こころ - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

こころ    

  宇宙は茸の形をしている スーパーでシイタケを選び取りながらそう考えた 思えば今朝の朝焼けはサイコーだった 胸元から天へ開けてゆく感覚 まだ続いている それから舟は 舟にいる僕は煙草にのまれた 換気扇のしたに突っ立って ここに住む とは どういうことかを考えざるを得なかった 同時 最適化 という言葉が浮かんだ 分け入った 分け入った 郊外のハウスに住んでいる となりの家の木々はすっかり枯れてしまい わずかにそれらを湿らせるしぐれが 僕のこころまで柔らかくしていた 原付を飛ばして 証明写真を撮りに行ったけれど 写真機に 故障中 の紙が貼られ 仰げば 寒ン空に雲が一つ浮いて流れていた 目を移し じっと百円玉を見つめると 僕は百円玉になってしまっていて ジュースの自動販売機の穴 闇の中へ 落ちていって見失ってしまった ・・・そんなことは日常茶飯事だった さっきもスーパーで迷子になって 孤独になりたい 放っておかれたいという気持ちと 孤独が 放っておかれることが怖いという病状の真ん中で 必死に冷や汗を流しながら 手中におさまるものはないかと捜しています ロイヤルミルクティーのペットの空が 目の前 〈存在〉していることさえも  何億年という人間の歴史の上で 安心の内に入ります  


こころ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 629.8
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2024-12-30
コメント日時 2025-01-04
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:629.8
2025/04/16 23時12分34秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

こころ コメントセクション

コメント数(5)
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
作品へ
(2025-01-01)

肥沃えんだをじっと見つめているうちに自分も100円玉になってしまう表現は素晴らしい。想像を広げさまざまに変化する自由を感じます。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
秋乃 夕陽さんへ
(2025-01-02)

あけましておめでとう。そして、コメントありがとうございます。 自由の、想像の自由の前提には、退屈があります。 この品も、ウィンターホリデーの余暇の退屈の中で書かれました。 ハイデッカーが言及しているように、最も深い「なんとなく退屈だ」という状態に於いて 人間は最も深い、自由な状態であるからだ、とこれを逆説的に語っていたと思います。 そうして、目の前の百円玉に自分がなってしまう、そうして自分を放りこんで 自分を見失ってしまう、とはどういうことでしょうか。 ここで問われる変化とはなんでしょうか。 私は主体に「特定の病気を持っていること」を付与しました。 しかし、例えばアルコールを摂取するなどの酩酊した状態でも同様の事柄は起きます。 なぜアルコールを摂取するのか?変化するのか?それは気晴らしです。 しかし病気、脳病は気晴らしではありません。 しかし病気自体から逃避願望、変化、変身を求めるこころは宿ります。 私はウィンターホリデーの気晴らしについて言及しつつ 病態からの逃避願望を「ソフトに」語ろうと思いこの作品をコンセプトしました。 自己言及が多すぎてすいません。いい歳を。

1
秋乃 夕陽
秋乃 夕陽
田中恭平 newさんへ
(2025-01-03)

ウィンターホリデーの気晴らしに書かれた病態からの逃避願望なんですね。 詩という籠の中では自由に行き来できる素晴らしい装置だと思います。

1
紅井ケイ
紅井ケイ
作品へ
(2025-01-03)

まず出だしからぶっ飛びました。 夏目漱石とは全然関係ない詩だったのですね……。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
紅井ケイさんへ
(2025-01-04)

あけましておめでとうございます。そしてコメントありがとうございます。 そうですね。夏目漱石との関係は、その、漱石の文体って今読むといい意味で 「無個性」というか、「脱個性的」だと思います。 草枕の前半は非常に個性的な文体なんですけれど、章が進むにつれていい意味で 非常に投げやりになってその個性を失ってゆく過程がわかるといいますか。 勿論、漱石マニアとか通な方は異論が出ると思うんですけれど この品も、それに倣って、非常に無個性な文体になっている。というかしました。 その、文体という一点に於て、遠いところで共鳴したらばいいなとは 今回、よく考えたところです。ありがとうございます。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 1