冬の夢 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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冬の夢    

 雪は  しんしんと降り注ぐのか  ふわふわと落ちていくのか  ぼたぼたと沈んでいくのか  ウンディーネは脳を水に沈めた    冷えた歌が私を起こす  靡かないカーテンを開けて  寝起きのお日様におはようを言う 昨日空を知ったばかりの鳥が返事をした  重たい足を外に追いやって身体を震わす  白妙のキャンバスに  どんな足跡を描こうかと悩む  はじめの一歩を沈めて  足先からじわりと温もりが広がる  私の足を止める者はいない  雪は私を捕まえる  どこにも行ってしまわぬように  後悔と栄光の足跡で  雪は歓びで溶けていく  ずっしりとしていた雪は  茶色い水になっていた  ウンディーネは声を植えた  シクラメンははにかみ  私の血液を沸騰させた    雪は  しんしんと降り注ぐ  誰のなきごえか  誰の哀しみか  冷気は私の血液を固める  フルートやクラリネットは  鋭く澄んだ音を響かせる  靴に雪が入り込み  無色のむわぁとしたあたたかさが染み込む  なんだかきもちわるい感じ  ウンディーネと手を絡め  水のように柔らかな笑みが  私の気持ちを穏やかにする  雪の濡れた感触が私を叩く  今日、哀しみを想わない人はいない  漠然とした冷酷さが鎖となり首を絞める  ウンディーネの歌を止める者はいない  オルゴールのようなネジはなかった  あるのはただ希望だけ  楽器の音は私を刺す  私の眼は水源に変わり  髪を掻き乱す手は凍っていた  雪で足を濡らすのは心踊る  雪の針の痛さだけが私を狂気へと変える  エリカ、エリカ、  私は孤独なのですか  雪は憐れみなど、、    雪は  ふわふわと落ちる  柔らかい雪は人形の命であった  縫い留めていた赤い糸は  寒さでぷつりと途切れる  雪は亡霊となり  抜け殻は浮き落ちる  それは穴にゆっくりと沈んでいってしまう  穴の先は巨人のような小人のような闇が続く  落ちているのか浮遊しているのか  目を閉じてしまえば夢の中  雪の軽さは心臓を止める  冷え込んだ空気を鯨飲して  メトロノームを凍らせた  ふわふわと漂う身体はまだ闇の中  ウンディーネを探さかなくては、  雪の中でクロールをするように  溺れながら  体をばたつかせる  歌声は聞こえない  雪は隠しごとが得意な生物  雪は私を不安にはさせない  安堵させるわけでもない  ただ私に生と死を与える  無責任に押し付けるように  母よ、母よ、  雪の波は私をも呑み込んでしまうようです  雪は、空気は、音は、  こんなにも無色なのかと  棺の中で眠る心のブローチを  鼓動の波紋の真ん中につける  ウンディーネの楽譜は  私と言う存在を冷たく奏でていた    雪は  ぼたぼたと沈む  シクラメンもウンディーネも  世界まるごと窒息してしまう  起き上がる力はない  雪は私を無視する  おはようもおやすみも  すぐに溶けて知らんふり  雪の芽がシクラメンを咲かせる  それは細胞までも絡んで縊る  エリカの花は  私の手に絡むことはない  澄んだ音が貫く  ウンディーネがくれた真珠のネックレス  椅子の上で首に巻く  鏡には荒蕪地の私  冷光は瞳に反射して  真珠はばらばらに破れた  私は雪の玩具さながら  ウンディーネの指揮棒の如く  息を荒げていた    太陽はおはようと笑う  鳥の羽は風を奏でる  呼吸と合わせてドアを引く  はじめの一歩  悩んだ足跡  雪が降るこの日は  どんな毎日よりも  空が広く長く大きくなる  ウンディーネの歌声がこだました  空が吠え地面が揺れる  母の頬に口をつけたい  微笑み私ははにかんで  水源は清くゆるりと鎮座する    雪は  しんしんと降り注ぐのか  ふわふわと落ちるのか  ぼたぼたと沈むのか  ウンディーネは気にも留めない  白妙のキャンバスは足跡まみれ  どんな色をつけようか  繋いだ手の熱はまだ落ち着かない  ウンディーネは歌い  私は裸足になる  雪は白く、濡れていた    雪は儚い  終わりと酷似している  だが始まりの前兆でもある  私が溶け消えたとして  雪は知らずに降り続ける  世界は雪の懐かしさを求め探している


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冬の夢 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 379.1
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2025-03-26
コメント日時 2025-03-28
#現代詩
項目全期間(2025/04/07現在)投稿後10日間
叙情性00
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音韻00
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叙情性00
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閲覧指数:379.1
2025/04/07 04時14分30秒現在
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    作品に書かれた推薦文

冬の夢 コメントセクション

コメント数(5)
レモン
レモン
作品へ
(2025-03-26)

初めまして。 コメント、 少し猶予を下さい。 この勢いの詩板を見て、 「明日には次の頁に行ってしまうかも」と危機感を持ったので、 勝手に上げさせていただきますね。 ありがとうございます。

1
レモン
レモン
作品へ
(2025-03-27)

初めまして。 初読時に「長い!」と思い、 ずっと「長い!」と言う印象があり、 避けていたのですが、 今日、拝読し、 あれ?長くない。 と、不思議な心地です。 何故、「長い!」と思ったのかは、 「この密度で感覚を受けとる」とどうなるかという、私個人の実験結果です。 密度が素晴らしいので、 色々引っ掛かりはするのですが、 やはり全編を通じて流れ込む、 ウンディーネ、シクラメン、エリカ の部分に触れていきたい。 ウンディーネ、シクラメン、エリカの関係性云々に触れたければ、 他にコメント付けたい方、 宜しくお願い致します。 私個人は、 シクラメンは色として綺麗、 エリカは「荒野」「裏切り」「博愛」などの花言葉が面白い。 ウンディーネはイメージとして良い。 と思います。 今の私にとっては、 まだまだコメントつけるのが難しい作品です。 私個人の未熟さを明らかにして下さり、 ありがとうございます! 重ね重ね、 ありがとうございます。

2
不人
不人
レモンさんへ
(2025-03-27)

コメントありがとうございます。 詩を書き始めたばかりで、考えたこと、思ったことを書いていたらとても長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

1
レモン
レモン
不人さんへ
(2025-03-27)

こんにちは。 えーっ! この詩で書き始めたばかりとは、 末恐ろしいです。 いやはや、参りました。 イメージの奔放さは、詩の大切な要因ですが、 どうにもこうにも上手く言えないまま言葉にすると、 スッキリ整理させたりとか、 奔放さをコントロールできたりすると、 また新しい印象になるかもしれないかも?とふと思いました。 佳い詩です。 他の作品も、また読ませて下さい。 ありがとうございます。

1
不人
不人
レモンさんへ
(2025-03-28)

これからたくさん勉強して面白く美しい詩をかけるようになりたいです。こらからも頑張ります。あたたかいコメン、本当にありがとうございます。

1
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