私にはわからなかったし、あの子も知る由もなく、アイスコーヒーに二個ガムシロップを入れていた。今日も人類は愚かだ、そしてかわいい。ないものねだりをしないというないものねだり。もう戻れない。蛙化したシナプス。命を落とす危険性はみなに平等で、綱渡りばかり得意になっていく。愛情の排泄行為。掃いて捨てるほどに呪いはハイテクノロジー。何にでも神様とあの子は呼んだ。ありがとうの代わりなんだって。あの子がいなくなって、私にはあの子の代わりになれないと知った……という設定の想像を何度となく繰り返して、私にはあの子の代わりになれないと知る。満ちる。未知のもので満ちる。未来永劫満ちている未来。人類は愚かだ、そしてかわいい。乾いたビート板に濡れた髪から滴る水が点々と模様を作る。水泳の授業を休んだ日のことを思い出している。あの子と出会う前の話なのに。今思い返してもそばにいる気がしている。泣かないでって言ってあの子は泣いて、空ばかり青く透き通る。帰りに久しぶりに買ったタバコ。もう吸えなくなっていた。喧嘩別れした恋人の家に置いていった本、二度と読めなくなっちゃった。あの子の言う神様に会いたくなるなんて人類は愚かだ、そしてかわいい。



ログインしてコメントを書く
ログイン







新規ユーザー登録はこちら

パスワードを忘れた方はこちら

人類は愚かだ、そしてかわいい。 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 448.2
お気に入り数: 0
投票数   : 2
ポイント数 : 0

作成日時 2025-04-06
コメント日時 2025-04-13
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/14現在)
叙情性0
前衛性0
可読性0
エンタメ0
技巧0
音韻0
構成0
総合ポイント0
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:448.2
2025/04/14 08時29分48秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

人類は愚かだ、そしてかわいい。 コメントセクション

コメント数(5)
レモン
レモン
作品へ
(2025-04-06)

そうですね… 「あの子」を、どう受け取るかだと思います。 中盤までの「あの子」は生きているのですが、終盤の「あの子」は死んでいる印象です。 タイミング良く挟まれる >人類は愚かだ、そしてかわいい。 走り書きの前作から肉付けされて、 このことば自体が深く響きます。 慈しみと共に、悲喜交々を感じます。 ご自分に言ってるようでありながら、 それこそ「人類」への「赦し」。 「かわいい。」で、おおらかさがあります。 短時間でこの詩を書かれたのであれば見事です。 良い詩だと思います。 ありがとうございます。

1
尾崎ちょこれーと
尾崎ちょこれーと
作品へ
(2025-04-06)

これ、すきです。可愛いくて。

1
筆者
尾崎ちょこれーとさんへ
(2025-04-08)

ありがとう。かわいいね。

0
筆者
レモンさんへ
(2025-04-12)

レモンさん、ありがとう。 1作目からつなげて読んでもらえてうれしい。 あの子はどこかの誰かかもしれないし、どこの誰でもないかもしれない。

1
田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2025-04-13)

あの子はわたし?

0
ログインしてコメントを書く
ログイン







新規ユーザー登録はこちら

パスワードを忘れた方はこちら

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン
推薦文を書く

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2