青いセサミ - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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青いセサミ    

すてられたセサミの青いぬいぐるみ 車寄せを背にしてちょこんと座って 空を見上げている だから僕は彼を拾うのを辞めた 誰かの落し物なんじゃないの、と 後で君に言われたけれど 君は彼を見てないから言えるんだと 声に出さずに呟いた 職場のベッドが一つ空になった 僕はまたその部屋を うめなければならないから 真夜中にカサつく書類をめくっている あの部屋の壁には大漁旗を手にした 漁師たちが飾られていたが 今はもういない 安らかからほど遠い顔が瞼をちらついた 漁師たちは何処で死にたいのだろう 濃いローストの珈琲の苦味が 眠気ごと全て塗り潰していく あのベッドを また誰かがあたためる頃になっても セサミの青いぬいぐるみはそこに居た 昨日の雨で濡れて泥が顔を汚していた セサミの青いぬいぐるみは青空を見上げて 何処か満足そうだ 汚れた姿は生きた証で大切な場所を守る姿が そこにあるように思ったのは僕の気の所為 それでも 自分勝手な気持ちの幻想だとしても 彼を拾う気にならなかった 言葉もなく、涙もない、僕は笑うしかない 悪くない気分だと帰って君に笑いかける 僕の居場所で


青いセサミ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1054.7
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-03-04
コメント日時 2018-03-22
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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閲覧指数:1054.7
2025/04/09 17時58分14秒現在
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    作品に書かれた推薦文

青いセサミ コメントセクション

コメント数(6)
ほば
(2018-03-05)

花緒さま コメントありがとうございます。非常にわかりやすい方向で描いた作品ですが、確かに詩としての圧縮が不足していたかもしれません。

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ほば
(2018-03-05)

いかいか様 コメントありがとうございます。言われてみればその通りな部分はあり、言葉で描写する意味の追求はすべきだと思います。ただわかりやすさや視覚的描写は潰さずに詩を、言葉を圧縮することを考えたいと思います。自分に酔っているつもりはないのですが、参考にさせていただきます。

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李沙英
(2018-03-05)

こんばんはよろしくおねがいします セサミのぬいぐるみが人間的に映るのです 全体的に重い中、僕とぬいぐるみが小さく息をしているような 他の誰もは生気を感じないのに ぬいぐるみと僕だけが何故かかろうじて生きている 「なぜだろうっ」て思わされました。

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ほば
(2018-03-07)

李沙英さま コメントありがとうございます。多分、生と死を非常にわかりやすい形で提示していて、僕は生きていて亡くなったものやいつか来る死に心を揺らしています。人形はただそこにある、鏡みたいなものでしょうか。あまり説明するのもなんなのでこれぐらいで。

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るるりら
(2018-03-22)

こんにちは 職場にベッドがある。それは終末医療を意味しているようですね。 モチーフとされている青いセサミとは セサミストリートのクッキーモンスターというキャラクターであるような気がしました。 もしも クッキーモンスターであるとすると 普通の人形ではなくて、口を動かすことのできるタイプのマペットというタイプであるなら腕を人形の中にいれて動作するタイプですから、 路上に放置されていたりすると、見た目のヘタレ具合も そうとう くたびれた残念な映像になるような気がします。 異様な絵を掲示されていると驚きました。もしもクッキーモンスターであるならば、 とても魅力的で この詩にとって適切なモチーフだと思いました。

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百均
(2018-03-22)

>青いセサミのぬいぐるみ という語を見た時、わからなかったのですが、セサミストリートに出てくるキャラクターの人形なのだと気がついて、なるほどとおもいました。確かに病室には何故かぬいぐるみがおいてあって、多分メルモとか結構置いてあるよなと思いました。ぷーさんとかもそうかもしれないと。 何故ぬいぐるみがそういった場所に置かれ、寄り添うものとしてあるのかぼくはわかりません。ぼくはぬいぐるみを持たない人間だからです。でも、ぬいぐるみは必要とされ、いずれ人から必要とされなくなるとう現実がある。語り手は「職場のベッド」という形で人の死を描いている。その次に大漁旗のイメージが置かれる事によって、終末医療のイメージを僕も連想しました。漁師だった人間がおそらく手足がどんどん動かなくなって、寝たきりになって時、その側に青いセサミストリートのぬいぐるみが置かれるという事の意味を想像します。想像できないし、それは意味を超えたものかもしれないのですが。それでもそこに何かあると思ってしまいます。そういう意味で2連目まで強烈に惹かれました。 これは申し訳ない感想になってしまうかもしれないですが、それ以降はある意味それてしまったようにも思います。この詩の事を理解できているとは僕は思わないのですが、とにかく2連目が印象に残りました。読んでいてビリビリする。

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投稿作品数: 1