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鳥
閑散とした田舎町 お隣さんなんてものはない。 父母兄弟 穏やかな。 父は出稼ぎに行っていた 無事に帰ってくるだろうか。 母も同様だ。けれど育児も行っていた。 兄は想うだろう。 弟も死ぬだろう。 たった一つの肉を囲む 兄は「それを寄越せ」と言った。 弟は拒んだ。 兄は弟を外に放り落とした。 兄は思った 父の、母の帰りが遅い。 兄は二階へと上がって行く。 屋根の上から顔を出す。 母を見つけた。 声を出そうとした。 風が鳴る。 遠く遠く遠く。 早い。 母は思う 兄、弟はどこに行ったのか? 静寂。 何もいない。 風が鳴る。 近い。 振り返る。 誰もいない。 上 兄は考える 背中に刺さる鋭利なものに、父を想った。 落ちる 落ちる。 落ちる 落ちる。 あぁ我が子達 すまない。 奴は狡猾だった。 「あぁ弟よ」 すまなかった。 君と同じ姿に成る私を、虚ろな瞳が追うだろう。 あぁ兄よ 死んでしまえ。 「あぁ兄よ、弟よ」 背後に迫る風の音を最後に、母も姿を消した。 最期に聞こえた。 甲高い鳴き声。
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鳥 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 410.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-03-23
コメント日時 2025-03-23
項目 | 全期間(2025/04/07現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
初めまして。 そもそも、 冒頭から無理があります。 >お隣さんなんてものはない。 アメリカかどこかの想定ですか? でも「閑散とした田舎町」と書いてあるので、 それで、お隣さんがない。どゆこと?と、一瞬パニック。 ああ、 お隣さんはあるけど、 付き合いがないから「お隣さんなんてない」という表現になるのでしょうか? 内容は衝撃的でした。 で、文字をギリギリまで削り、 空間の余韻を計算して、 効果的に響くように書けていると思います。 ヒッチコックの「鳥」を連想しました。 ありがとうございます。
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