ばらばら - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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ばらばら    

地面に転がりし吾が目玉を蹴飛ばしては 吾が頭の在処を探すのであるが、 闇好きの吾の頭は闇に紛れて何処かへと逃亡したと見えて 目玉を宙空へと蹴飛ばしただけでは吾が頭は見つかりさうもない。 吾が両の手は頭を追ってゐた筈だが、 闇の中でこそ手探りが有効なのだけど、 闇の中で何かに触るのが怖くて両の手は蹲って微塵も動けない。 吾が鼻は自分の匂ひには無頓着故に鼻が頭を見つけることはない。 ならば頭が乗ってゐた胴体はと言ふと 木偶の坊に過ぎないので端から胴体には何の期待をもしてゐない。 このばらばらの状態の中、生殖器だけは脳に直結してゐるから Radarとなって吾が目玉を頭まで導きさうではあるが、 生殖器は縮こまって何の役にも立たない。 このばらばらな吾の収拾をつけるのは 吾が頭しかないのであるが、 頭を見失って久しい吾は、 唯、地面に転がった目玉を蹴飛ばすしかない。 途方に暮れて自棄になった吾がとった行為は あらうことか、目玉を踏み潰し 盲しひた人になりて、 視覚に最早頼らずに感性を研ぎ澄まして 気配で見つけるといふ無鉄砲な手段なのであった。 然し乍ら、目玉がないといふのは 千里眼でも手にしたやうに気配を感じて仕方がない。 とはいへ、頭は吾になることを徹底して嫌ってゐたのか まんまと吾から逃げ果せたのである。 さうして後、吾が口が此処ぞとばかりに大口を開けて 頭以外の吾をぺろりと食べ尽くしたのである。 残された口は口の端し同士から口自身を喰らひ 最後は吾は此の世から消ゆることに相成ったのである。 さて、吾は何処へと消えたのであらうか。 そんな断末魔を挙げて吾は消滅したのである。



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ばらばら ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 195.5
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2025-03-04
コメント日時 2025-03-04
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/14現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
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閲覧指数:195.5
2025/04/14 23時24分01秒現在
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    作品に書かれた推薦文

ばらばら コメントセクション

コメント数(3)
レモン
レモン
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(2025-03-04)

初めまして。 そうですね… 色々と、それっぽいことを書こうかとも思ったのですが、 断末魔を挙げて消滅なされたと書いてあるので、 消滅したく無かったのでしょう? 再生されることを お祈り申し上げます。 ありがとうございます。

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レモン
レモン
作品へ
(2025-03-04)

耳は残っておられるようなので、 3曲チョイスして参りました。 ばらばら https://youtu.be/3UBi4Gz_xSo?si=BAz83yd2luwYzD4C 再生 https://youtu.be/oqxvaDbAHkI?si=cMUro8M7ZmsDTQ77 そして、直感で。 優しくしないで https://youtu.be/dyidSb11_hQ?si=35-E-OTF8BfyP33Z ありがとうございます。

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高橋髙橋
高橋髙橋
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(2025-03-04)

散文的な語りの力でぐいぐい引っ張っていく魔法(のような…)があっておもしろいです

1
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