あわくしろい日々 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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あわくしろい日々    

蝶々結びになっていた指をほどいて、 今はとてもあわくしろい、 わたしたちから剥いでいったシーツをヒシと掴んで、 数珠繋ぎになった看護師たちが、 屋上へ舞い上がっていく、 手垢でももいろになった公衆電話の受話器から聞こえる、 ツー、ツー、 に合わせて、わたしたちは、踊る、踊る、 気の利いた誰かが、 花のワルツをかけて、 わたしたちのよろこびは、 とてもあたたかく、やわらかいところで包まれる、 眠るより早く、影絵遊びをやめるということは、 ここではゆるされていない、 影うさぎは、昼間のわたしたち、より高くとんで、 わたしたちは笑い転げて、 指をもつれさせたまま、 ベッドへ沈む、 まいにちが儀式のようにぐるぐると回り始めて、 わたしたちのつくったくらいうさぎが、 (ほんとうのほんとう)を 囲んで踊る夢、  あたまの中に、 透明なひとかげが満ちて、 わたしはアルファベットマカロニの一粒になって遠くへ流れていく、これも、夢、 すべての夢が、あわくしろくて、 うっすらと、おしろいが振られている、 わたしがげんじつへかえるとき、 "わたしたち"はどこへゆくの、 小庭のいりぐちが、あまい匂いを放って、 それは、ただ水仙の香りだった、と 種あかしされるとき、 夢がさめて、シーツが剥がれる、


あわくしろい日々 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 15
P V 数 : 1168.9
お気に入り数: 0
投票数   : 4
ポイント数 : 0

作成日時 2025-01-05
コメント日時 2025-01-12
#現代詩
項目全期間(2025/04/15現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
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閲覧指数:1168.9
2025/04/15 06時05分31秒現在
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    作品に書かれた推薦文

あわくしろい日々 コメントセクション

コメント数(15)
佐々木春
佐々木春
作品へ
(2025-01-05)

病院という設定でみんな愉快に踊ってたりするのですが、指が蝶々結びだったり、影絵遊びがやめられなかったり、公衆電話が手垢だらけだったり、全体的に不穏な感じですね。 何かこの世の中への不安とか不信とか、ただそれを受け入れていかないとどうしようもないとか、そういう気持ちなのかなと思いました。 というわけで、ハツさん、今年もよろしくお願いします。

1
ハツ
ハツ
佐々木春さんへ
(2025-01-05)

佐々木春さん、コメントありがとうございます。こちらこそ今年もよろしくお願いしますね。頂いたコメントは、前半がその通り過ぎて、そうですね、としか言えないので、代わりと言ってはなんなのですが、2024で佐々木さんの一番好きだった作品をお伝えします。(なんで?)『ストリーム』です。透明感がすごくて、天然水のCMにしてほしいと思っています。マジです。 後、一点佐々木さんに前から伺いたかったのですが、佐々木さんの作品に出てくる"きみ"について、どのようなこだわりというか思い入れがある表現なのかを良ければ教えていただけませんか?面倒コメントすみません。全然スルーでも気にしません。今年もお互い、肩の力を抜いてやっていきましょう!

1
A・O・I
作品へ
(2025-01-05)

作品として書かれているものを、そのまま視界に映し出していくとき、読み手は今から何処へ向かうのだろうか。この詩におけるわたしは、いまも過去にあり、わたしたちは今、詩とともにゆく、読み終わったとき、感傷的なことを客観で紐解くものではなく、あわくしろいヒビが剥がされる。(詩的感想

1
A・O・I
作品へ
(2025-01-05)

一票(入れ忘れた

0
佐々木春
佐々木春
ハツさんへ
(2025-01-06)

つまらないコメントすみません…あまり詩的な人間ではないんじゃないかと常々思ってます… ストリーム、ほめていただきありがとうございます。 自分の作品を読み返すとこれどうやって(どんな気持ちで)書いたんだろうなと思うことがけっこうあるんですが、ストリームについては外がとにかく暑いなと思っていたことを思い出しました。 そして、「きみ」ですね、これはわたしにも難問です。あえて言うなら今の自分ではないんだけど他人でもない誰か、異性ではなくてもいいんだけど、たぶん同性ではない誰かって感じでしょうか。言い方を変えれば、今の「わたし」にとってみたら「きみ」とセットでひとりみたいな。そういう意味ではわたしに近いのですが、あくまで呼びかけの対象であって、でも存在してるかどうかは問題じゃない。 と書いてみましたが、わかりずらいですよね笑

0
ハツ
ハツ
A・O・Iさんへ
(2025-01-07)

A・O・Iさん、コメントありがとうございます。詩的感想うれしいです!しかもすごく素敵です……!票もありがとうございます。今年はいい一年になりそうだな〜とホクホクしてます。今年もよろしくお願い致します!

0
ハツ
ハツ
佐々木春さんへ
(2025-01-07)

佐々木春さん、ご返信ありがとうございます。佐々木さんから頂いたコメントがその通りだと書いたのは、こちらが書いたことを正確に読み取っていただいたからで、それ以上付け足す必要がなかったからです笑。詩的な人間かなど気にせずに、佐々木さんは詩街道を爆走してください! また、「きみ」についても答えてくださって本当にありがとうございます。 >今の「わたし」にとってみたら「きみ」とセットでひとりみたいな。そういう意味ではわたしに近いのですが、あくまで呼びかけの対象であって、でも存在してるかどうかは問題じゃない。 それ自体とても詩的な考え方だと思います!笑。わたしのなかにある他者性というか、遠くにいる"わたし"。それに呼びかけると"きみ"になる。みたいな感じでしょうか。言語化能力が陳腐で申し訳ないです。でもわかったような気にはなっています。なるほど……。その観点からまた佐々木さんの作品を読み直してきます。ありがとうございます。 外がとにかく暑い→『ストリーム』が完成するのがすごい!矢印の間で何かすごいことが起こっている気がしますが笑。 ご返信本当にありがとうございました!いい一年になりそうです!

2
ryinx
作品へ
(2025-01-07)

詩文全体が、宙を舞う蝶の、動きのように。現実とその裏側に夢があって、空気を漂う鱗粉のような。あるいは、余白の取り方、ひらがなと漢字の使い分け、動作、動き、リズム、螺旋階段の空間を循環するようなイメージ、曖昧な言い回しになりますが、

2
ミケネコ
ミケネコ
作品へ
(2025-01-08)

投票させていただきました。祖母が閉鎖病棟に入院していたときのことを思い出しました。

1
1.5A
作品へ
(2025-01-10)

夢のように断片的な世界に、少しずつ手掛かりが与えられていく。核心に迫っていくようなところまで上手く読み取ることができなかったのですが、わたしに含まれるわたしたちは、わたしが泣かないように、わたしが死なないように、いくつもの記憶をわたしに見せてくれているのかなと思いました。「夢がさめて、シーツが剥がれる」、それはわたしたちの記憶かもしれないし、それもまた夢なのかもしれない。視界に写し紙を一枚、挟み込まれたように、さめない夢のなかにいるみたいでした。

1
ハツ
ハツ
ryinxさんへ
(2025-01-11)

ryinxさん、コメントありがとうございます。素敵なコメントですね。うれしいです。ぐるぐるまわる、時が止まっている印象は今回のテーマだったので、"循環"というのはたしかに……と思いました。 >曖昧な言い回しになりますが、 全然!しっかりつたわりましたよ! コメントありがとうございました。

2
ハツ
ハツ
ミケネコさんへ
(2025-01-11)

ミケネコさん、コメントありがとうございます。ミケネコさんの記憶の一部にアクセスできたこと、光栄に思います。うれしい。書いてよかったかも、と思いました。 でも書き手は読み手に対してある種暴力的ですよね。読んだ後、読んでいる途中、タイトルなどから何かしらの感情や記憶が勝手に引き出される……。そんなことを思いました。コメントありがとうございました。

0
ハツ
ハツ
1.5Aさんへ
(2025-01-11)

1.5Aさん、コメントありがとうございます。 >視界に写し紙を一枚、挟み込まれたように、さめない夢のなかにいるみたいでした。 写し紙なつかしいですね。(私の思ってるあのちょっと濁った薄い紙であってますか?)。写し紙の懐かしさがすごくてコメントへの返しが不能になります。 書いてくださったコメント、素敵です。いつもありがとうございます。写し紙の思い出がいくつも引き出されました。なつかしい……なつかしい。 すみません、ちょっと写し紙というワードに引っ張られすぎてますね。 コメントありがとうございました。

1
1.5A
作品へ
(2025-01-11)

トレーシングペーパーですよね。ぼんやりと透明な白色。できるのかどうかは分かりませんが、そこに印字したら、文字に薄く影がついて、きれいだと思います。 幼いころ、それとカーボン紙を駆使して写し絵に励んでいました。写し紙に写された絵、どこか弱々しくて、何度も触りたくなるような手触りだった気がします。

1
ミケネコ
ミケネコ
ハツさんへ
(2025-01-12)

たしかに、読み手に対して、さまざまな記憶や感情を思い出させるという意味ではある種の暴力性があり、言葉を使うということはそういうことなのだなと思いました。でも今回は、置いてけぼりにされたままのあのときの感情を認めてあげるような、そんな感覚になりました。

1

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